G20、米中に配慮、大阪ブルー・オーシャン・ビジョン

29日、G20が閉幕した。
気候変動ではアメリカに配慮した結果、一歩も進展しなかった。海洋プラスチック汚染では中国にも配慮した結果、「2050年までにプラスチックごみの海洋投棄をゼロにし、さらなる海洋汚染をゼロにする」となった。
欧州の国々は「2030年まで」のゼロを求めたという。
また、大阪サミットに先駆けて開催されたG20エネルギー・環境関連閣僚会合で決まった「G20 海洋プラスチックごみ対策実施枠組」には、数値目標がない。

詳細は今後決まるらしいが、日本のごみ処理方法(本来、生産者責任で回収すべきものまで税金を使って回収し、回収したごみを焼却炉で燃やす)を途上国に押しつけるだけになるのではないかと心配だ。
今のところ、日本が支援する予定の国は、インドネシアと南アフリカか。
焼却炉を途上国に売ることは、地球規模でのプラスチック汚染と温暖化を解決することにはならないだろう。

強国に配慮しつつ、単に各国首脳の発言や思惑の共通項をとりまとめただけの「首脳宣言」では、議長国として失敗だったのではないか。

この大阪ビジョンで読み取れるのは、海洋へプラスチックを流出させているのは途上国で、日本は流出させていないから日本のやり方を教えてあげよう、という傲慢な勘違いと、焼却炉を買わせて将来に渡って稼ごう(定期的にバグフィルターを交換するなど維持費が必要)というソロバン勘定だけだ、といったら言い過ぎだろうか。

<参考>

環境省「G20 海洋プラスチックごみ対策実施枠組(仮訳)」

https://www.env.go.jp/press/files/jp/111883.pdf

日経新聞(2019.6.29)「「公正・無差別な貿易へ努力」G20首脳宣言採択し閉幕」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46772370Z20C19A6MM8000/

日経新聞(2019.6.30朝刊)「廃プラ削減険しい道 流出元 把握進まず」

朝日新聞(2019.6.30)「(社説)大阪G20閉幕 安倍外交の限界見えた」
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14076118.html?iref=com_rnavi_arank_nr01

朝日新聞(2019.6.29)「日本政府、南アフリカに2億円 海洋プラごみ対策で協力」
https://digital.asahi.com/articles/ASM6Y3FDDM6YULFA003.html

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