G20までに、削減するプラ量の積み上げ計算を

まもなくG20が開催される。日本は無事議長国としてのメンツを保てるだろうか?

せめて、プラスチック資源循環戦略の「2030年までにワンウェイプラスチックを累積で25%排出抑制」という目標の実効性が疑われないように、まず削減するプラスチックの項目を列挙して、現在の消費量を並べて積み上げ計算するのがよいのではないか。

そうすれば、例えばどこまでの範囲のレジ袋を何パーセント減らすために何をすべきか、レジ袋よりもっと役立たないあの薄い小袋はどうすべきか、トレイはどうするのか?ペットボトルは何パーセント減らすべきなのか?カフェやコンビニコーヒーなどのカップ類は?使い捨て食器や弁当容器は?その他の容器包装や使い捨て製品(ストロー、ナイフ、フォーク、マドラー、ライター等)はどの程度減らせばよいのか、などおおよそのメドが立つ。

今のように、国民はもちろんサミットに出席する当人も何もわからないままでは、世界は納得しないだろう。「累積で25%」の根拠が必要だ。

カナダ首相、使い捨てプラスチックの使用禁止方針を発表

カナダのトルドー首相が、使い捨てプラスチックを早ければ2021年にも禁止する方針を発表した。

禁止対象はまだ未定だが、レジ袋やストロー、ナイフ、フォーク、スプーン、皿、マドラーなどが含まれる可能性があるとのこと。

カナダのメディアは、ペットボトルも含まれるとしているそうなので、ペットボトルも何らかの規制がかかるかもしれない。

カナダでは、これまでも州や自治体単位で環境対策が進んでいる。

例えば、デポジット制度は州ごとに少しずつ異なった方法で行われているし、レジ袋への対応も異なっていた。

そのカナダが、国全体で使い捨てプラスチックを禁止するのは、国も本気でプラスチックに取り組む姿勢を示すためだろうか。EU(欧州連合)の政策や昨年採択したG7サミットの海洋プラスチック憲章の影響かもしれない。

<参考>

BBC JAPAN「カナダ、使い捨てプラスチックを禁止へ 早ければ2021年にも」

https://www.bbc.com/japanese/48591071

NHK(2019.6.11)「カナダ 使い捨てプラスチック容器や包装の提供禁止へ」

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190611/k10011948221000.html

中国でフロンガスの排出増加

オゾン層を破壊するフロンの一種、クロロフルオロカーボン(CFC)の放出量が、近年増加していた問題で、主な原因は中国だったことが、イギリスの科学者チームによりわかったとのこと。

ポリウレタン断熱材に、このCFC-11が使用されていたことが確認されたという。1トンのCFC-11は、二酸化炭素約5000トンに相当するとのことで、オゾン層を破壊するだけでなく、温暖化も促進してしまうらしい。

中国政府は既に取り締まりを開始しているそうだ。

<詳しくは↓>

BBC(2019.5.23)「オゾン層破壊物質の増加原因は中国 国際研究チーム」

https://www.bbc.com/japanese/48375540

日本のレジ袋消費量は本当に20万トン?

最近あちこちで、日本のレジ袋消費量は約20万トンだから、レジ袋を減らしてもプラごみ全体の2%しか削減にならないという記事を読む。

確かに、「レジ袋」消費量は20万トン程度かもしれない。しかし、そのレジ袋とは、あくまでも持ち手のついたHDPEフィルムで作られたものだ。

書店やパン屋、衣料品店などで配られる持ち手のないプラスチック製の袋は、カウントされていない。

しかし今、削減を進めたいのは持ち手のない袋も含むプラスチック全体だ。

プラスチック資源循環戦略の中に記載された「レジ袋」とは、おそらく持ち手のないものも含めているはずで、海外でいうところのplastic bagsだ。

そうであれば、30万トン位あってもおかしくないだろうと、日本ポリオレフィンフィルム工業組合のデータを眺めながら想像している。

それにしても、なぜ日本には、まともなレジ袋消費量のデータがないのだろうか。

レジ袋だけでなく、ペットボトルなどのような飲料容器回収量や回収率なども、業界団体がそれぞれ発表したものはあるが、利害関係のない第三者機関によって調べられたものがない。

<関連記事>

日本のレジ袋使用量は何枚?

<参考>

http://www.pof.or.jp/data/files/PEBag-y1.pdf

http://www.pof.or.jp/data/files/POF-y2.pdf

http://www.pof.or.jp/data/files/POF-y1.pdf

 

鎌倉市の先進的な取組

先日、ゼロ・ウェイスト政策を進める鎌倉市役所を訪問した。

まず驚いたのが、多くの職員さんたちの机の上にマイボトルが置かれていたこと。さすが、自動販売機(自販機)からペットボトル入りをやめただけある、と感心した。

代わりに設置されているマイカップ対応の自販機は、清涼飲料だけでなく、スープなどもあり、小腹が空いたときにも役立ちそう。マイカップがなければ紙コップが出てくるが、マイカップを置いて「マイカップ」のボタンを押せば10円安くなるとのこと。

また、売店にもペットボトル入り飲料はなく、代わりにリシール缶が置かれていた。

市が管理する市役所以外の施設の自販機からも、ペットボトル入りは排除したそうだ。さすが「かまくらプラごみゼロ宣言」をしただけある。

生ごみ処理器も10種類以上を展示するなど、さまざまな工夫が施され、職員さんたちの話からもゼロ・ウェイスト政策が着実に進められていることが感じられた。

<関連記事>

鎌倉市も「かまくらプラごみゼロ宣言」

大阪市のペットボトル、新たな回収方法でサントリーの原料に

海洋プラスチックごみ汚染問題対策の一環として、メーカー各社がペットボトルを再生樹脂で作るという動きが国内外で広がっている。

消費者サイドで見ると、ペットボトルは削減が最も重要であることは間違いない。しかし、メーカー側としては当然の動きだといえる。

そのため、質の高い廃ペットボトルを確保するため、さまざまな動きが展開されている。

国内では、日本コカ・コーラがセブン&アイや日本財団と連携するなど動きが活発だが、サントリーも大阪市で、ペットボトル確保に動き出した。

東大和市と同様、市の約割は広報のみだが、大阪市の方は、回収に協力した団体にある程度お金が入るらしい。要するに、古紙回収のついでに廃ペットボトルも集めると、重量換算でペットボトルも売却できるというもの。

興味深い取組だと思うが、考えてみればこれはたいして目新しいことではない。関西方面では以前からペットボトルを古紙と一緒に集団回収している地域が散見されたし、東京都足立区の資源ごみ買取市も考え方は同じだ。

本来、廃ペットボトルは廃プラであるとして、運ぶにも許可が必要であるため、「専ら物(もっぱらぶつ)*」の古紙や金属類と一緒に集団回収するのは難しい部分がある。

しかし今後はおそらく何らかの手段を講じて、集団回収でペットボトルも古紙と一緒に回収する団体が増えるのではないか。

(以下、毎日新聞)

大手飲料メーカー「サントリーホールディングス(HD)」と古紙回収業「マツダ」(神戸市)の2社とペットボトルの回収・リサイクルの新たな枠組みで連携協定を結んだ。古紙回収と同様、回収量に応じた売却益を地域に還元する仕組み。

*専ら物:専ら再生利用(リサイクル)の目的となる廃棄物として、廃棄物の運搬や処分に必要な許可が例外的に扱われる。

<出所>

毎日新聞(2019.6.8)「ペットボトル コスト減・利益還元・資源確保、三方よし サントリーなど大阪市で回収」

https://mainichi.jp/articles/20190608/ddn/041/020/015000c%20class=

レジ袋有料化 例外も、容リ法改正を視野(原田環境相)

日本経済新聞(紙ベースで2019.6.7)によると、レジ袋有料化は業界ごとに課金に対応するとのことで、業界団体に所属していない個人店舗などのことはこれから検討する。例外もありうるらしい。

生分解性プラスチック(バイオベースのみ?)も例外として検討する見込み。

容器包装リサイクル法を一部改正し、対応する方向。

前回の発表とあわせて考えても、要するにレジ袋は「有料義務化」以外はまだ何も決まっていないようだ。

(以下、補筆)

経済産業相は、容器包装リサイクル法に基づく省令で対応すべし、といっている(以下、2019.6.7 JIJI.COM)。

世耕氏は「地球環境への負荷という点から、踏み込んだ政策を取らないといけない」として、有料化の方針自体は支持する考えを表明。その上で、既に容器包装リサイクル法に基づく経産省などの省令で小売店には有料化などを通じてごみを減らす努力が求められており、省令改正で有料化を実現するべきだとの考えを示した。

(再度補筆)

経済産業相の発表(2019.6.15)によると、レジ袋有料化は、2019年4月1日からの実施を目指すそうだ。

朝日新聞デジタル(2019.6.15)「レジ袋、来年4月から有料義務化 対策迫られるコンビニ」

https://digital.asahi.com/articles/ASM6H3631M6HULBJ003.html

<関連記事>

レジ袋、オリンピック前に有料義務を法制化(環境相発表)

<参考>

日本経済新聞(2019.6.6)「レジ袋有料化、「価格、業界ごとに設定を」環境相 」

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45764950W9A600C1000000/

JIJI.COM(2019.6.7)「経産相、有料化は省令対応=レジ袋めぐり政府内で相違」

https://www.jiji.com/jc/article?k=2019060700480&g=soc

 

東大和市、セブン・イレブンとペットボトル回収

東大和市が、セブン・イレブンと協定し、ペットボトルを回収することが話題になっている。4日から回収が始まったとのこと。

市内15カ所のセブン・イレブンに自動回収機を設置し、使用済み廃ペットボトルを集め、それを再生工場まで運んでリサイクルする。

役割分担は以下の通り。

・東大和市:市民の皆様への事業の周知と適正な排出の広報
・セブン‐イレブン店舗:ペットボトル自動回収機の運用と回収したペットボトルの管理
・日本財団:セブン‐イレブン店舗に設置するペットボトル自動回収機の費用を支援
・東大和市清掃事業協同組合:店舗が回収したペットボトルの保管場所への運搬

東大和市清掃事業協同組合というのがよくわからないが、もしここが市の税金で運営されているとすると、東大和市はなぜこのようなことをしたのか?と疑問を感じる。(追記:同組合は民間なので、回収に税金は使われていないとのこと。詳しくは補筆参照)

廃ペットボトルの回収に税金を使うということは、ペットボトルに補助金を出すのと同じことだ。ペットボトルの販売量を増やすことにも繋がりかねない。もしこの回収に市が加担しているならば、市がセブン・イレブンの顧客サービスの片棒を担いでいるようにすら見える。(追記:市は回収に税金を使っていないということなので、この部分は筆者の誤解だったようだ。しかし、やはり「ペットボトルを持ってセブン・イレブンに行こう!」という広報はやめるべきではないか。市としては、セブン・イレブンも他の回収協力店と同列に扱うべきだし、ペットボトルよりもマイボトルやマイカップを推進すべきだと思う。)

(補筆)

東大和市清掃事業協同組合というのは、税金で運営されている団体ではなく、完全な民間で、社会貢献のために協力しているとのこと。従って、市の役割は広報のみ、というこなので少し安心した(少なくとも広報にしか税金が使われていないという点でひと安心)。セブン&アイと日本コカ・コーラは、容器に100%再生樹脂を使ったペットボトルの緑茶飲料を共同で企画・販売するそうなので、その原料になるのかもしれない。

<参考>

東大和市「ペットボトルを持ってセブン・イレブンに行こう!~市内全店舗に、ペットボトル自動回収機が設置されます」

https://www.city.higashiyamato.lg.jp/index.cfm/31,97323,328,732,html

 

 

 

レシートを脂取り紙に利用するのは危険(ビスフェノール類)

先日(2019.5.31)の「家政夫のミタゾノ」(テレビ朝日系)で、家事情報として「レシートを脂取り紙に」と紹介していた。顔の皮脂がよく落ちるとのこと。

しかし、最近のレシートの大半は感熱紙だ。感熱紙には、熱をかけると色が浮き出すコーティング剤が塗られている。そのコーティング材に、ビスフェノール類が使われている可能性が高い。

必要以上に皮膚と接触させない方がよいのではないか。

米カリフォルニア州では、食品容器などにビスフェノールA(BPA)が含まれる場合には、「生殖障害を引き起こす可能性がある」などの警告表示を義務付けている。そのカリフォルニア州で、ビスフェノールAの危険性を理由に、昨年レシートの提供禁止法案が議員により提出された。

EUでも昨年、ビスフェノールAの規制が強化された。

日本では、ビスフェノールAが環境ホルモンだといわれてから多くのものがビスフェノールSなどに切り替わった。そのため、日本の感熱紙はBPAよりもBPSの方が多いかもしれない。しかし、危険性はそれほど変わらないという研究結果もある。

少なくとも、これから子どもを授かる可能性のある若い人や妊婦、乳幼児は、必要以上に感熱紙に触るようなことはやめた方がよい。レシートを脂取り紙に利用することはもちろん、メモ用紙やお絵かきに利用することも、避ける方がよいと思う。

※すべての感熱紙のレシートにビスフェノール類が使われているわけではありません。

<参考>

ビューローベリタスジャパン(2018.3.29)「EUにて、食品に接触する材料および製品に含まれるビスフェノールA(BPA)規制が強化されます」

https://cps.bureauveritas.jp/news/180329.html

NATIONAL GEOGRAPHIC(2015.3.3)「欧米で回避されるBPA、代替物質も有害?」

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20150302/437627/

国立環境研究所(2017.6.30)「内分泌かく乱化学物質ビスフェノールAの健康への影響:種差はあるのか?」

https://www.nies.go.jp/kanko/kankyogi/65/column4.html

Food Safety(2018.3.6)Warning: Temporary Prop 65 Safe Harbor for BPA Exposures from Canned and Bottled Foods and Beverages Has Expired

https://www.foodsafetymagazine.com/enewsletter/warning-temporary-prop-65-safe-harbor-for-bpa-exposures-from-canned-and-bottled-foods-and-beverages-has-expired/

 

レジ袋、オリンピック前に有料義務を法制化(環境相発表)

原田環境相が今日(6月3日)、レジ袋について発表した。

「できるだけ早く、実施までもっていかなきゃいけない。そのためには、法律のかたちにすることが大事」「オリンピックが来年(2020年)の夏秋ですから、それには遅れないように、ことし(2019年)から来年くらいまでに」

スーパー、コンビニ、ドラッグストア、百貨店などの事業者が一律に対象となるようだ。

有料化の方法やレジ袋価格は一律にならず、各事業者が決定するとのこと。

安い設定で消費者の歓心を得ようとする店があるのではないかと心配だ。1枚が1円や2円では、一時的には減ってもすぐに慣れ、大して減らないのではないかと思う。筆者の近所のスーパーは5円だが、多くの人が購入している。

(追記)「1枚当たり数円から10円程度を想定」しているとのことだが、イギリスなどのように最低価格を決めるべきだ。

<関連記事>

「コンビニ改心」でレジ袋有料化はほぼ完了、次のターゲットは?

<出所>

BSフジLIVEプライムニュース(2019.6.3)「【速報】スーパー・コンビニ一律対象 環境省、レジ袋有料義務化へ」

https://www.fnn.jp/posts/00418681CX/201906031839_CX_CX

YAHOO ニュース(共同2019.6.3)「レジ袋無償配布禁じる法令制定へ 環境相が表明、プラごみ排出抑制」

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190603-00000100-kyodonews-soci