土産用に酒を買い、箱を開けたら酒瓶が新聞紙に包まれていた。
以前よく英字新聞をパッケージに使っているのを見たことがあるが、日本語の新聞は初めて見た。
とても新鮮でお洒落に見える。
これがもし発泡スチロールの緩衝材や、合成繊維の不織布などであれば興ざめしたところだ。
説明に「蔵内原酒をそのまま壜詰し、中身保護と資源再利用するため、新聞紙で包装しました」とあった。
旧「環境問題研究会のブログ」(さがみはら環境問題研究会)です。持続可能な暮らしに関連するニュースや、気になった環境情報を紹介します。専門は環境経済学です。
土産用に酒を買い、箱を開けたら酒瓶が新聞紙に包まれていた。
以前よく英字新聞をパッケージに使っているのを見たことがあるが、日本語の新聞は初めて見た。
とても新鮮でお洒落に見える。
これがもし発泡スチロールの緩衝材や、合成繊維の不織布などであれば興ざめしたところだ。
説明に「蔵内原酒をそのまま壜詰し、中身保護と資源再利用するため、新聞紙で包装しました」とあった。
先般決まったプラスチック資源循環戦略を実現するための施策について、環境省がパブコメを募集している。
12月25日までだ。
https://www.env.go.jp/press/108717.html
今回の施策で気になるところは、ポリバケツや文房具などの「製品プラスチック」と、これまでの「容器包装プラスチック」の一括回収だ。
これが正式決定すると、市民生活にも影響が大きい。
私自身、一括回収には賛成だが、問題は「誰がカネを出すのか」ということ。
これまでの容器包装プラのように、自治体が税金をジャブジャブ使って回収することにでもなれば、プラスチックは減らないだろう。
やはり「拡大生産者責任」が重要で、回収費用も事業者が払うようにしないと、プラスチックは減らない。
にも関わらず、
「事業者(例えば小規模店舗等)から排出されるプラスチック資源を市町村が回収する場合には、家庭から排出されたものとまとめてリサイクル できる環境を整備等」
などということまで書かれた資料まである(11月20日の小委員会配布資料↓)。
https://www.env.go.jp/council/03recycle/20201120t1.pdf
一体どこまで回収に税金を使おうとするのか。
これが「日本方式」で、海外で一般的に行われている「拡大生産者責任」による回収よりもうまくいくとでも思っているのだろうか。
また、資源循環戦略で「使い捨てプラ25%削減」という目標が決まったにも関わらず、具体的な品目がレジ袋以外はまったく決まらない、というのも問題だろうと思う。
他にもツッコミたいところは多々あるが、私としてはこの2点が特に気になっている。
これまでのプラスチック資源循環小委員会↓
中国は、来年(2021年)1月から、全種類の固体廃棄物の輸入を禁止すると発表した。
2018年から古紙の輸入量もかなり減らしていたが、ついにゼロにするようだ。
日本の古紙の行方が気になる。国内でリサイクルを進めるのが一番よいだろうが、そんなに簡単なことではない。
そのため、日本で使い切れない古紙は今後、東南アジアに向かいそうだ。しかし、いずれ東南アジアの国々も「要らない」というだろうから、やはり古紙にも「拡大生産者責任」が必要だろう。
そうしなければ、古紙利用率は今より高くなりそうにない。
<参考>
AFP通信(日本語)(2020.11.28)「中国、すべてのごみの輸入禁止 2021年1月から」↓
https://news.yahoo.co.jp/articles/083c130314501d429023abb286963bbe9e6b5c73
XINHUA NET(2020.11.27)China to ban all imports of solid waste from 2021↓
オーストラリアのタスマニア州で、飲料容器のデポジット制度が2022年までに導入されることが正式に決まった。
環境保護局の最新の年次報告書によると、2018-19年には749,219トンの廃棄物が発生し、そのうち402,921トンが埋め立て処分されたとのこと。リサイクルされたものは259,829トンで、堆肥化されたものは86,469トンだった。
ということは、堆肥化を含むリサイクル率は46%程度だから、タスマニア州はデポジット制度導入前でも日本よりリサイクル率は高いようだ。
<関連記事>
<出所>
The Advocate(2020.11.13)
https://www.theadvocate.com.au/story/7011367/budget-money-for-container-refund-scheme/
バイオマス発電大手のイーレックスとENEOSが新潟県内に大型のバイオマス発電所を建設する。
2023年度中の着工で26年度に稼働予定。
FIT(固定価格買取制度)は使わないとのこと。それで経営が成り立つとしたら、よほど安価な燃料を大量に用意しないといけないはずだ。
燃料は何かと調べたところ、新潟日報(2020.11.10)に「ロシアから輸入する木質ペレットや、東南アジアで栽培する穀物のソルガムを検討」していると書かれていた。
ソルガムというと、ヘルシーな雑穀として近頃有名なアレだろうか?もったいないような気もするが、パームオイルよりははるかにマシだ。
ロシアから輸入するという木質ペレットも心配だ。木質ペレットの原料は「低質」の原木をそのままペレットに加工するケースも近頃多い。もし、シベリアなどの木だとすると、もったいないどころの話ではない。地球温暖化を促進させてしまう。
それにしても電気は、実際に支払う値段以上に高く付く。原発はもう要らないが、他の電源も環境面で問題が多い。
節電が一番。大事に使わなければ。
<参考>
新潟日報(2020.11.10)「新潟東港に大規模バイオマス発電所 イーレックスとENEOS計画、新設では世界最大級」↓
https://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20201110580396.html
スコットランドは、イギリス初のデポジット制度を22年7月1日から導入するとのこと。
デポジット/リファンド額はいずれも20ペンス。購入時に20pを飲料代に上乗せして払い、容器を返却すると20p返金される。
スキームの管理者は2021年1月に任命される予定。
これまでの報道を合わせると、対象は50mLから3Lまでの使い捨て容器で、びん、缶、ペットボトルだ。
<参考>
I・C・I・S(2020.11.4)
欧州のコカ・コーラが、100%紙で作った紙ボトルの計画を発表した。
写真を見ると、牛乳瓶のようなボトルだ。
第一世代の紙ボトルは、プラスチックライナーを中にラミネートしたもの(日本のカートカンのようなものか?)。
将来的にはプラスチックを含まない紙ボトルを作る計画だ。
欧米ではペットボトルの評判が近年すこぶる悪いため、ようやく欧州のコカコーラは、ペットボトルに見切りをつける気のようだ。
まだプラスチック好きな人の多い日本では、しばらくペットボトルは安泰だろうが、いずれ日本のコカ・コーラもペットボトルをあきらめる時代が来るのではないかと期待している。
<出所>
Foodprocessing(2020.11.4)
海外の政策はめまぐるしく変わることが多いので、気になる政策でもフォローしきれないことが多い。
もちろん情勢により機敏に対応するのは悪いことではないので、よい面も多いのだろうが・・。
韓国も例外ではなく、臨機応変に変更される。
韓国語が読めないため、つながりがよくわからず、断片的な報道だけ読む身としては、それが変更により以前の法律がなくなった結果、新しいのができたのか、それともその法律が一部変更されただけなのかさっぱりわからない。
以前、韓国は「2027年までに使い捨てプラスチックゼロに」という目標を掲げていた。
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20180904001500882
「消費段階では、使い捨てのプラスチック製コップやストローなど、代替可能な製品がある使い捨て製品の使用を段階的に禁じ、27年までに「ゼロ」にするとの目標に掲げた。」とのことで、代替品のある使い捨て用品は禁止するとのこと。
しかし、先月発表されたロードマップを読むと「2022年までに一回用品使用量を35%以上削減する」と書かれており、レジ袋は2030年にゼロになるようだ。
http://me.go.kr/home/web/board/read.do?boardMasterId=1&boardId=1096240&menuId=286
2027年までにゼロになるものと30年までにゼロになるものがあるのだろうが・・よくわからない。
いずれにせよ、店頭などに設置されている雨の日の傘袋にも規制がかかるようだ。余力のある役所は2020年から、大型店では2022年から使用が禁止になるようだ。(韓国語がよく読めないので、間違っているかもしれないが)
ということは、既にソウル市役所などでは、雨のしずくを取る装置が備え付けられているのではないかと思うが、どんなものが使われているのか見たいものだ。
日本でもぜひ傘袋を禁止してほしい。
雨の日に、袋が店先に散らばっているのをみるのは耐えがたい。
昨日「NIKKEI CIRCULAR ECONOMY WEEK 特別フォーラム
ペットボトル国内完全循環への挑戦」のセミナーを視聴。
「ペットボトルリサイクル先進国」の日本であるにも関わらず、これまで使用済みペットボトルから新しいペットボトルへの再生がわずか1割。この「ボトル to ボトル」をもっと増やすためのメーカーサイドの取組を紹介する、というような内容で、これをサーキュラーエコノミー(循環経済)とムリに結びつけたものだった。
確かにサントリーのように、ほんの一部の地域でも自治体に頼らず自主回収しているメーカーは、努力しているといえるかもしれない。しかし、多くのメーカーは自治体回収の上にあぐらをかき、それで「サーキュラーエコノミー」だなどと胸を張って欲しくない。
特にコカコーラは、100%回収を謳いながら自治体に頼りきりだ。
たとえば東大和市での役割分担はこうだ↓
https://www.city.higashiyamato.lg.jp/index.cfm/1,106069,3,html
東大和市:市民の皆様への事業の周知と適正な排出の広報及び機器の運用ケア
コカ・コーラ ボトラーズジャパン(株):ペットボトル自動回収機の設置・回収資源の適正利用
東大和市清掃事業協同組合:回収したペットボトルの収集及び一時保管場所への運搬
一番お金のかかるペットボトルの収集を市にやらせておきながら、これのどこがサーキュラーエコノミーなのか理解に苦しむ。
このやり方が他市へも広がっているとのこと。
サーキュラーエコノミーの根底には、「拡大生産者責任(EPR)」が必ずあるべきだ。これをないがしろにして、サーキュラーエコノミーなどチャンチャラ可笑しい。
サーキュラーエコノミーとは、供給網のループを閉じて完全循環を目指すことのはず。そこに税金が介在する余地はない。「自治体との連携」の名の下に、税金をあてにしたサーキュラーエコノミーなどあり得ない。
主催した日経は一体何を考えているのか。
<関連記事>
11月13日(金)から全国順次にロードショーとのこと。楽しみだ。
残念ながら試写はできなかったが、見た人の話ではよかったそうだ。
以下、転載↓
───────────────────────────────────
映画『プラスチックの海』映画概要
https://unitedpeople.jp/plasticocean/
2020年11月13日(金)アップリンク渋谷・吉祥寺・京都ほか全国順次ロードショー
───────────────────────────────────
海がプラスチックで溢れている―。わたしたちには何ができるのだろうか。
多くの科学者や識者が警鐘を鳴らす、海洋プラスチック問題。
年間800万トンものプラスチックが海に捨てられているという。
その大半は海底に沈み、海面や海中を漂うプラスチックも永久に分解されず、
マイクロプラスチックとなって食物連鎖の一部になっていく。
プラスチックゴミによる海洋汚染の実態とは?そしてプラスチックが海に、
プランクトンに、クジラに、海鳥に、人体に及ぼす影響とはー?
監督:クレイグ・リーソン
配給:ユナイテッドピープル 宣伝:スリーピン
原題:A PLASTIC OCEAN
100分/イギリス・香港/2016年
オフィシャルサイト:
https://unitedpeople.jp/plasticocean/
Facebook: https://www.facebook.com/poceanjp
Twitter: https://twitter.com/poceanjp
Instagram: https://www.instagram.com/poceanjp/