EU目標「2030年までに24%」の循環率って何?

EU(欧州連合)では、循環経済法(Circular Economy Act)の採択に向けた作業が最終段階に入っている。

欧州委員会は、2030年までに循環利用率(循環率)を現在の約12%から24%へ倍増させる目標を掲げており、この目標は循環経済法の柱の一つとなっている。

https://herapla.org/2026/07/24/eu-circular-economy-act-2026

現在の12%でもすごいのに、2030年までに24%達成目標とはEUの本気度がうかがえる。

循環率とリサイクル率の違いをAIに聞いたところ、以下の回答だった。

◆リサイクル率 = 「ゴミ箱に入ったものをどう処分・再利用したか」(廃棄物管理の優秀さ)
◆循環率 = 「地球から新しく掘り出す資源をどれだけ減らせているか」(社会構造全体の持続可能性)

さらに、geminiに「すべての製品に再生材を10%入れたら、循環率は10%になる?」と聞いたところ、以下の説明があった。

—-

「すべての製品」に再生材を10%入れたとしても、「製品」に含まれない巨大な原材料の消費が分母を圧倒してしまうためです。
理由は大きく3つあります。
理由1:エネルギーとして「燃やす資源」がある(化石燃料)
社会全体で使われる資源には、ガソリン、軽油、石炭、天然ガスといったエネルギー資材が大量に含まれています。
これらは発電や車を走らせるために「燃やして消えてしまう」ため、そもそも製品化されず、リサイクル材を混ぜること自体ができません。
(※化石資源カテゴリーの循環率がわずか数%なのは、プラスチック等はリサイクルできても、大半の石油・石炭が燃料として消えるためです)
理由2:食料や燃料になる「バイオマス」がある
米や麦などの食料、家畜の飼料、燃料用の木材なども国全体の資源消費(バイオマス)として計算されます。
これらも「食べて消化される」「燃やす」ものであり、工工業製品のように「リサイクル材を10%混ぜて作る」ということができません。
理由3:巨大なインフラ・土木建築(天然の砂・石)の存在
建築や道路に使われる生コンクリートや砕石などは、年間で数億トン単位で消費されます。
建材の再利用(破砕して路盤材にする等)は一部進んでいるものの、新築や巨大インフラには莫大な天然資源(バージン材)が使われるため、製品に10%混ぜただけではこの超巨大な分母を薄めきれません。
(中略)社会全体の「製品(右下の15)」すべてにおいて、10%リサイクル材を使うことに成功したとします。
分子(リサイクルされた量):15×10%=1.5
分母(社会全体の資源):100
社会全体の循環利用率:
100
1.5

 =1.5%
すべての製品で再生材を10%使ったとしても、社会全体の指標で見ると1.5%程度にしかならないのです。
まとめ
社会全体の循環利用率(EUの目標24%)を達成するためには、製品へのリサイクル材の配合割合(10%➔30%➔50%…)を増やすだけでなく、
エネルギーの脱化石燃料(燃やして消える石油を減らす)
建築資材の再利用・再循環の大幅強化(建物や道路の解体材を徹底的に新築で再利用する)
そもそも投入する天然資源の総量を減らす
といった、製品以外の巨大な資源の流れを根本から変える取り組みがセットになって初めて達成できる数字となっています。
—-

とのこと。

ついでに現在の日本の循環利用率を聞いたところ、9〜10%で推移しているそうだ。

EUのこの目標を達成するには、リサイクルを進めるだけでは十分ではないと考えられる。容器包装などの使い捨て製品を減らし、リユースやレンタルを拡大することで、新たな資源投入量(分母)そのものを減らしていくことも重要になるだろう。

一方、日本では依然として使い捨て製品への依存が大きく、仮にリサイクル率が向上しても、新たな資源の使用量が減らなければ、循環率を大きく引き上げるのは容易ではないと考えられる。

心筋梗塞患者の血中にマイクロプラが多い。大気汚染やナノプラと関係ある可能性

イタリアの研究チームがとても興味深い研究を発表した。

心筋梗塞を患った人は、そうでない人に比べて心臓へ行く動脈(冠動脈)中のマイクロ・ナノプラスチックの数値が高いという研究結果だ。

https://doi.org/10.1093/eurheartj/ehag447

また、それより少し前に心臓や血管系の病気とマイクロ・ナノプラスチックの関連を調べたレビュー論文「Micro- and nanoplastics and PM2.5 in cardiovascular disease: Emerging mechanisms, impacts, and therapeutic insights」が報告されている。

ナノプラスチックがPM2.5と一緒に肺へ吸い込まれ、血管へと侵入。心血管疾患を引き起こしている可能性があるようだ。

ナノプラスチックは環境中でPM2.5の中のすすや金属などと合体し、体に取り込まれると、心臓にも悪さをするらしい。

これらについて、日本語の詳しい解説記事が出ている。

https://herapla.org/2026/07/17/microplastics-coronary-blood-heart-attack

https://herapla.org/2026/07/20/microplastics-pm25-cardiovascular-disease

サッカーW杯で天然芝、NFL選手らも天然芝を望み「#WorthTheCost」と声を上げる

サッカーのFIFAワールドカップで使用されたスタジアムの天然芝は、大会終了後、アメフトに使うためまた人工芝へと張り替えられた。

天然芝に比べ、人工芝はケガのリスクが高い。そのため、これまで多くのNFL関係者が天然芝を望んできたが、NFLの選手の望みはかなえられなかった。

天然芝を望むNFLの選手たちは、SNSで「#WorthTheCost(我々にはその費用に見合う価値がある)」と声を上げている。

プロサッカーは近年、選手の意向に沿い、公式試合は天然芝で行われる。多くの有名選手が、人工芝グラウンドの出場をイヤがるからだ。

NFL選手も92%は天然芝を望んでいるというデータがある。しかし、アメフトは相変わらず人工芝で試合をさせられる。スタジアムを多目的利用するためだ。天然芝では多目的利用に耐えられない。

NFLには、選手の健康よりコスト重視の経営陣が人工芝を支持しているようだ。

https://forbesjapan.com/articles/detail/101230

https://news.yahoo.co.jp/articles/b8e425ce2fd2d2678080d2145106f0f68f5aa532?page=1

日本の自治体や学校では、漫然と人工芝を採用することが増えているようだが、何を考えているのだろう?

いわきFC 練習場を天然芝に張り替え 「ケガのリスクが減る」

サッカーJ2・いわきFCは、選手の足への負担をやわらげるとともに、J1ライセンスの基準に合わせるため、練習場を天然芝に張り替えた。

選手たちは「人工芝よりやわらかい」と、とても喜んでいる。

監督も「天然芝なのでケガのリスクが減る」と喜んでいる。

https://tver.jp/episodes/ep59u3wdl0

人工芝は、天然芝と比べ、ケガをしやすいことは、これまで多くの研究が証明している。

人工芝業界が関わった研究では異なる結果も出ているようだが、業界が関わっていない研究では、人工芝は靱帯損傷など大きなケガが多い。

「Comparison of injuries sustained on artificial turf and grass by male and female elite football players」↓

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20456680/

また、人工芝でのプレイは、天然芝に比べて1プレイあたり下肢の怪我が16%増加したという研究もある。

「Higher Rates of Lower Extremity Injury on Synthetic Turf Compared With Natural Turf Among National Football League Athletes: Epidemiologic Confirmation of a Biomechanical Hypothesis」↓

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30452873

若い選手の場合は、疲労骨折も多いようだ。

例えば、過去14年間に、大学男子サッカーチームに所属した選手のべ444名を対象に、Jones骨折発生率について調査したところ、使用年数が経過した人工芝グラウンドのJones骨折発生率が有意に高かった。(出典:藤高他「大学男子サッカー選手のJones骨折発生に影響を及ぼす環境要素の検討」『日本整形外科スポーツ医学会雑誌』2020年)

人工芝はケガをしやすいことを、サッカーや野球などのプロ選手の多くが知っている。

にも関わらず、各地のスポーツ協会や少年チームなどの多くは、「若者の未来のために」と自治体に人工芝グラウンドを要求する。

自治体もそれに応え、人工芝導入を検討する。

自治体職員にとっては、隣の市が人工芝になっているなら、自分のところもしないと恥だとでも思うのだろうか?全国の多くの自治体が、人工芝を敷きたがる理由がさっぱりわからない。

プラスチックの弊害がますます明るみになり、「脱プラ」が叫ばれている今、人工芝を導入することの方がよほど恥ずかしいことだ。

人工芝のマイクロプラスチックは目に見えるサイズのものもあるが、多くはとても小さく目に見えない。

そのため、大気汚染の原因にもなっている。

人工芝上で過ごすことで、マイクロプラスチックを多く吸い込むことになる可能性があるということだ。

同じ種類、同じサイズのマイクロプラスチックでも、紫外線で劣化したものの方が有害性が高い、という研究報告もある。

保育園や幼稚園の園庭でも人工芝が増えているが、人工芝上で遊んだり、スポーツをしたりする子どもたちの将来の健康がとても心配だ。


研究:衣類に使われているPFASや難燃剤は、皮膚から取り込まれる

最近読んだニュースに、「英国バーミンガム大学が人間皮膚モデルを使用した研究によると、マイクロプラスチックの中の化学物質の約8%は汗に濡れた皮膚を通じて体内に吸収されることができる」と書かれていた。

https://www.mk.co.kr/jp/world/12050225

元になった論文を探したところ、2024年に発表されたこの研究のようだ。

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0160412024002216?via%3Dihub

汗をかくとポリエチレンやポリプロピレンのマイクロプラスチックから溶け出した難燃剤が、皮膚を通して体内に吸収されるとのこと。約8%というのは最大値だ。

しかし、この論文でわかるのはポリエチレンやポリプロピレンからの化学物質溶出であり、ポリエステルやナイロンなどの繊維製品からではない。だが、ポリプロピレンはマスクやオムツ、スポーツウェアなどにはよく使われている。

さらに探すと、こういう論文も見つかった。中国・南海大学の論文だ。

https://doi.org/10.1016/j.scitotenv.2025.180426

PFASやOPE(有機リンエステル)が、子ども用や家庭用の繊維製品に広く使われていて、一部の子ども用衣類はPFOSがEUの基準値(1 μg/m2)を超えていたそうだ。

OPEは難燃剤や可塑剤として使われる環境ホルモン(内分泌かく乱)作用が指摘されている化学物質だ。カーテンなどには難燃剤として使用されていたとしても、なぜ子ども用衣類に含まれていたかはこの論文を読んでもわからない。キャラクターなどのプリントに必要だったのだろうか。

洗濯によってOPEは除去されたが、繊維製品からのPFOAは、放出が促進されたとのこと。

洗濯するほどOPEは減少し、PFASは検出量が増える傾向にあったということは、洗濯は解決策にならないということだ。

しかも、調べた製品の87.9%からPFASが検出され、OPEはほぼ全サンプルから検出された。

皮膚曝露実験では、特に汗をかくと、汗は化学吸収を著しく増加させ、PFASでは最大3252倍、OPEでは835倍に増加した。つまり汗をかくことで、PFASやOPEは皮膚から吸収される可能性が高まるということか。

撥水加工衣類はPFAS・OPE濃度が通常より約3倍高く、機能性の高い衣類ほど、どちらも多い傾向があった。

衣類を選ぶ際は、できるだけシンプルで化学処理されていない綿100%などを選ぶのがよさそうだ。

ナフサ不足なのに、なぜ「脱プラ」しない?

高市政権は「中東依存から脱却する」として、メキシコなどとも電話会談をした。

https://www.sankei.com/article/20260421-5FJIUN7EMZMJJMILL7YCH6GSUA/

中東依存については以前から問題視されていたが、日本の石油化学産業はこれまで中東からの原油に頼り切っていた。そのため、今は特にナフサ不足が問題になっているようだ。

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2659196?display=1

ナフサと聞くと、以前どこぞの学者の「ナフサは石油の余り物。プラスチックはその有効利用だ」という主張がよみがえる。それならば、ナフサ不足で100円ショップのプラスチック製品の棚が空いてもよいはずだが、100円ショップには安価なプラ製品がひしめいている。

当然、「脱プラ」機運も盛り上がらない。包装材の印刷をモノクロにしたり、などは進んでいるようだが、脱プラは進まない。その理由を考えてみた。

1.不足しているのは、ナフサから作られる加工品だが、「脱プラ」で減らせるタイプのプラ製品ではない。

2.日本で現在、ナフサで作っているのはシンナーなどの有機溶剤や塗料、タイヤの合成ゴム、ウレタン断熱材、そして日本車向けの超高性能なポリプロピレン(PP)やポリスチレン。

3.安価なポリエチレン(PE)製品や、一般グレードのPPなどのプラ製品は、中国などで天然ガスから大量に作って日本に輸出してくるので、十分足りている。

4.脱プラで減らせるのは一般向けのPEやPP製品なので、現在不足しているナフサ加工品(高級樹脂や溶剤)の危機とはあまり関係ない。

5.日本でナフサから作っていた高機能(透明度や密閉性の高い)な食品包装は不足しているため、食品業界はピンチ。なので、これを機にもう少し過剰包装を見直しても良いと思うが、食品業界にとっては消費者の反応が怖い。そのため、業界がすることはせいぜいペットボトルのラベルをなくすことや、包装のサイズを小さくすること、印刷を簡易にすることなど。

要するに、ナフサ不足は脱プラに繋がらず、輸入プラスチック製品だらけの100円ショップもナフサ不足の影響をほとんど受けないということだろう。

せめて、人工芝価格が高騰し、人工芝計画が見直されることを願っている。

キムチの乳酸菌にマイクロ・ナノプラスチック除去効果がある!?

体内に入ってしまったマイクロプラスチックやナノプラスチックは、一刻も早く体の外に出したいが、これまで効果が確認されたのはキトサンとか野菜酵素などというもので、なかなか食べたくなるような食品はなかった。

キトサンなどはサプリもあるが、長期的慢性的に摂取するようなものではない。ヘタに常用したら、強力な陽イオンのパワーでせっかくの体内の微量ミネラルまで排泄されかねない。

このたび、キムチから分離した乳酸菌はナノプラスチックと結合し、「一般条件で87%の高い吸着効率を示し、人の腸環境を再現した模写(模寫)溶液でも57%を維持した」という結果だったことが報告されている。

https://www.mk.co.kr/jp/it/11985544

実際の人間の体内で調べた結果ではないため、確かなことはわからないが、キムチやすぐきなどの漬け物に含まれる乳酸菌は、腸内細菌にとってもよいことは確か。

キムチは時々しか食べないが、すぐき漬けの乳酸菌から作られた豆乳ヨーグルトを常食している身としては、本当に乳酸菌が体内のナノプラスチックを吸着してくれるならば、とてもありがたい。

問題は、豆乳ヨーグルトの菌は少し弱いようで、自分で増やして食べる際、月に1度は新しいヨーグルトを購入してタネにしないと酸味が出てしまうことだ。

おひなさまとジェンダー教育

この季節になるといつも「おひなさまをどうしよう?」と頭をよぎる。

結局、何もせず、何年もお蔵入りしたままだ。

古いことは古いが、骨董品屋が喜ぶような作者銘入り高級品ではない。かといって、飾って喜ぶような子どもはいないし、捨ててしまうのも何となく気がとがめる。

我が家のおひなさまは、お内裏様だけが御殿の中にいらっしゃる。お雛様はその横にいらっしゃるが、御殿の外の少し低い位置に鎮座。

子どもの頃から見慣れていた私は疑問に思わなかったが、長女が幼い頃、なぜなのかと尋ねてきたため、初めて今のお雛様はお内裏様と同じ位置で並んでいることに気が付いた。

祖母の嫁入り道具だったと聞くから、昔はこのようなタイプが多かったのだろうか。

ジェンダー教育上、このタイプは問題があるのではないかと思い、翌年以降飾るのをやめてしまった。

うん十年を経た今、この時期になると毎年、このジェンダー教育上問題のある5段飾りのお雛様セットの存在を思い出し、今後の行き先に頭を痛めている。

どこか良い寄付先はないものだろうか。

最近の量産品のお顔はプラスチックのようだが、少なくともこのお雛様のお顔はプラスチックではない。着物は一度着替えさせているが、合成繊維ではないはずだ。

SC相模原、練習場を天然芝に

SC相模原は、ホームタウン内に天然芝の練習用グラウンドを整備するそうだ。早ければ、秋頃には利用を開始する意向。

これまでは複数の人工芝グラウンドを借りていたとのことだが、「クッション性が高い天然芝に比べ、人工芝は身体への負担が大きく怪我のリスクもあるとされるため、天然芝の練習場整備はトレーニング強度や選手獲得の面で大きな課題となっていた」という。

選手の健康のためにも、また地域住民のためにも、天然芝グラウンドの整備は朗報だ。

<出典>

https://www.townnews.co.jp/0301/2026/02/05/823381.html

EUのレジンペレット規制始まる

EUのレジンペレット(プラスチック原料の小粒)規制が今月16日から発効した。レジンペレットは年間数万トンから数十万トン流出していると推計されている。

この規制は、意図的添加のマイクロプラスチック規制(2023年)に続くEUのマイクロプラスチック規制で、非意図的マイクロプラスチックの放出源であるレジンペレットに焦点を当てたものだ。

これによりEU域内で年間5万トン以上ペレットを扱う事業者は、以下の義務を負うことになる。

・ペレットの流出・こぼれを回避する手順の実施
・流出時に封じ込め・回収措置の実施
・影響防止のためのリスク管理計画整備
・関係者に対する教育・訓練・設備改善
・一定量を超える取扱者に対する認証・許可制 など

法的義務を課しているため、違反すると罰則がある。

<出典>

https://environment.ec.europa.eu/news/new-law-reducing-microplastic-pollution-enters-force-2025-12-16_en?utm_source=chatgpt.com