佐賀県鹿島市、4月からプラ一括回収

鹿島市は4月からプラスチックごみの一括回収を開始する。

これまでは容器包装のプラスチックのみの回収で「容器包装プラスチック・ビニール類」と書かれた有料袋(10枚400円)で回収していた。しかし、4月からは「プラスチック・ビニール類」として回収するそうだ。

回収したプラごみは「燃料油にして活用する事業を展開するリサイクル業者に持ち込む予定」とのこと(佐賀新聞)。

容器包装リサイクル協会によると、同市のプラごみは令和2年度も3年度も日本製鉄が引き取っていた。用途は、コークス炉化学原料化と工業原料(コークス炉)のようだ。

4月から機械油にするということは、容リ協会を通さず、独自ルートで処理するつもりなのかもしれない。

容リ協会を通す必要はないだろうが、質の高い製品プラまで機械油にするのは、少々もったいないような気もする。

<出典>

佐賀新聞(2022.2.9)「鹿島市、「プラスチックごみ」分別収集 4月から資源循環促進法が施行」↓

https://www.saga-s.co.jp/articles/-/808788

ドバイで7月1日からレジ袋有料化

ドバイで7月からレジ袋を有料化するとのこと。日本が2020年の7月からだったので、ちょうど2年遅れだが、1枚25フィルスとのことなので、日本よりしっかりとした有料化だ。日本円で7〜8円程度だろうか。

日本の1円以上ならばいくらでもOK、バイオマス由来の原料を25%以上使っていればタダで配ってもOK、などというゆるい規制は早く見直すべきだろう。

ドバイ政府は市民に対し、ごみの分別も促しているそうだ。

ドバイといえば昔、南回りで欧州へ行く際の飛行機の給油地の1つ。給油の間、乗客は空港内で1時間ほど待機する。そんなこんなで、確か南回りの場合、日本からイギリスまでちょうど24時間かかった記憶がある。

<出典>

「ドバイ、7月1日から使い捨てプラスチック袋を有料化」(2022.2.8)↓

韓国:使い捨てカップの店内使用4月から禁止に、テイクアウト時は6月からデポジット制に

韓国では、カフェやファストフード店内で提供する使い捨てカップの使用を、4月1日から禁止する。以前にも一度禁止されたが、コロナ感染症を理由に許されていた。それが再び、禁止となる。

さらに、6月10日からは、カフェやファストフード店でテークアウト用に提供されるプラスチック製または紙製の使い捨てカップは、保証金制度(デポジット制度)の対象になる。

日本も早くそうなればよいと思う。

(補筆2023.11.15)店内で提供する使い捨てカップの禁止は禁止が11月まで適用が延長されていたが、また延長されたようだ。いつまで延長するかは未定で、禁止路線が変更されたようだ。また、テイクアウト時のデポジット制度も2025年まで延長されている。

<出典>

聯合ニュース(2022.1.18)「カフェで使い捨てカップの利用時に保証金 6月から=韓国」↓

https://jp.yna.co.kr/view/AJP20220118001500882

聯合ニュース(2022.1.6)「4月から使い捨てカップ使用禁止に」↓

https://jp.yna.co.kr/view/PYH20220106144800882

なぜ今さら下水道で紙おむつ処理?(その6)再び実証実験

昨年暮れ、国交省の目的不明の事業である下水道に使用済みの紙おむつを流す実証実験が、再び行われた。

行われたのは愛知県豊田市の特別養護老人ホーム三九(さんきゅう)園だ。

国交省が検討している方法は3通り。

Aタイプ(固形物分離タイプ):紙おむつを洗って汚物を分離させ、汚物と洗浄水は下水道へ流し、紙おむつは回収して処理

Bタイプ(破砕・回収タイプ):紙おむつを破砕し、脱水した固形物を回収。残りは下水道へ流す。

Cタイプ(破砕・受入れタイプ):紙おむつを破砕し、すべて下水道へ流す。

今回の実験はBタイプで、「水と塩化カルシウム溶液を混ぜて攪拌(かくはん)する。化学的に水分を分離させて下水に流し、紙おむつ成分は燃えるごみとして処理」するとのこと。(朝日新聞2021.12.10)

しかし、紙おむつはパルプとプラスチック、そしてプラスチックの仲間の高分子吸収体からできている。マイクロプラスチックの専門家によると、すべてのタイプで、下水道にマイクロプラスチックが流れ込むそうだ。

この野蛮な事業、2022年度にはガイドラインができる。実用化が近いようだ。

マイクロプラスチックがこれだけ大きな問題になっている時代に、なぜこのような事業を進んでいるのかわからない。しかし、下水道に流れ込んだマイクロプラスチックの97〜98%は下水処理施設の下水汚泥にたまり、残りは川へ流れていき、やがて海へ行く。魚も食べるはずだ。

それも嫌だが、下水汚泥にたまった膨大な量のマイクロプラスチックが、もし焼却処理されずに、堆肥や肥料にリサイクルされ、どこかの緑地や農地にまかれでもしたらもっと大変だ。緑地や農地から発生したマイクロプラスチックが空中に浮遊し、その一部を人間も吸い込むことになる。

こんな野蛮な事業をなぜ進めるのだろうか。

朝日新聞は、「介護者の負担軽減」などという2019年1月に国交省の担当者が苦し紛れに話したいいわけを、あたかも事業目的であるように載せている。しかし、少なくともAタイプは介護者の負担軽減にはならない。Bタイプもそれほど軽減するとは考えにくい。そもそも国交省が介護者の負担軽減のために事業を行うなどということはないはずだ。

https://www.asahi.com/articles/ASPD975T3PD1OBJB007.html

当初、事業目的として国交省がいっていたのは、「人口減で下水道に余力ができるから活用する」ということだった。

しかし、国交省のウェブサイト「なぜ今、広域化・共同化が必要なのか?」を読むと、「下水道施設の老朽化、技術職員の減少や使用料収入の減少といった様々な課題を抱える」と書かれている。

人口減で収入が減れば、老朽化した下水道を更新しにくいはず。余力ができるから活用するどころの話ではないだろう。

本当にわけのわからない事業の検討会が、「非公開」のまま進められている。

国土交通省「下水道への紙オムツ受入実現に向けた検討会」↓

https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/mizukokudo_sewerage_tk_000540.html

<関連記事>

https://env-eco.net/?s=下水道

ウィンナーもボールペンも減プラ

いろいろなメーカーのウィンナーの袋が巾着型からフツーの長方形になるようだ。巾着を閉じるテープも不要になるので、たとえばプリマハムは約10トンのプラスチックを削減できるとのこと。

日本ハムの「シャウエッセン」の場合は、同様の取組でプラスチック使用量を3割減らせるそうだ。

また、三菱鉛筆はボールペンの替え芯の壁を薄くし、内径を広げたことにより、従来品に比べプラスチック使用量を約30%削減したとのこと。

同社は以前にもボールペンの替え芯を紙製にし、プラスチック使用量を88%削減している。

プラスチック新法により、外側のボールペン本体はリサイクルできるが、芯は汚れているためリサイクルしにくい。芯部分のプラスチックを減らすのは良いアイディアだと思う。

減プラ、やればできるものだなぁと各社の取組に感心するが、反対に、増える一方のプラスチックキャップ付きの紙パックや、一向に減らないトレーにウンザリする。

どちらも、極力買わないと決めている。

<出典>

日本経済新聞(2022.1.29)「三菱鉛筆、替え芯プラスチック使用3割減 チューブ薄く」↓

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC11B9O0R10C22A1000000/

ニューヨーク州のデポジット制度、拡大か

今年1月、ケビン・ケイヒル下院議員はNY州の飲料容器のデポジット制度を拡大する法案を提出した。

州議会で可決されれば、同州の飲料容器のデポジット金額は5セントから10セントに上がる。また、法案にはデポジット制度の対象となる容器の種類を増やすことも提案されている。

この法案は、環境団体から支持されているそうだ。

<出典>

英、リプトンの「100%リサイクル」は違反広告

イギリスで、リプトンアイスティとアクアプラウォーターの広告が話題になっている。

リプトンアイスティのポスターに書かれた「おいしく、さわやかで、100%リサイクルされています」というフレーズが、広告基準局(ASA)の広告コードに違反しているそうだ。

理由は、ボトルはリサイクルされた材料で作られているが、キャップとラベルはバージン材が使われていたため。

ポスターには、小さく「キャップとラベルを除く」と書かれていたそうだが、消費者に間違った印象を与えかねないため、違反だということのようだ。

このようなことが問題になるならば、日本の広告の多くもかなり問題になりそうだ。イギリスでは、ずいぶんとレベルの高い議論をしている。

<出典>

https://www.beveragedaily.com/Article/2022/01/20/100-recycled-bottle-claims-excluding-caps-and-labels-gets-drinks-brands-into-trouble?eId=f6fcf269-b200-4eeb-804b-96fa1767bc02&eType=EmailBlastContent

https://www.independent.co.uk/business/lipton-ice-tea-and-aqua-pura-water-ads-banned-over-recycled-bottle-claims-b1995897.html?eType=EmailBlastContent&eId=f6fcf269-b200-4eeb-804b-96fa1767bc02

帝人、廃棄漁網を食器に?

帝人が廃棄漁網を食器や文房具などにリサイクルするそうだ。

しかし、漁網にはもともと防汚塗料などが使用されているが、文房具ならまだしも食器にリサイクルして大丈夫だろうか?

防汚剤と聞くと、ついPFASを連想してしまう。

また、海中に残留しているPCBやDDT、ダイオキシンなどを漁網が吸着していることも考えられる。

「回収した漁網は、まず洗浄設備で塩分や砂などの汚れを落とした後、高温で溶かして再生ペレットに加工」(日経新聞.2021.1.19)とのことなので、分子レベルにまで戻すケミカルリサイクルではなく、マテリアルリサイクルのようだ。

漁網のマテリアルリサイクルは、とても重要だと思うが、できれば食器以外のものにリサイクルしてほしい。

<参考>

日本経済新聞(2021.1.19)「帝人、廃棄漁網を食器に再生 海洋プラごみ削減へ」↓

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC146QH0U2A110C2000000/

肥料カプセル、2030年までにゼロ?全農はゼロとはいっていない

全国農業協同組合連合会(JA全農)と全国複合肥料工業会、日本肥料アンモニア協会は昨日(1月21日)「世界的に問題となっている海洋プラスチックごみによる汚染抑止に向け、2030年までにプラ製のカプセルで覆った肥料の使用ゼロを目指す方針を公表した」とのこと。

報道各社は、ほぼ同じ論調で「プラ製肥料、30年ゼロへ」などと発表した。

例えば、時事通信は↓

「プラ製肥料」、30年ゼロへ=JA全農など、海洋汚染対策で方針
時事通信 / 2022年1月21日 20時40分↓

https://news.infoseek.co.jp/topics/220121jijiX446/

「環境団体は昨年の調査で、5ミリ以下のマイクロプラスチックの海洋への流出量は年間約157トンと推計。このうち15%が肥料用カプセルとし、削減が喫緊の課題」。

というように、2030年までには肥料カプセルがすっかりなくなるかのような報道で、私もすっかりうれしくなった。この157%とか15%というのは環境ベンチャーのピリカが以前出していた数字だ↓

https://plastic.research.pirika.org

しかし、各社同じような報道をしているので、ネタ元を調べたところ、全農のサイトにアップされていた。

それを読むと、ゼロにするとも廃止するとも書かれていない。

それどころか、「2030年にはプラスチックを使用した被覆肥料に頼らない農業に」ということで、「被膜殻の流出防止対策」とか「被膜の薄膜化」などという文言まででている。

これで本当にゼロになるのか、と不安になった。流出防止策を講じても、田んぼには残る。それをどうするつもりか?また、コーティング剤が薄くなれば、酸化による劣化が進みやすくなるし、海岸などでは目立たなくはなる。しかし、マイクロプラスチック問題の本質的な解決にはならない。

その点で、ヘタをすると洗顔剤のマイクロビーズの二の舞になるのではないか。

マイクロビーズは、「スクラブ剤として使用されている洗い流しタイプの化粧品」の店頭販売はなくなったが、スクラブ剤以外の目的で使われているものや、洗い流しタイプではない化粧品や日用品にはまだフツーに使われ、売られ続けている。

それにも関わらず、あたかもマイクロビーズが、化粧品や日用品には一切入れられていないと、一般の人に誤解させるように周知され、幕引きされた。

韓国、今年4月から店内での使い捨てカップを再禁止

一度禁止され、コロナにより緩められたが、2022年4月1日から再び、カフェ店内での使い捨てカップの使用が禁止される。

11月24日からは使い捨ての紙コップとプラスチック製ストローとマドラーも禁止とのこと。

韓国環境部は「昨年12月31日に‘資源の節約とリサイクル促進に関する法律施行規則’(施行規則)を改正し、公布した」(yahoo news, 2022.1.5)そうだ。

<出典>

韓国環境部(2022.1.7)↓

http://eng.me.go.kr/eng/web/board/read.do?menuId=461&boardMasterId=522&boardId=1500770

「4月からカフェ内で使い捨てプラスチックカップの使用は再び禁止=韓国」↓

https://news.yahoo.co.jp/articles/416ade6514274b5a080cf20fd8204c936347f57f