ワシントン州も発砲スチロール禁止か

ワシントン州もニューヨーク市のように発砲スチロール製の食品容器やピーナッツ型の緩衝材を禁止するようだ。

ワシントン州上院が3月2日、飲料容器やごみ袋の原料の再生資源含有量を義務づける法案を承認した。そのなかに、2023年6月以降、発砲スチロール製の食品容器やピーナッツ型緩衝材の禁止も盛り込まれているとのこと。

ストローやカップのフタは、客からのリクエストがあったときのみ提供する。

2023年までに、製品の重量の少なくとも15%をリサイクルし、2026年までに25%、2031年までに50%と、段階的にリサイクル率を増やすとのこと。

また、プラスチック製ごみ袋の再生資源含有率は、2023年に10%、2025年に15%、2027年以降に20%から。

法案はこの後、下院での検討に移る。

このようなプラスチックや発砲スチロールを規制する法律は、プラスチックによる水質汚染などを気にするワシントン州の住民に評判がよいそうだ。

アンケートによると、回答者の76%以上が、プラスチック汚染を減らすため規制を強化することに賛成しているという。

テイクアウト用の発砲スチロール製容器については、回答者の57%が禁止を支持し、反対者はわずか26%だ。

日本も早く発砲スチロール製食品容器を禁止してほしい。仮に発砲スチロールの散乱がなかったとしても(現実にはかなり落ちている)、発砲スチロール容器に入った食品はどうも不安で仕方がない。

<出所>

https://www.wastetodaymagazine.com/article/washington-senate-recycled-content-plastics-bill-polystyrene/

ダスグプタレビューとヨドバシカメラのレジ袋

ダスグプタレビューがイギリスで好評のようだ。

環境経済学者のパーサ・ダスグプタが英国政府の依頼でまとめたレポートで「生物多様性の経済学(生態系の経済学)」というタイトル。英国政府の財務省が発行元だ。

「推定によると、1992年から2014年の間に、一人当たりの生産資本は2倍になり、一人当たりの人的資本は世界全体で約13%増加した。しかし、一人当たりの自然資本のストックは40%近く減少」

「1992年から2014年の間に自然資本のストックが4割近くも減少」

などの言葉が並ぶ。

昨日、ヨドバシカメラへ行ったところ、「石灰石を使った環境にやさしいレジ袋を使っているから無料で配布している」という店内放送が流れていた。

石灰石のような自然資本(山)を削らなければ採れない資源を使って作ったものを垂れ流す(無料配布し続ける)ことの何がエコか、と困惑したら、買う気がすっかり失せてしまった。

レビューによると、人類がここ数十年で非常に繁栄したのは、自然に壊滅的な犠牲を払わせたことを示しているとのこと。

石灰石のように山を削って得られる資源で、何十年も使い続けるセメントを作るならばともかく、レジ袋のような使い捨ての消耗品を作るのは、あまりにももったいない。

しかもこのレジ袋、石灰石とプラスチックを混ぜ合わせて作られているから、もし環境中に出れば、プラスチック部分はすぐにマイクロプラスチックになるだろう。

ジョンソン英首相はこのレビューを歓迎しているそうだが、日本も早急にこのような勘違いをする店がなくなるように手を打つべきだ。

ダスグプタレビュー↓

https://www.gov.uk/government/publications/final-report-the-economics-of-biodiversity-the-dasgupta-review

まだやっている?アクリルたわし講習会

プラスチックごみ削減の見地から、アクリルたわしはもう作られなくなったと思っていたが、まだ各地で行われているようだ。

川の水質改善やプラスチックごみ削減など、環境目的で行っているところが多い。

マイクロプラスチック問題が顕在化した今、まるで冗談のような話だと思うが、世田谷ではプラごみ削減、奈良県では自治体が主催し、水質改善目的で行っていた。

アクリルもプラスチックの仲間。毛糸くずはマイクロプラスチックファイバーとして下水に流れ込み、下水処理施設で100%除去することは不可能だ。

講習会で使うアクリル毛糸を、綿糸や麻糸に変えてやったら済むだけの話。なぜいつまでもアクリルに固執するのか、さっぱりわからない。

ペットボトルのキャップ回収がサーキュラーエコノミー?神戸市も

SDGsは素晴らしい概念だと思うが、あまりにもおかしな使われ方をされ、うさんくさくなってきている・・と思っていたら、最近はサーキュラーエコノミー(循環経済)までうさんくさくなってきた。

ペットボトルのキャップを回収しそれでごみ袋を作る・・、これのどこがサーキュラーエコノミーなのか。まったくわからないが、「サーキュラーエコノミー」として紹介されている。

ビオセボンには期待していたが、これは一体何だろう?

しかもビオセボンだけでなく、神戸市までもが開始したらしい。これでは自治体がペットボトルの使用を奨励しているようなものだ。

サーキュラーエコノミーは経済モデルで、サーキュラーとは循環だ。ごみ袋として燃やすことの、どこが循環なのか?そもそもペットボトルのキャップ回収自体、循環経済とは真逆にあるのではないか。

イギリスの大手スーパー・テスコは、数年前に自社製品の水のペットボトルを廃止し、開栓後また閉じられるアルミ缶に変えた。飲み終わった後また水を入れて水筒としても使えるらしい。このような企業の姿勢がサーキュラーエコノミーの第1歩だろうと思う。

ごみ袋は必要だから、それを再生樹脂で作るのはよいが、わざわざキャップを単独で回収して作る必要はない。単独回収することで回収車が余分に排出するCO2の元が取れるほど、ペットボトルのキャップに資源としての価値を認めているならば、ペットボトルのような使い捨て品は、とにかく使わないことが大事なはずだ。

本来、キャップはペットボトルにつけて回収し、飲料メーカーが責任もってボトルもキャップもリサイクルすべき。EUはその方向に舵を切りつつある。

日本は自治体が税金で多くのペットボトル本体を回収し、キャップについても容器包装プラスチックの一部として扱われるのでやはり自治体が税金をかけて回収する。そのキャップだけを別枠で集めて、燃やすことが前提のごみ袋を作る・・このような循環しない事業をサーキュラー エコノミーと呼んでよいのだろうか。

サーキュラーエコノミーにとって、リサイクルは必ず必要だ。しかし、それ以上にサーキュラーエコノミーに必要なことは、ペットボトルのような使い捨て製品の削減であるはずだ。

<参考>

神戸市:日本初!「市民みんなでペットボトルキャップを集めて作る指定ごみ袋」

https://www.city.kobe.lg.jp/a36643/press/520069752360.html

カリフォルニア大学、使い捨てプラを段階的に廃止

米カリフォルニア大学が、不要な使い捨てプラスチックを2030年までにすべて廃止することを目指すと発表した。

使い捨てプラとは、ストロー、マドラー、ソーダや水のボトル、レジ袋、食品包装、フードサービスの皿やカップなど。

レジ袋は既に1月1日までに撤去した。ストローなどは、今年7月1日までに堆肥化可能なものやリユースできるものに置き換える。

キャンパスフードサービス事業は、2023年1月1日までにペットボトルの購入、販売、流通を段階的に廃止する。そのため、キャンパス内に給水ステーションの設置がすすめられる。

また、カリフォルニア州政府もまた、州全体で使い捨てプラを減らしている。

衆議院は昨年11月、使い捨てプラとポリスチレンを禁止する法案を可決した。

House Bill 1162は、レストランやその他の食品小売業者が2022年1月1日までに持ち帰り用食品の包装にポリスチレンを使用することを禁止している。

また、HouseBill1163は2022年7月1日までにストローやレジ袋の使用を禁止する。

<出所>

The Guardian(2021.1.10)University of California Begins to Phase Out Single-Use Plastics

https://ucsdguardian.org/2021/01/10/university-of-california-begins-to-phase-out-single-use-plastics/

プラスチックのウェブ会議と木質バイオマス発電のオンラインセミナーのお知らせ

日本のプラスチック資源循環戦略を検討しているリサイクル小委員会もそろそろ終盤か。

1月28日の朝8時半から8回目のウェブ会議がある。
傍聴申込みは27日の昼まで↓

https://www.env.go.jp/press/108966.html

今回も「拡大生産者責任」の言葉はでてこないのだろう。

また、1月24日(日)にバイオマス発電のオンラインセミナーがあり、まだ申し込めるようだ。

今回は、日本が木質ペレットを輸入しているカナダの話で、北米の環境NGOによる報告↓

「燃料生産の現場で何が起きているのか カナダの事例から学ぶ」
https://www.foejapan.org/forest/biofuel/2020.html

バイオマス発電の燃料にするため、現地の原生林を伐採しているという話だろう。

プラスチックも再生可能エネルギーも、「バイオマス」に頼ればカーボンニュートラルでエコだなどという誤解が蔓延している。

ジョナサンもティーバッグをやめリーフティへ

ジョナサンのドリンクバーの紅茶が、いつの間にかティーバッグからリーフティに替わっていた。

フランスでも来年からプラスチック製ティーバッグが禁止されるが、日本のファミレスも一足早くティーバッグをやめたようでうれしい。

夕方以降にこの手の店へ行っても、コーヒーは眠れなくなるとイヤだし、お茶類はティーバッグからマイクロプラスチックを大量に摂取しそうでイヤだなぁと思っていたが、これでようやく安心してドリンクバーを利用できる。

また、フードロス対策もしている↓パックはプラかもしれないが、これで安心して持ち帰り用容器を持参できそうだ。

ペプシコ、使用済みPETのみを利用したペットボトルの使用を拡大

ペプシコは、2022年までにヨーロッパの9か国で販売される特定のブランドのペットボトルなどプラスチック飲料の容器に、使用済みPETのみを使うと発表した。

これにより、年間1億5,000万ポンド以上のバージン樹脂が再生樹脂に置き換わるそうだ。2021年には、ドイツ、ギリシャ、ポーランド、ルーマニア、スペインのペプシソーダに使用される。

また翌年には、ベルギー、フランス、イギリス、ルクセンブルグで100%RPETボトルを展開する予定とのこと。これらの国では、変更はペプシソーダだけでなく、すべてのペプシコソフトドリンクを対象としているそうだ。

<出所>

Beverage giant to expand RPET use in Europe(2020.12.9)

コカコーラは、3年連続世界最大のプラごみ汚染企業

Break Free From Plasticのレポート「BRANDEDVolIII:Demanding Corporate Accountability for Plastic Pollution」によると、コカ・コーラ、ペプシコ、ネスレが世界トップのプラスチックごみ汚染者だったとのこと。

この3社は3年連続で、変わらない順位を保っているそうだ。3社はプラごみ汚染を防止するための有効な対策をとってこなかったということだろう。

55か国から346,494個のプラスチックを回収した結果だという。

他に日本でもよく知られている企業としては、7位にP&Gがランクインしている。

<出所>

#breakfreefromplastics(2020.12.2)

おしゃれな新聞パッケージ

土産用に酒を買い、箱を開けたら酒瓶が新聞紙に包まれていた。

以前よく英字新聞をパッケージに使っているのを見たことがあるが、日本語の新聞は初めて見た。

とても新鮮でお洒落に見える。

これがもし発泡スチロールの緩衝材や、合成繊維の不織布などであれば興ざめしたところだ。

説明に「蔵内原酒をそのまま壜詰し、中身保護と資源再利用するため、新聞紙で包装しました」とあった。