「ガチャ」好き日本、プラごみには無頓着。ご当地ガチャも登場

ガチャポンなどのカプセルトイが人気だ。しかし、カプセルはもちろん、中のオモチャもほぼ100%プラスチック製。

いずれこのようなものは「脱プラ」の流れで自粛されるに違いないと思っていた。無添くら寿司の「ビッくらポン」のカプセルも昨年6月、一部の店舗で試験的に紙製カプセルに切り替えると発表していた。

https://www.ssnp.co.jp/news/foodservice/2020/06/2020-0615-1602-15.html

マクドナルドのハッピーセットでさえ、2025年までには世界中の店舗でプラスチック以外のものに切り替えると発表している。イギリスでは既に、マクドナルドもバーガーキングもプラ製以外のものに切り替えたと聞く。日本もいずれ、カプセルも中身も、プラスチック以外になるに違いないと信じていた。

ところが先日、NHKで「街ガチャ」を船橋でスタートしたと好意的に紹介していた。中身は、「地元愛」にあふれたアクリル製キーホルダーらしい。カプセルは「環境に配慮」して、生分解性プラスチックとのこと。おそらくポリ乳酸だろうか?

ポリ乳酸は、産業用の堆肥化施設でなければ分解しない。環境中に捨てられたら、何年経とうが分解しない。環境に配慮するならば、紙製(再生紙)にすべきだし、中身もアクリルではなく、プラスチック以外のものを採用すべきだ。

ガチャガチャというプラスチックの音と、どれが当たるかわからない、というゲーム感覚で楽しめることが、カプセルトイのミソなのかもしれないが、いいかげんプラスチック以外の遊び道具を見つけてほしいと思う。

<参考>

船橋経済新聞(2021.9.23)「「街ガチャ in 船橋」第1弾 地域の魅力がカプセルトイに、市内21カ所で」↓

https://funabashi.keizai.biz/headline/2869/

マクドナルドの脱プラ、英姉妹の署名がきっかけ?

イギリスのマクドナルドが、子ども向けメニューにプラスチック以外のおもちゃ提供を決めたのは、おそらく世界で一番早かった。日本のマクドナルドはようやく今年9月に、2025年までには・・と発表した。日本を含む世界のマクドナルドで実施する。

なぜイギリスのマクドナルドが、世界に先駆けて決めたのだろうか、と少し不思議に思っていた。イギリスはプラスチック問題への意識が高いからだろうと単純に考えていたが、実は幼い姉妹が署名を集め、それをマクドナルドに届けていたことが理由のようだ。

たまたまchange.orgのサイトを見ていたら、8歳と10歳の姉妹が集まった約50万筆の署名を入れた箱をもって、マクドナルドの前に立っている写真が載っていた(2年前の写真?)。

スウェーデンのグレタさんの行動力も素晴らしいけれど、この姉妹の署名も世界中のマクドナルドを動かしたわけだ。署名の威力はすごい!

「Save the environment – Stop giving plastic toys with fast food kids meals」↓

https://www.change.org/p/burger-king-mcd-s-save-the-environment-stop-giving-plastic-toys-with-fast-food-kids-meals

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プラスチック資源循環促進法の施行令案、パブコメ募集開始

環境省がプラスチック資源循環促進法の施行令案に関するパブリックコメントを昨日(10月8日)から募集している。

「令和3年8月の中央環境審議会循環型社会部会プラスチック資源循環小委員会及び産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会プラスチック資源循環戦略ワーキンググループの合同会議にて、同法の施行に伴う施行令案等について審議されました。
 本施行令案等について広く国民の皆様からの御意見をいただきたく、以下の要領で意見を募集します。忌憚のない御意見をくださいますようお願い申し上げます(なお、本施行令案等については、パブリックコメントでいただいた御意見に加え、関係省庁との調整等による修正があり得ます。)。」

とのことだが、8月の議事録は会議2回分ともまだ公開されていない。

https://www.env.go.jp/council/03recycle/yoshi03-14.html

これで意見をいえといわれても、ほとんどの人が困るのではないか。

募集しているのは、

(1)「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」の政省令・告示について
(2)プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律施行令案(仮称)
(3)プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律の施行期日を定める政令案(仮称)
(4)プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律施行規則案(仮称)
(5)プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律に基づく指定調査機関等に関する省令案(仮称)
(6)特定プラスチック使用製品提供事業者の使用の合理化による排出の抑制に関する判断基準省令案(仮称)
(7)プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制及び再資源化等の促進に関する判断基準省令案(仮称)
(8)プラスチック資源の分別収集物の基準及び委託の基準に関する省令案(仮称)
(9)プラスチックに係る資源循環の促進等を総合的かつ計画的に推進するための基本的な方針案(仮称)
(10)プラスチック使用製品設計指針案(仮称)

についての意見。締め切りは11月7日。

詳細は↓

「「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律施行令案」等に関する意見募集について」↓

https://www.env.go.jp/press/110005.html

すかいらーくG、来年からスプーン、フォーク、ナイフを木製に

来年から施行されるプラスチック資源循環戦略。注目されることの1つは合理化対象となった「特定プラスチック使用製品」に各社どう対応するのか、ということだ。特に、コンビニが最終的にどうでるのか、大手レストランがどうするのか、がカギとなる。

先日、ガストなどを運営する外食大手すかいらーくホールディングスが、持ち帰りや宅配用カトラリーをバイオマスプラスチックから木製に切り替える、と発表した。2022年1月から順次変更する。

希望者にのみ渡す。グループ全体で5年後(2026年)までに2020年比で使い捨てプラ使用量を半減させる。

すかいらーくGは、ストローのときも廃止に素早く動いたし、今回の決定も好感がもてる。

<出所>

すかいらーくホールディングス「持ち帰り・宅配用カトラリーをバイオマスプラスチックから 木製に変更 【プラスチック製品を86トン削減】」(2021.10.5)↓

https://www.skylark.co.jp/company/news/press_release/pk637h000006exyn-att/211005_cutlery.pdf

飲料メーカー、再生PETの調達に苦労

米カリフォルニア州の飲料メーカーは、再生PET樹脂の調達に苦労しているそうだ。カリフォルニア州では、来年(2022年)までに使用済み樹脂(post-consumer recycled resin:PCR)を少なくとも15%以上使用したボトルを使うことが定められている。しかし、コカコーラなど多くのボトラーがその基準をまだ満たしていないという↓

https://www.wastedive.com/news/california-plastic-beverage-recycled-content-coke-pepsi-nestle/607408/

再生PET樹脂は、ランニングショーツや靴などの材料としても引き取られているため、ボトラーは買い負けているようだ。さらに、同記事によると、コカ・コーラノースアメリカのPCR率はわずか10%だ。これはカリフォルニア州の基準も満たしていない上、2030年までにすべてのパッケージに50%のリサイクル材料を使用するという目標をもはるかに下回っている。

米コカコーラは2018年1月、2030年までには同社のペットボトルや缶などの容器相当量を100%回収し、リサイクル素材の含有率を平均50%のペットボトルを作ると発表していた。

日本のコカコーラも似たようなビジョンを発表したが、微妙にトーンダウンさせたものだった。しかも日本政府は、そのような達成すべき明確なPCR率目標を決めていない。プラスチック資源循環戦略には、単に「2030年までに再生利用を倍増」という曖昧な目標が設定されているだけだ↓

https://www.env.go.jp/press/files/jp/111746.pdf

米コカコーラが、同社の2030年ビジョンを達成しようと思えば、アメリカ全体でデポジット制度にしないと無理ではないだろうか。

日本企業も最近サーキュラーエコノミーを意識して、再生樹脂利用に前向きだ。いろいろ発表しているが、おそらく国内よりも海外を意識してのことだろう。

カリフォルニア州の基準を満たし、来年、同州に飲料を輸出できる日本のボトラーは何社あるだろうか?

目先の回収費用を惜しんで、ペットボトル回収などをいつまでも自治体任せにしているようでは、日本の飲料メーカーはやがて海外へ飲料を輸出できなくなる。質の高い再生樹脂の調達が難しくなるだろう。

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容器持参でコロッケを買ってみた

容器持参の買い物がごみ減量になることは誰もが知っている。問題は、どの店ならばイヤがられないか、どんな対応をされるのかがわからないので、持参する勇気がないことだ。

そのため、容器持参OKをはじめから表明してくれる店はありがたい。これまで量り売りしてくれる店に容器を持参して行って、ピーナツバターやクコの実などを買ったことがある。しかし、近所の店ではないため、後が続かなかった。

近所の店で容器持参で買いたい・・とずっと願っていた。

ようやく昨日、ガラス容器を持参して、コロッケを買うことができた!

きっかけは江戸をテーマにした本だ。最近のコロナ感染禍で、仕事のキャンセルが続いたため、時間ができた。江戸の小咄などを読んでいると、「煮売り屋」が登場する。

詳しい説明はないが、飲食店を持たない料理上手な人が、惣菜を作って売る庶民向けの惣菜屋のようだ。

買う人は弁当箱や鍋などを持参するようだ。売る人は、きちんと計って売っているわけではなく、目分量で売っているらしい。顔なじみの人や同じ長屋に住んでいる人たちが相手なので、それで済むのだろう。

現代の惣菜屋ならば、性能のよい秤を使えば公平に売ることができるので、江戸時代より簡単に「煮売り」できる。

しかし、マイ容器の場合、余分な手間をかけさせそうで、つい持参するのを遠慮したくなる。でも、断られたらその店には二度と行かなければよいだけの話だ。気になっている店で、今度試してみようか?と思いながらズルズル日が経ち・・

昨日思い切って、気になっていた肉屋さんへ容器を持って行き、コロッケを買ってみた。老夫婦二人でやっている小さい店だ。コロッケならば量る手間がないので、容器持参の初心者にはハードルが低い。店の人にガラス容器を渡したところ、「こんな重いもの、よく持ってきたわねー」と驚かれた。

説明が面倒だったので、「そのまま食卓に出すので」と話したところ、笑いながら中に揚げたてのコロッケを入れてくれた。

ホッ。

無印良品で保冷剤の回収が始まった

9月10日から、全国の無印良品で保冷剤の回収が始まった。冷凍食品やチルド食品を取り扱っている店舗のみだが、探して今度利用したい。

汚れたり穴があいたりしている保冷剤はNGだけれど、どこでもらった保冷剤でもOKとのこと。

回収後、洗浄、殺菌して再利用するそうだ。

保冷剤はプラスチックのようなものだから、再利用してくれるのはありがたい。

<参考>

無印良品ウェブサイト↓

https://www.muji.com/jp/ja/store/articles/staff-blog/news/800111

環境大臣が替わって・・

環境大臣が替わった。新大臣は、山口壯(やまぐちつよし)という人らしい。元外交官とのこと。

環境大臣の交代により、レジ袋有料化をやめて元に戻せ、いう意見もあるようだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/c47222132fa67ed323054d1412600dfc01e09900

しかし、そんなことはあり得ない。レジ袋有料化は、小泉氏が決めたことではなく、3年前の原田元環境大臣の時に決まったはずだ。

開始時期は、せめてオリンピック前に、ということで昨年になったが、有料化は2019年5月に策定されたプラスチック資源循環戦略の中でも明確にされ、「小泉環境相」就任の時には、とっくに既定路線になっていた。

しかもこの有料化、有料化とはいえ、1円以上であればいくらでもよい、などという他の国と比べてもかなり甘いレジ袋規制だ。しかも周回遅れ・・、しかも例外規定だけは豊富・・。これでまた無料に戻すなどということを、いくらなんでも海外情勢を知っている元外交官がやるはずはない。

山口新環境相はこれから何をやってくれるのだろう?

原発は現在日本のエネルギーの6%も占めていないのに、危険は無限大。早く止めてくれるとうれしい。もちろん、石炭火力も早急に止めてほしいし、パーム油発電や外材を利用した大規模バイオマス発電も問題外だ。もちろん、森の除染目的で伐採された放射能付き木材を燃やすこともやめてほしい。

また、拡大生産者責任(EPR)を先進国なみに強化してくれないかなと、それも期待したい。

岸田政権化では難しいだろうか?経済界に忖度しない環境大臣が、日本には必要だ。

低い日本の環境意識、マイボトル持参率も12ヶ国中ビリ

電通と電通総研が2021年7月、12カ国を対象に「サステナブル・ライフスタイル意識調査2021」を共同実施した。

12ヶ国とは、日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、中国、フィリピン、タイ、インド、ベトナム、シンガポール、インドネシア、マレーシアだ。

日本の環境意識が他国より低いことに驚いた。まず、マイボトル持参率がビリ。おそらく給水器などのインフラ整備が貧弱なのに、コンビニや自動販売機ばかりが多いせいだろう。

また、レストランで残った食べ物も持ち帰ることもビリ。食品ロスが多いわけだ。衛生を理由に持ち帰りを断る店もまだあるようなので、外食の時は、マイ容器を持参するのがよさそう。

さらに、衣料品やおもちゃを店頭の回収ボックスに持っていくのもビリだ。これは回収している店舗の少なさが理由だろう。

さらに、不要品や本を中古買い取りしてもらうのもビリ・・。リサイクルショップが多いのに、なぜだろうか?ヤフオクで売る人も多いはずだが・・。思った値段では売れないことが原因か。確かに衣類をリサイクルショップへ持って行っても、本をブックオフへ持って行っても、買い取ってはくれるが、ダンボールを数箱積み上げても、やっと数百円・・。これでは持って行く交通費も出ないが、リサイクルショップにしてみたら、買う人が少なければ、高価買い取りなどできなくて当然だ。

驚いたのが、フィリピンのエコバッグ使用者が、12ヶ国中トップだったこと。

フィリピンは自国から流れ出すプラスチックごみもそこそこ多いが、地理的に他国から流れ着くものも多い。

そのため、お腹に大量のプラごみを詰まらせたクジラが漂着したり、有名な観光地だったボラカイ島が環境汚染のために閉鎖されたりした。ボラカイ島の美しい砂浜は、世界一とまでうたわれていた。そのせいで、海洋プラスチック汚染問題への関心が高いのだろうか。

しかし、フィリピンで関心が持たれている社会課題は、1位貧困・飢餓、2位公衆衛生、3位医療制度・設備。海洋プラスチックごみはランク外だ。

ちなみに、日本での関心事の1位は自然災害、2位が少子化、3位が大気汚染。

海洋プラスチック汚染が関心のトップである国は、ドイツとイギリスだ。

トップではないが、日本が上位にランクしている項目は、エコバッグ使用と詰め替え商品を買うことだ。エコバッグはともかく、シャンプーなどの詰め替えパウチが本当にエコなのか、悩ましいところ。容リ法で回収されたプラ製容器包装がプラスチック再生工場へ行ったとしても、複合素材である詰め替えパウチまでマテリアルリサイクルしている工場は、おそらくないはずだ。

<意識調査の出典>

Marke Zine(2021.9.9)「約10年で「サステナビリティ」へのイメージ具体化/「2030年」から不安を連想する日本【電通調査】」↓

https://markezine.jp/article/detail/37254

「アップサイクル」がウソっぽく聞こえる

「アップサイクル」という言葉を頻繁に聞くようになった。しかし、たいていのアップサイクルはウソっぽい。特にプラスチック製品の場合、メーカーの面の皮の厚さが際立つケースが多い。中には、「ごみでごみを作っているのか」と思うケースもある。

プラスチックをリサイクル(マテリアルリサイクルやメカニカルリサイクル)して、質が落ちないわけがない。

いくらデザインや用途を工夫しても「アップサイクル」というのはやはり図々しい。

もちろん、リサイクルを否定する気はない。日本の容器包装リサイクル法でやっている「リサイクル」は安易すぎて問題があるが、サーキュラーエコノミー(循環経済)でもリサイクルは最後の砦だ。シェアやリペア(修理)、リユースをできるだけ繰り返しても、終わりは必ず来る。そのときこそ、リサイクル(高度なリサイクル)の出番だろう。

そう考えると、「プラスチック」という作った時点から劣化が始まるような素材のサーキュラーエコノミーは可能だろうか?という疑問がわいてくる。

現時点では、プラスチックのような便利なものが世の中からなくなれば、パニックになる。しかし、やはり他の素材にどんどん置き換えていかないと、空気も水も海もマイクロプラスチック汚染が進む。

アップサイクルより、プラスチックを全く使わない製品開発を急いでほしい。