5省庁が「香害ポスター」を改訂。それよりもムダに強い香り付き製品を禁止すべき

5省庁の香害ポスターが改訂された。

従来のポスターは、「その香り困っている人がいるかも?」という馬鹿げたものだった。いるかも?ではなく、多くの人が確実に困っていたにも関わらず・・。

それがようやく「その香り困っている人もいます」と断定された。

本来は「その香りで多くの人が困っています。だから使ってはダメ」とすべきところだし、5省庁が揃ってポスターを作るよりも、禁止を含めた規制を早急に考えるべきだ。

一部メーカーの利益と、強い香りに無頓着な(あるいは匂いに慣れてしまった)人のために、なぜ多くの人がガマンを強いられるのか、本当に理解できない。

少なくとも、誰の身体にとっても良くないマイクロカプセル入りの製品は禁止すべきだ。「香り長持ち」=「毒性長持ち」だから、禁止は多くの人にとって福音となるはず。

きっと何年か後には、「昔はこんなバカげたものを使っていたのよねー、怖いねー」と笑う日が来るはず。

金魚やニジマスも人工芝充填材(ゴムチップ)を食べている

多くの商業魚がマイクロプラスチックを食べていることがわかっている。

最近では、食物連鎖を調べるため、マイクロプラスチックで汚染した農地でレタスを栽培し、それを昆虫に食べさせ、その昆虫を魚の餌とすることで、魚にもマイクロプラスチックが蓄積する実験も行われた。

では、人工芝に充填されるゴムチップはどうなのだろうか?

国際基督教大学などの実験によると、ニジマスなどの肉食魚も、人工芝グラウンドから流出するゴムチップを食べてしまうそうだ。

実験に使われたゴムチップは実際に大学の人工芝グラウンドで使われていたもので、自動車用タイヤやワイパー、窓枠を作製する際に出る余材を細かく粒子状にしたものだ。

比重は1.28あり、水に沈むタイプだ。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jkshs/56/1/56_13/_pdf/-char/en

また、金魚もゴムチップを食べることが発表されている。金魚の腸から、ゴムチップが見つかった。

https://www.nature.com/articles/s41598-023-28672-3

いくら流出防止のためのガイドラインを作っても、人工芝グラウンドからゴムチップの流出を完全に止めることは不可能だ。

たとえ、食べたゴムチップを魚が排泄したとしても、ゴムチップには多種類の有害化学物質や重金属が添加されている。魚にそれらが蓄積することで、生態系への影響は計り知れない。

相模原市内でも近年、新たに人工芝グラウンドが作られ、さらに軟式野球場の人工芝が敷設されようとしているが、そんなに必要なものだろうか。

キューピーが容器に再生プラ使用、でも消費者の望みはリユースびんでは?

キューピーが、「テイスティドレッシング」など計12品で100%再生プラスチックを使った容器にすると発表したそうだ。8月上旬から出荷を始める。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC046MK0U3A700C2000000/

プラスチック新法に込められた国の方針通りの製品作りで、リッパだ。再生プラスチックは、確かに使うべきだと私も思う。

おそらく、廃ペットボトルを食品グレードにリサイクルした再生樹脂を使用しているのだろう。

しかし、再生プラスチックを使ったドレッシング容器など、消費者は本当に望んでいるのだろうか。

少なくとも私はイヤだ。そもそもドレッシングやマヨネーズのような油分や酸味のある食材をプラスチック容器に入れるなど気持ちが悪い。

プラスチックの添加剤が、容器から食材に溶け出しそうだ。

再生樹脂であろうとバージン樹脂であろうと、日本のペットボトルからもフタル酸エステル類が検出されている。これらは食材を汚染しそうだ。

製造工程を知らないので想像するだけだが、製造方法によっては充填時に容器からマイクロプラスチックも大量発生しそうだ。

そんな想像をしながらドレッシングを使うより、ガラス容器ならば安心できるのでありがたい。

ドレッシングやマヨネーズ容器は、ガラスびんにしてほしい。できればリユースびんにしてもらえるとなお良い。その場合は、回収は販売店で。

キューピーでも味の素でもそれ以外のメーカーでも、どこでも構わない。ガラス製のリユース容器に変更してくれたメーカーの製品を買いたい。

相模原市内の集合住宅の水道水がPFAS汚染 東京新聞と京大で共同調査 

高い有害性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)。

「相模原市の地下水などから高濃度で検出されたことを受け、東京新聞は京都大の原田浩二准教授(環境衛生学)と共同で、相模原市と、隣接の東京都町田市で計25カ所の井戸水や河川水を調査した」とのこと↓

「PFASを集合住宅の井戸水から検出 相模原市の8カ所で暫定指針超え、最大6倍 東京新聞と京大研究室が共同調査」(2023.7.3)↓

https://www.tokyo-np.co.jp/article/260516

「暫定指針値を超えたのは8カ所。検出濃度は最大で指針値の6倍に達し、一部は集合住宅で飲用水に使われていた」そうだから、恐ろしい。

当然だろうが、マンションの管理会社も知らなかったそうだ。

県や市が調べているのは2種類のPFASだけだが、これは10種類以上のPFASを調べたとのこと。

きっと他の種類のPFASを調べれば、もっと多くの井戸水から見つかりそうだ。

地域を限定しているため、すべてを受け入れられないそうだが、相模原市周辺で井戸水を使用している地域は東京新聞に依頼したら調べてもらえるらしい。

このような水道水を飲まされている住民はたまらない。市や県には川の水も含め、早急にもっと詳しく調べてほしいものだ。

以前の週刊金曜日のPFAS特集で、相模原市は「グループ2」に分類されていたので安心していた。しかし、あれはあくまでも井戸水を使用していない水道水を使っている場合の話のようだ。

サッカー場の人工芝張り替えに8000万円、新たな施工に1.2億円。環境ホルモン入りでも気にしない?

サッカー愛好者にとって、人工芝グラウンドは悲願なのだろうか。

最近、人工芝化するためのクラウドファンディングを最近よく見かける。

しかしプロ選手は、ケガしやすいことを理由に人工芝グラウンドを嫌っていると聞く。せっかくプロになっても、ケガをして復帰できなくなったらかなわないので当然だろう。

プロを目指す人は、いくらお金を出しても人工芝にしたいのかもしれないが、1度人工芝にしたら、張り替えに8000万円もかかるそうだ。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/238923

しかも、グラウンドに新たに人工芝を敷設する際は、1億2000万円とのこと。

天然芝の1.7倍から1.8倍の金額だという。

https://grassias-tokyo.com/blog/【グラウンドに人工芝を敷くなら】敷設費用や維/#:~:text=人工芝をグラウンドに,の金額になります%E3%80%82

メンテナンスは人工芝のほうが多少安くても、張り替えまでを考えたら天然芝の方が断然安いことは明白だ。

金額以外に、環境面・健康面を考えても人工芝は問題が多い。

東京農工大の高田秀重先生によると、人工芝にはノニルフェノールなどの環境ホルモンまで入っているそうだ。

https://www.facebook.com/hideshige.takada.9

ノニルフェノールは怖い。環境省が初めて動物実験でメダカのメス化を確認した化学物質だ。

天然芝グラウンドと人工芝グラウンドが隣り合っているスポーツ公園へよく行くが、天然芝にはいつも小鳥がいるが、人工芝では見たことがない。

小鳥は人工芝の危険を察知しているのに、人間は察知できないようだ。

カリフォルニア州、PFAS含有人工芝を禁止か

カリフォルニア州では、PFAS含有人工芝を禁止する法案が委員会を通過した。あとは上院で可決され、知事がサインしたら、2025年から製造、流通、販売ができなくなる↓

https://chemicalwatch.com/765123/california-advances-legislation-to-ban-pfas-containing-artificial-turf

https://www.ewg.org/news-insights/news-release/2023/04/california-makes-strides-ban-toxic-forever-chemicals-artificial

アメリカでは他にも多くの州で、PFAS含有製品の禁止が法制化されそうだ↓

https://apnews.com/article/cosmetics-pfas-apparel-athletic-turf-vermont-4a576b96e4014a59b2c736344b2255d0

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世界中のトイレットペーパーからPFAS!米研究

世界各地のトイレットペーパーを調べたところ、すべてのトイレットペーパーからPFASが検出されたそうだ。

https://www.theguardian.com/environment/2023/mar/13/toxic-forever-chemicals-pfas-toilet-paper

フロリダ大学の研究者らは、北米、西ヨーロッパ、アフリカ、中米、南米の21の主要なトイレットペーパーブランドを集め、調べたところ見つかった。

紙パルプが機械に付着するのを防ぐため、製造プロセスでPFASを使用していることを示唆しているそうだ。

つまり、PFASは製造工程で潤滑剤として使用され、その一部がトイレットペーパーに残っているということらしい。

意図的に添加されたわけではないから、PFAS濃度は低いそうだが、トイレットペーパーは多くの国で毎日大量に使用される。下水処理施設から川に流される水や、下水汚泥も汚染されていないか心配になる。おそらく汚染は避けられない。

この研究では6種類のPFAS化合物を検出した。このうち、6:2 diPAPが最高レベルだった。

この化合物はまだしっかりと研究されていないそうだが、精巣機能障害に関連するといわれている。お尻を拭く度にPFASが肌や粘膜に触れるとしたら、恐ろしい。

バージンパルプのトイレットペーパーからだけではなく、再生紙も似たようなものだったという。

また、この研究は、6:2 diPAPが環境中で非常に有毒な化合物であるPFOAに変わる可能性があることを発見したそうだ。つまり、6:2 diPAPはPFOAの前駆体ということか。

多くの製紙メーカーは気付かずにPFASを使っているようだ。「これを使うと装置を早くスムーズに動かせるよ」と言われ、機械メーカーから機械とセットで買っているのかもしれない。

人工芝のようなプラスチック製品も同様だが、紙製品も大量生産するためには、機械にパルプがくっつきにくくなるPFASのような潤滑剤が必要だということだ。

それにしても、PFASは泡消火剤や繊維、プラスチック製品、化粧品、容器などに使われるものだと思っていたが、まさかトイレットペーパーからも検出されるとは。これがもし、英紙ガーディアンの記事でなければ信じないところだ。

堆肥化可能な食品容器からPFASが揮発

PFAS(有機フッ素化合物)は、まだわからないことが多い。

半減期の長い危険な化学物質で、内分泌をかく乱する環境ホルモンであることは確かなようだ。

しかし、いろいろなものに入りすぎていて、PFASを使わないように1日をやり過ごすのは結構大変だ。

テレビなどで目にするPFASの写真は粉状、つまり固体だ。しかし、温度次第で水に溶けたり、揮発したりする種類のPFASもあるようだ。

最近発表されたカナダの研究によると、ファストフードで使用される堆肥化可能なパッケージを調べたところ、PFASが検出された。

しかも、2年間その容器を保存した後、また調べたら、総PFAS濃度が85%も低下したという。どうも揮発したらしい。

半減期の長いPFASは、気体となっても空中でその影響力(内分泌かく乱など)を駆使するのだろう。

となると、人工芝に含まれるPFASも、光にさらされ揮発して、大気中を漂っているのだろうか。子どもたちが人工芝の上で遊んでいる光景は、ほのぼのして見えるが、実は危険だということだ。

すべてのPFAS類を、早く禁止してほしい。

<出典>

https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.estlett.2c00926

凹みのできた鉄製フライパン vs 230万個のマイクロプラが発生するフッ素樹脂加工のフライパン

以前、本ブログで「フッ素樹脂加工のフライパンを使わない」と書き、鉄製フライパンだけを使っていた。

ところが、鉄製フライパンに小さな凹みができていることに、最近気づいた。

この凹みは孔食というものらしい↓

http://riverlight.co.jp/ja/koushoku.php

孔食ができた原因は、おそらく焦げついた時の洗い方がまずく、焦げに含まれる塩分などが落ちていなかったためではないかと思う。

フライパンの焦げを落とすには、やはり金属たわしが一番だが、一時期、金属たわしを使わず、しゅろたわしばかりを使っていた。そのためかもしれない。

鉄製フライパンの使い方にはよく「洗った後に油を敷くこと」と書かれている。油を敷くのはイヤなので、油を敷いたことはない。しかし、それでも問題なく使えているのは、洗剤を使わずに洗っているため、油分が残っているせいだろう。

昨年発表された論文(Luo et.al., 2022)によると、フッ素樹脂で加工されたフライパンは、コーティングの表面に少し傷が付いただけで約9100個のマイクロプラスチックが放出され、コーティングが壊れると約230万個ものマイクロプラスチックが放出されるとのこと。

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S004896972205392X?via%3Dihub

「テフロン」とか「フッ素コート」などと呼ばれている焦げ付き防止機能のあるフライパンは便利だが、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素樹脂でコーティングされている。PTFEの人に対する毒性はまだわかっていないが、「永遠の化学物質」と呼ばれるPFAS(有機フッ素化合物)の仲間だから、楽観はできない。

こんなに大量のマイクロプラスチックが食べ物と一緒に体内に入るのを防ぐためにも、鉄製フライパンの凹みをこれ以上広げないように気をつけて、うまく使い続けたい。

<関連記事>

秩父宮ラグビー場の移転にも人工芝化にも反対します!

坂本龍一氏の遺言のようになった「神宮外苑再開発反対」。とんでもない計画であるにも関わらず、小池都知事らには見直す気はさらさらなさそうだ。

署名運動や要望書を送る運動も行われている。

https://www.change.org/p/神宮外苑1000本の樹木を切らないで-再開発計画は見直しを/u/31210494

こういうものまで無視されると、日本は本当に民主主義国家なのか?とむなしくなる。

それにしても、なぜ、野球場とラグビー場を入れ替える必要があるのか。その方が事業者にとって都合がよいからだろうが、新ラグビー場が人工芝になると聞き驚いた。

理由は、ラグビー場で音楽ライブなどもするため、密閉型のドームにすることにある。そのため、天然芝では育たないから、人工芝の方が都合がよいそうだ。

https://www.asahi.com/articles/ASQ8Q6GR4Q8QUTQP016.html

人工芝の方がケガをしやすいことをラグビー関係者はよく知っている。選手の健康よりも、儲けを優先して作るということだ。

元ラグビー選手もラグビー場移転と人工芝化などの「改悪」に反対し、署名を集めている↓

https://www.change.org/p/秩父宮ラグビー場をこの地で継承したい-ラグビーの聖地-の移転-改悪を止めよう?signed=true

人工芝はPFASなしでは作れない。また、充填材(ゴムチップ)にはフタル酸エステル類も入っている。

化学物質による環境汚染の見地からも、ラグビー場の移転と人工芝化に反対だ。