ブリュッセル vs 亀岡市、レジ袋新方針を比較(訂正)

ベルギーのブリュッセル首都地域では、レジ袋の提供は原則禁止されていた。例外として、家庭で堆肥化できるレジ袋は有償提供が認められていた。

しかし、ブリュッセルは今月(2020年3月)から家庭での堆肥化可能レジ袋も提供禁止になると聞く。

一方、京都府亀岡市は、今もめているレジ袋禁止条例が通ったとしても生分解性の袋は有償提供が認められる(*すべての生分解性プラ袋ではない。訂正を下に加筆)。

つまり、ブリュッセルの新方針ほど厳しくない条例だが、それさえもコンビニ3社により暗礁に乗り上げようとしているということ(関連記事参照)。

ブリュッセルだけでなく、レジ袋提供禁止は世界の流れ。中国もまもなく禁止だ。なぜ日本の事業者は、これほどレジ袋禁止に抵抗するのだろうか。

レジ袋をやめて、もし再生紙の紙袋を有償提供するならば、今大きな問題になっている古紙余剰問題解決にも一役買える。準備にもそれほど時間はかからない。

セブン・イレブンなどは、紙袋提供の実験も既にしていたはず。ファミリーマートにしても、バイオベースのプラスチック製レジ袋の有料配布を決めたのだから、それを亀岡市のみ紙袋に切り替えれば済むだけの話だ。

コンビニ3社は買い物袋の方針を、再生紙製袋の有償提供に舵を切れば、古紙余剰解決のヒーローになれる。

<*訂正>

亀岡市のレジ袋禁止条例が認められた場合、認められる生分解性プラスチックの袋は「市長が特に必要と認める袋 」とのことで、生分解性プラスチック全般ということではない。

プラスチック系でいうと具体的には、今のところPHBH製のもののみが有償で提供可能、となるそう。他には、例えば、寒天製のものなどを指しているそうだ。

条例(案)第2条(5)

生分解性の袋
土壌環境及び水環境のいずれでも自然界に存在する微生物の働きにより最終的に二酸化炭素と水に分解される性質を有するバイオマスプラスチックの袋及び紙製の袋並びに新技術により製造される袋であって市長が特に必要と認める袋をいう。
https://www.city.kameoka.kyoto.jp/kankyousoumu/documents/soan.pdf

<関連記事>

亀岡市のレジ袋禁止条例、コンビニ大手3社が待った!

<参考>

亀岡市「条例(素案)の概要」↓

https://www.city.kameoka.kyoto.jp/kankyousoumu/rejibukuro.html

亀岡市のレジ袋禁止条例、コンビニ大手3社が待った!

京都府亀岡市で、スーパーやコンビニなど小売店でのレジ袋配布を禁止する条例案が、2月21日、議会に提出された。

市民の7割が、条例案に賛成しているという。

しかし26日、セブン・イレブン、ローソン、ファミリーマートの3社20店舗の店主らが、「要望書」を市長に提出した。要望書には、最低1年の周知期間が必要ということと、市の対策不足が指摘されているとのこと。

亀岡市は、今年8月の施行を目指しているが、暗礁に乗り上げそうだ。

環境対策が遅れている日本で、初めてのレジ袋禁止条例。ぜひ成功してほしい。

<参考>

京都新聞(2020.3.1)「レジ袋禁止、コンビニ「客とトラブル不可避」全国初条例、8月施行に店主ら不安の声」↓

https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/172951

古紙余剰なのに・・ソフトバンクも勘違い?

日本に古紙が大量に余剰し、倉庫に積み上がっている。

一時期のプラスチックごみと同じ現象が、古紙で起きているのだ。

にも関わらず、ネット上では「トイレットペーパーやその原料が中国に依存しているため品薄になる」という誤情報が流れ、信じた人も多いらしい。

しかし、トイレットペーパーの原料古紙は、日本に余っている。古紙だけでなく、バージンパルプのトイレットペーパーの原料も中国以外からの輸入が多いので、当面何の心配もない。

しかも、トイレットペーパーの多くは国産だが、困ったことにバージンパルプ製ではインドネシア製も少なくない。中国製についてはほとんど聞かないから、少ないはずだ。

多くのものを中国に頼っているからこのような誤解が生まれたのだろうが、問題は古紙の余剰。

古紙が倉庫に積み上がり、関係者は困っている。にも関わらず、マスコミは廃プラの時のように問題視しない。むしろ、紙を使わないからといって、石灰石を使ったものを環境配慮型商品のように紹介する。

ソフトバンクの手提げ袋(レジ袋)は、一体どこがエコなのか、理解に苦しむ。これならば、一般的な紙袋やバイオマスプラスチック製レジ袋の方がよいのでは?と思う。

古紙余剰で困っている時代。ソフトバンクは、再生紙を使った紙袋を採用し、古紙余剰に少しでも貢献すべきではないか。

<参考>

日本経済新聞(2020.2.29)「トイレ紙、発注急増 工業会「供給力・在庫は十分」」

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20200229&c=DM1&ng=DGKKZO5616798028022020QM8000

Soft Bank

https://www.softbank.jp/corp/news/press/sbkk/2020/20200217_01/

 

ドラッグストア大手もレジ袋有料化、コンビニも?

マツキヨHD、ウエルシアHD、スギHD、ココカラファインがプラ製レジ袋の無料配布をやめ、4月から有料化するとのこと。

ドラッグストアは薄利多売だから、富山県でスーパーなどが有料化した際も有料化に前向きだった。4月からの一斉有料化は当然の措置だろう。

ツルハHDは7月から有料化するそう。

コンビニでは、ミニストップが最初から有料化に前向きで、ファミリーマートも有料化を決定。

残る大手は、セブン・イレブンとローソン。一応その2社も7月から有料化する方向で準備中とのこと。本当だろうか?

<参考>

朝日新聞(2020.2.29)「レジ袋有料化、4月に前倒し イオンやマツキヨなど続々」↓

https://digital.asahi.com/articles/ASN2X7H96N2XULFA01Q.html

「くるりポイ」なぜ批判?スーパーはノートレイ商品を

トレイをスーパーに捨てて帰る人の行為がテレビなどで話題になっているようだ。

これは確か、昔、環境団体の地球村が「要らない」という意思表示のため、推奨していた行為だったはず・・と思い、検索してみたが、既に地球村はこれを推奨するのをやめているようだ。

しかし、要らないという意思表示は大事だ。残念なのは、それがスーパー側に伝わっておらず、身勝手なオバサンの行為、としか受け止められていないこと。

ノートレイ商品を買いたくとも、ないため買えないことがよくある。

海外では発泡スチロールの食品容器は禁止の方向で進んでいる。理由は、リサイクルしにくいということが主だが、ポリスチレン(発泡スチロール)容器の健康影響への懸念もあるようだ。

例えば、ニューヨーク市でも使い捨ての発泡スチロール容器は昨年1月から禁止だ。どうしても他に代替品がない場合にのみ使用が認められている。

オメガ3オイルをポリスチレン容器に入れると、容器が溶ける。ということは、オメガ3を含む食品(例えば、青魚)の惣菜入れとしてはふさわしくないのではないか。

また、納豆のパックを開ける度、ポリスチレンが飛び散るような気がしてならない。おそらく微粒子が納豆にも付着しているのではないか。

日本では、トレイを洗ってスーパーの回収ボックスに入れることが推奨されている。しかし、リサイクルされればよいというものではないし、発泡スチロール製弁当容器などは販売店での回収はなされていない。おそらく可燃ごみに出す人が多いと思われる。

発泡スチロール容器はあまりにも過剰に使用されている。海岸にも多くの発泡スチロールごみが散乱している。

「くるりポイ」をする人は、トレイなど要らないからスーパーのごみ箱に捨てるのだ。

捨てられるのがイヤならば、スーパーはノートレイ商品を用意すべきではないか。

 

 

マイクロプラのことは知っている、といいつつ今年も継続 県主催のアクリルタワシ講座

今年もN県主催のアクリルタワシ講座が開かれた。

その様子が、まるで良い事のように1月17日付けのN新聞でも紹介された。

主催者の県河川課に、市民が幾度も講義しているが、県はやめる気がないようだ。

かつて、水質のためとして、アクリルタワシを推奨した自治体の多くは、今では他のものに切り替えている。

例えば、埼玉県もかつて子どもたちを対象にアクリルタワシ作りをしたそうだが、今ではマイクロプラスチックを中に入れた万華鏡を作っている。マイクロプラスチックの説明をしながら工作できるので、とてもよい試みだと思う。

「マイクロプラスチックのことは知っている」といいながらも、切り替えようとしないN県河川課は、一体何を考えているのか。

アクリル毛糸を麻や綿の糸に切り替えて講習会をやればよいだけの話だ。にも関わらず、アクリルにこだわる理由は、単に編みやすさと値段のせいだろうか?

<関連記事>

アクリルたわしって 本当にエコ?

 

これって必要?②薬局の包装材

総合病院の眼科へ始めて行った。

目薬を処方されたので、院外薬局へ行ったところ、渡されたのがこの3枚の袋類。

たった1本のプラスチックボトル入り目薬を、これだけの包装材で、あれよあれよという間に手際よく包んで渡してくれた。まるでマトリョーシカ。

真ん中の透明袋は、中に仕切りがあり、二重になっている。一方のスペースには目薬が、もう一方には2行ほどの注意書きの紙が入っていた。

断れなかった自分が、つくづく情けない。

早くレジ袋を有料化してほしい。そうすれば、必要性を聞いてからレジ袋に入れようとするだろうし、ついでに他の袋類も断れるのだが・・。

これって必要?①スタバのマドラー

家人が、スターバックスのコップとマドラーを持ち帰ってきた。

プラスチック製ストローを廃止したスタバだが、ストローの代わりにプラスチック製マドラーをコップのフタに突き刺していた。

聞くと、初めてでわからなかったため、断りそびれたそうだ。

ウミガメの鼻にストローが突き刺さった映像を見て、スタバはストロー廃止を決めたと聞いている。

マドラーは生物に害はないのだろうか?

そもそもマドラーはブラックを飲む人には必要ない。栓のつもりかもしれないが、必要性は薄い。

これは日本のスタバだけの新しい「サービス」?「脱プラ」が進む海外店舗ならば、クレームの嵐になりそうだ。

 

レジ袋有料化で省令改正、ガイドラインも発表

7月1日からのレジ袋有料化をにらみ、容器包装リサイクル法に関係する省令が改正され、ガイドラインも発表された。

昨年のパブリックコメントされた内容とほとんど変わっていない。つくづくパブコメは意味があるのだろうか?と疑問に思う。

一方、環境省と厚労省が入る合同庁舎では、小泉環境相の発案で、レジ袋がすべての売店で2019年12月6日から廃止された。

櫂より始めよ、で当然だ。こんなに当たり前なことを、なぜ今までの大臣はやらなかったのかと思う。

防衛省庁舎や自衛隊施設でも、レジ袋を1月から廃止するそうだ。

ついでに、庁舎内の売店のコンビニ弁当や、注文方式で販売している弁当の容器も、リユースに変更するよう業者に働きかけたらよいのではと思う。レジ袋よりもプラスチック削減効果があるのではないか。

<参考>

経済産業省(2019.12.27)「来年7月から全国一律でプラスチック製買物袋の有料化がスタートします」↓

https://www.meti.go.jp/press/2019/12/20191227003/20191227003.html

東京新聞(2019.12.6)「環境省の売店、レジ袋を廃止 防衛省も1月から」↓

https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201912/CK2019120602000281.html

 

日立造船、豪州でごみ焼却発電所を運営

日本経済新聞によると、日立造船がオーストラリアでごみ焼却発電所を運営する。

オーストラリアに新設する発電所の運営を2022年から20年間になうとのことで、総事業費は約400億円だ。

中国がプラスチックごみなどの海外からの受入れを停止したのを機に、ごみを焼却する動きが世界的に高まっている。

それ以前からも、EUなどはプラスチックは埋立禁止の方向だ。

そのため、途上国はもちろんのこと、先進国でも焼却炉は一定のニーズがある。しかし、焼却炉を売ったという話はよく聞くが、運営まで請け負うという話は初めて聞いた。

今後、このようなインフラ輸出が増えれば、「ゼロ・ウェイスト」路線をとる国は減るかもしれない。

<参考>

日本経済新聞(2019.12.24)「日立造船、海外でごみ焼却発電所を運営」↓

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53717250T21C19A2000000/