いよいよ決定か。ずいぶん延びていたが、スコットランドの飲料容器デポジット制度が、いよいよ来年8月からスタートするようだ。
金額は、デポジットもリファンドも20pで、対象はペットボトル、缶、ガラス製の飲料容器。管理者はCircularity Scotland とのこと。
Circularity Scotland がグラスゴーで主催した会議に、スコットランド全土の飲料メーカーや小売業などの600人以上の代表者が、デポジット制度に備えるため結集したそうだ。
<出所>
旧「環境にやさしい暮らしを考える」のブログです。持続可能な暮らしに関連するニュースや、気になった環境情報を紹介します。専門は環境経済学です。
いよいよ決定か。ずいぶん延びていたが、スコットランドの飲料容器デポジット制度が、いよいよ来年8月からスタートするようだ。
金額は、デポジットもリファンドも20pで、対象はペットボトル、缶、ガラス製の飲料容器。管理者はCircularity Scotland とのこと。
Circularity Scotland がグラスゴーで主催した会議に、スコットランド全土の飲料メーカーや小売業などの600人以上の代表者が、デポジット制度に備えるため結集したそうだ。
<出所>
世界では使い捨てをやめる動きが広がっている。
ドイツ政府はこの程、テイクアウト用の使い捨て容器や飲料用カップ、プラスチックフィルター付きのタバコなどのような散乱しやすいプラ製品の製造者に、公園や街路の清掃費用の負担を義務付ける法案を承認した。
ドイツは拡大生産者責任が徹底している国だ。だからこのようなものの処理費用も一部は既に支払われているものと思うが、このような家の外で廃棄されやすい製品には、さらに上乗せして支払うことになる、ということだろう。
これまでは、公園や街路の清掃費用やそこに設置されているごみ箱のごみ処理費用は自治体負担だったが、今後は製造者がそれらの費用を払うことで拡大生産者責任をさらに徹底させることになる。
これにより同国では、今後使い捨て容器が減り、繰り返し使えるリユース容器が増えそうだ。
<出所>
https://www.eic.or.jp/news/?act=view&word=&category=&oversea=1&serial=48448
人工芝の破片や充填材(ゴムチップなど)がマイクロプラスチックになることは知られている。
そのためか最近、人工芝関連のニュースが多い。
京都市では、球技場の人工芝を再利用してもらうため、無償譲渡するそうで、今譲渡先を募っている。「本格的な競技には向かないが、休憩や軽い運動をするスペースには再利用できる」とのこと↓
https://mainichi.jp/articles/20221120/k00/00m/040/056000c
市は、「従来は古い人工芝は廃棄してきたが、近年問題となっているマイクロプラスチックの発生源と指摘されていることから無償譲渡を決めた」そうだ。しかし、譲渡して再利用してもらったとしても、譲渡先でマイクロプラスチックが発生するのは変わらない。
むしろ古い人工芝は千切れやすい。
もしこれが、今まで人工芝が敷かれていなかったところに「タダでもらったから」といって敷かれたら、たまったものではない。
単に、廃棄費用をケチったのではないか?と疑いたくなるが、まさか京都市がそんなセコいことをするとは思えないので、真意は不明だ。
他方、人工芝をリサイクルする方のニュースは、素直に喜べる。
スポーツクラブが、人工芝の破片を再資源化してスポーツ用品を作る事業を始めた↓
https://news.yahoo.co.jp/articles/cbcb377dd21866c55350a7ffa0430d23792c8aad
F・マリノススポーツクラブが人工芝でマーカーコーンを作ったとのこと。このクラブは、J1横浜F・マリノスが選手の育成、地域貢献活動などを行う部門を分社化して2020年11月に設立されたという。
写真を見ると、まるで芝刈りした後かのように千切れた人工芝をスタッフが持っている。ごみ袋にもたくさん入っているようだ。一回の整備で、これほど多くの千切れた人工芝を回収できるならば、リサイクルはよい選択肢だと思う。
それにしても、欧州では人工芝の充填材がマイクロプラスチックとして時々話題になっているが、日本ではなぜまだ充填材が問題になっていないのだろうか?話題になるのは、決まって人工芝の本体だ。
ゴムチップや、廃タイヤをリサイクルした人工芝の充填材は、マイクロプラスチックであると同時に身体にも悪そうだから、こちらの方ももっと問題になってよいと思う。
タイヤが摩耗して飛び散った道路のマイクロプラスチック(含まれていた酸化防止剤)が、銀鮭の大量死を招いていたという数年前のニュースを見る限り、人の健康にも悪いはずだ。
コカコーラは5年連続で世界最大のプラごみ汚染メーカーだ。
https://www.swissinfo.ch/jpn/ネスレ-プラスチック汚染企業のワースト3位に/48062096
「5年連続で行われた「プラスチック汚染企業」の2022年調査には、世界6大陸の44カ国で1万4760人のボランティアが協力し、約43万個のプラスチックごみが記録された。メーカーを確認できたごみを集計した結果、1位は5年連続でコカ・コーラだった。2位にペプシコ、3位にネスレが続く」
そのコカコーラは、クリーンアップの団体とごみ拾いをしたり、COP27の後援をしたりしているが、コカコーラが今すべきことはそんなことではないはずだ。
グリーンウォッシュと批判されても当然だろう。
https://www.campaignjapan.com/article/cop27を後援するコカ・コーラに-グリーンウォッシング-と批判の嵐/481774
コカコーラは世界最大のプラスチック汚染企業としての自覚を持ち、まず商品をプラスチック容器に入れないこと、入れた場合は必ずデポジット制度で責任持って回収すること、この2つを徹底してほしい。
しかし、多くの国で、コカコーラはこれまでデポジット制度の機運に水を差し、積極的に潰す方向に動いていた。
ごみ拾いなどをやっているヒマをあったら、自社製品の容器が散乱ごみにならないように早く対策してほしい。
数年前、10年ほど使っていた炊飯器が壊れたため、新しい炊飯器を買わずに、圧力鍋で玄米を炊いていた。
以前使っていた炊飯器は、発芽玄米機能と炊飯をセットでタイマー予約できたので、便利でしかも、発芽玄米はフツーの玄米よりも美味しかった。
しかし、内釜のフッ素樹脂加工が気になり、壊れた際に買い換えずに圧力鍋を使っていたが、発芽玄米の味が忘れられず、新しい炊飯器を買うことにした。
他の炊飯器には「内釜:フッ素加工」などと書かれていたため避け、「内釜:ステンレス」と書かれているものを購入。しかし、届いた炊飯器(NC-F190)の内釜はしっかり「フッ素加工」だった。
残念!
しかも、玄米炊飯も発芽も別々で長時間かかる。玄米炊飯は70分、発芽には12時間!
安かったので仕方ないか・・。
朝、炊きたての玄米を食べたければ、夕方から発芽させ、朝起きてすぐに炊飯スイッチを押さなければならないようだ。
しかも、発芽の際に匂いが出るので、炊飯の際には優しく洗米するようにと書かれている※。
時間がかかるので、とりあえず玄米を発芽させずに炊いてみたところ、圧力釜の味とあまり変わらず、発芽玄米らしくない。
これならば、発芽だけ炊飯器で行い、炊飯は圧力釜でする方が時短で省エネだ。
まだ発芽玄米や白米を炊いていないので何とも言えないけれど、内側がフッ素樹脂加工されていない炊飯器がほしかった。
※以前使っていた炊飯器は発芽から自動的に炊飯までできたので、不思議に思って調べたところ、夏場は発芽後に水を取り替えるのが一般的なようだ。発芽後に臭いがなければそのまま炊飯しても問題ないらしい。
ソニーは商品の包装材でプラスチックを全廃するそうだ。
まず、2023年度にスマートフォンなどの小型商品で始め、外部調達する紙箱に加え、竹やさとうきびの繊維などを使って自社開発した新素材に順次切り替えるとのこと。
将来的にはテレビなど大型商品もプラ包装をやめる。
「テレビなどの大型商品は当面発泡スチロールなどプラ使用が残るが、粉末にした古紙を発泡させる新技術などで代替を目指す」(日経.2022.11.8)
包装材の脱プラは素晴らしい最初の一歩。さすがソニーとは思うけれど、製品も早く脱プラを目指してほしい。
<参考>
日本経済新聞(2022.11.8)「ソニーがプラ包装全廃、紙・竹素材に まずスマホなど」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC270PT0X21C22A0000000/
ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議が8月に開催した講演会の詳細が、JEPAニュースに掲載された。
それによると、内分泌かく乱化学物質(環境ホルモ)には4つの特徴があるそうだ。
1.高用量での影響から低用量の影響を予測できないこと
動物実験では通常、高用量を試しそこから低用量での影響を予測するが、マウスに環境ホルモンを曝露させた場合、高用量では体重が減少する。しかし、低用量では逆に体重が増える。
2.非特異的影響
この環境ホルモンに曝露したからといってこの病気になるということはなく、1:1の関係ではない。様々な種類の病気になる可能性が増える。
3.長い潜伏期間
胎児期に曝露したとしても、その影響が判明するのは成人の生殖期での不妊であったり、中年期の肥満であったりする。
4.世代を越えて影響が継続
このことは、環境ホルモンには長い潜伏期間があり、さらに様々な臓器や組織に影響を与えることを示している。
5.カクテル効果(複合影響)
私たちは一種類の化学物質に曝露しているわけではなく、同時に数百数千の化学物質に曝露している。これらは相乗的に作用したり、相互に作用を増強したり、阻害したりするなどの複合作用を起こす可能性がある。
この講演の後半は、良いニュースと悪いニュースが紹介された。
良いニュースは、消費者がプラスチック製品を買わなければ、プラスチックは製造されなくなること。また、食品会社による自主規制が始まっているものもあることだ。
悪いニュースは、代替物質の増加だ。規制された物質が減ったとしても、すぐに化学構造が類似した別の化学物質に代わる。イタチごっこなのだ。
例えばPFASでいえば、PFOS とPFOAは規制後減ってきがが、代わりにPFHxS やPFDAが増えた。
(以上、JEPA news 137号の一部を要約した)
グリーンピースがプラスチックリサイクルについての新しいレポートを発表した。
https://thred.com/ja/change/greenpeace-report-shows-failure-of-single-use-plastic-recycling/
以下からレポートと付録をダウンロードできる↓
Circular Claims Fall Flat Again
これによると、プラスチックリサイクル(ケミカルリサイクルとマテリアルリサイクルの両方)が失敗するのは5つの理由があるという。
1.収集がきわめて困難である
2.リサイクルのための分別が事実上不可能(何千種類ものプラスチックがあり、それぞれが独自の組成と特性を持っている。プラスチックの種類によって、融点、染料、着色料が異なる)
3.プラスチックの再処理は環境に有害である(汚染や火災の危険性)
4.プラスチックは有害物質でできている(プラスチック製品自体に有毒な添加物が含まれていたり、化学物質を吸着していたりする可能性。カナダ政府が2021年末に発表した報告書によると、再生プラスチックの毒性リスクにより、「生産されるプラスチック製品や包装の大部分」が食品用包装に再生されることを禁止している)
5.リサイクルに経済性がない(プラごみを収集、分別、運搬し、安全に再処理するには、常に法外なコストがかかる。バージン原料の方がはるかに安く、品質も良い)
紙やガラス、金属にはこれらの問題はないため、はるかに高い割合でリサイクルされているそうだ。
レポートにはより詳しい説明が記載されている。
<追記>
このレポートについての批判記事があった。
Waste 360だ。グリーンピースのレポートの著者は、プラスチックを嫌っているため、リサイクルを否定しようとしているというものだ。
しかし、プラスチックのリサイクルは業界や国が宣伝するほどうまくいっているわけではないので、レポートの方が信憑性が高いように思う。
ジュビロ磐田が、スタジアム内で使用する紙コップをLIMEX製に変更するそうだ。
https://www.jubilo-iwata.co.jp/newslist/detail/?nw_seq=8561
リユースカップに変更するならばわかるが、なぜプラスチックに石灰石を混ぜ込んだライメックスに変更する必要があるのか?さっぱりわからない。リユースでもなければ、生分解性でもないし、バイオマスでもない。つまり、最近よく聞く「3R+Renewable」の最後のRenewable(再生可能)でさえないのだ。
紙は木から作られるバイオマス製品だから、当然木を使う。ライメックスはプラスチックと石灰石の複合品だから、木を使わない。そんな当然のことを、さも変更したことがエコであるかのように宣伝する理由が理解できない。
日本にも、リユースカップを利用しているサッカースタジアムはある↓
https://www.reuse-network.jp/case/soccer/
変更するならばリユースカップに変更してほしかった。残念。
化学物質に詳しいピート・マイヤーズ博士の講演動画が見られる。
1つ1つは短いが、1から4まで自動再生され、4本見られる設定だ。
プラスチックなどに使われる化学物質は事前にテストされることなく、世の中に出回っているとのこと。
そのため、合法的に人体実験されているようなもので、環境ホルモンなどは赤ちゃんを対象にテストしているようなもの。
プラスチックはリサイクルする度に汚染物質が溜まるので、サーキュラーエコノミーには馴染まない物質だという指摘も納得できる。
翻って、最近の日本のニュースによると、プラスチックリサイクルのesaがグリーンケミストリー分野の先進研究機関である京都大学大学院総合生存学館(思修館)と共同研究を開始するそうだ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000102225.html
この中でいわれている
「一般に使用されているプラスチックの多くは、多層プラスチックフィルムに代表されるように、機能・性能を持たせるために性質が異なる複数種類のプラスチックを複合して使用されています。しかし、複数種類が複合されたプラスチックのマテリアルリサイクル (廃プラスチックをそのまま原料にして、破砕・溶融などの処理を行った後に再生利用するリサイクル方法) 手法は確立されておらず、既存技術では再生原料として使用されることはほぼありません」
ということは、一般の人にはなかなか知られていない。
先日の環境省の人のセミナーでも、講師は
「昔と違って今は光を使ったセンサーなどで選別できている」
などとまるで自宅から回収したプラスチックの多くがリサイクルされているかのような説明をしていたが、そういう説明が一般の人の誤解を招いている。
確かに大昔に比べたら、リサイクル量は少しだけ増えた。最近のリサイクル工場は、センサーなど当たり前に装備している。だが、それでも複層の素材がリサイクルされることはなく、通常「残渣」として処理(熱回収)されている。
リサイクルをあまりに過大評価することは、プラスチックの使用を促進することに繋がる。
プラスチック資源循環促進法はまるでプラスチック使用促進法のように見える。