ドイツ、1月からレジ袋禁止 バイオプラ製レジ袋も

ドイツでは今年(2022年)1月1日からプラスチック製レジ袋が禁止された。

植物から作られたバイオマスプラスチックも禁止だ。これらは環境にやさしいとは限らないからとのこと。理由は、ほとんどリサイクルされず、プラスチック生産のための植物の栽培は農薬の使用の増加と関連しており、単一栽培で行われるため、とのことだ。また、それらが環境中に入ると、非常に長い間とどまり、原油から作られるプラスチックと同じくらい有害だ、と手厳しい。

さらに、生分解性プラスチックで作られたレジ袋も禁止の対象だ。理由は、ほとんど劣化せず、不適切な廃棄を助長するため。そして、有機性のごみにもならないため、とのことである。

ドイツで推奨される買い物袋(マイバッグ)は、何度も使えるバッグで、再生プラスチックやポリエステル製で作られたもの、あるいは有機農業で作られた亜麻や綿のバッグだそう。

なるほど、さすがドイツ。合理的だ。

https://www.bmu.de/faq/welche-alternativen-zur-plastiktuete-sind-sinnvoll-welche-nicht

なお、禁止されるレジ袋は15から50マイクロメートルまでのもので、15マイクロメートル未満の薄い袋は、肉やソーセージなど腐りやすい食品を入れるため衛生上必要であるとして禁止されない。50マイクロメートルを超えるものは、再利用できるため、やはり禁止されないようだ。

https://www.bmu.de/pressemitteilung/bundesrat-macht-weg-fuer-plastiktuetenverbot-frei

「レジ袋有料化廃止」は桜田議員の選挙対策?

「レジ袋有料化は廃止されるの?」と最近よく聞かれる。その都度「まさか!あり得ません」と答えるが、なぜこんな風評が広まったのかと、気になって少し調べてみた。

発端は、桜田義孝衆議院議員のツイッターらしい。桜田氏が5日、ツイッターを更新し、レジ袋有料化問題について「地域の皆様からの要望で、レジ袋についてのご要望を頂いております。・・・レジ袋有料化のメリットデメリットについて、私の盟友である山口つよし環境大臣に直接ご相談をさせていただきました」と投稿したのだそうだ。

これが、「レジ袋有料化が廃止される」などと誤解されるような話にまで発展したらしい。

桜田議員といえば以前、復興五輪についての不適切発言で辞任した議員だ。今度の衆院選で、千葉8区は野党が候補を一本化し、包囲網を敷いた。

https://www.asahi.com/articles/ASPBF652BPBDUDCB003.html

それで焦って、レジ袋有料化に反対する人達の票を取り込むべく、ツイッターに「環境大臣とお友達だよ」アピールをしたのだろうか?

もしそうであれば、これほど広まるとは思わなかったにせよ、あまりにも幼稚でお騒がせな「選挙対策」だ。国会議員の発言とは思えない。

環境大臣が替わって・・

環境大臣が替わった。新大臣は、山口壯(やまぐちつよし)という人らしい。元外交官とのこと。

環境大臣の交代により、レジ袋有料化をやめて元に戻せ、いう意見もあるようだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/c47222132fa67ed323054d1412600dfc01e09900

しかし、そんなことはあり得ない。レジ袋有料化は、小泉氏が決めたことではなく、3年前の原田元環境大臣の時に決まったはずだ。

開始時期は、せめてオリンピック前に、ということで昨年になったが、有料化は2019年5月に策定されたプラスチック資源循環戦略の中でも明確にされ、「小泉環境相」就任の時には、とっくに既定路線になっていた。

しかもこの有料化、有料化とはいえ、1円以上であればいくらでもよい、などという他の国と比べてもかなり甘いレジ袋規制だ。しかも周回遅れ・・、しかも例外規定だけは豊富・・。これでまた無料に戻すなどということを、いくらなんでも海外情勢を知っている元外交官がやるはずはない。

山口新環境相はこれから何をやってくれるのだろう?

原発は現在日本のエネルギーの6%も占めていないのに、危険は無限大。早く止めてくれるとうれしい。もちろん、石炭火力も早急に止めてほしいし、パーム油発電や外材を利用した大規模バイオマス発電も問題外だ。もちろん、森の除染目的で伐採された放射能付き木材を燃やすこともやめてほしい。

また、拡大生産者責任(EPR)を先進国なみに強化してくれないかなと、それも期待したい。

岸田政権化では難しいだろうか?経済界に忖度しない環境大臣が、日本には必要だ。

低い日本の環境意識、マイボトル持参率も12ヶ国中ビリ

電通と電通総研が2021年7月、12カ国を対象に「サステナブル・ライフスタイル意識調査2021」を共同実施した。

12ヶ国とは、日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、中国、フィリピン、タイ、インド、ベトナム、シンガポール、インドネシア、マレーシアだ。

日本の環境意識が他国より低いことに驚いた。まず、マイボトル持参率がビリ。おそらく給水器などのインフラ整備が貧弱なのに、コンビニや自動販売機ばかりが多いせいだろう。

また、レストランで残った食べ物も持ち帰ることもビリ。食品ロスが多いわけだ。衛生を理由に持ち帰りを断る店もまだあるようなので、外食の時は、マイ容器を持参するのがよさそう。

さらに、衣料品やおもちゃを店頭の回収ボックスに持っていくのもビリだ。これは回収している店舗の少なさが理由だろう。

さらに、不要品や本を中古買い取りしてもらうのもビリ・・。リサイクルショップが多いのに、なぜだろうか?ヤフオクで売る人も多いはずだが・・。思った値段では売れないことが原因か。確かに衣類をリサイクルショップへ持って行っても、本をブックオフへ持って行っても、買い取ってはくれるが、ダンボールを数箱積み上げても、やっと数百円・・。これでは持って行く交通費も出ないが、リサイクルショップにしてみたら、買う人が少なければ、高価買い取りなどできなくて当然だ。

驚いたのが、フィリピンのエコバッグ使用者が、12ヶ国中トップだったこと。

フィリピンは自国から流れ出すプラスチックごみもそこそこ多いが、地理的に他国から流れ着くものも多い。

そのため、お腹に大量のプラごみを詰まらせたクジラが漂着したり、有名な観光地だったボラカイ島が環境汚染のために閉鎖されたりした。ボラカイ島の美しい砂浜は、世界一とまでうたわれていた。そのせいで、海洋プラスチック汚染問題への関心が高いのだろうか。

しかし、フィリピンで関心が持たれている社会課題は、1位貧困・飢餓、2位公衆衛生、3位医療制度・設備。海洋プラスチックごみはランク外だ。

ちなみに、日本での関心事の1位は自然災害、2位が少子化、3位が大気汚染。

海洋プラスチック汚染が関心のトップである国は、ドイツとイギリスだ。

トップではないが、日本が上位にランクしている項目は、エコバッグ使用と詰め替え商品を買うことだ。エコバッグはともかく、シャンプーなどの詰め替えパウチが本当にエコなのか、悩ましいところ。容リ法で回収されたプラ製容器包装がプラスチック再生工場へ行ったとしても、複合素材である詰め替えパウチまでマテリアルリサイクルしている工場は、おそらくないはずだ。

<意識調査の出典>

Marke Zine(2021.9.9)「約10年で「サステナビリティ」へのイメージ具体化/「2030年」から不安を連想する日本【電通調査】」↓

https://markezine.jp/article/detail/37254

陸橋に、マスク、不織布ティッシュなど270以上のごみ

時々通る近所の陸橋に、いつも多くのごみが落ちている。もう何年も気になっていたが、いつも足早に通り過ぎていた。最近マスクがよく落ちているなぁと、一昨日数えたところ陸橋の片側の歩道部分だけで6枚も落ちていた。

ウェットティッシュも目に付くし、たばこの吸い殻も多い。これではまるでスラム街だ。

昨日、ついに一大決心をし、プラスチック部分の多いごみだけ拾って数えてみた。

マスク10枚(うち布マスク3枚)、不織布製ウェットティッシュ・おしぼり16枚、菓子等の個包装3個、ペットボトル2本、ペットボトルのキャップ2個、飲料用パウチ1個、レジ袋1枚、ストロー1本、コンビニおにぎりのラップ1個、コンビニのサラダ容器1個、たばこの吸い殻200本以上(100までは数えたが、あとは面倒になり計200とした。数えていればおそらく200以上あったはず)、たばこの箱2個(うち中身が残っていた箱1個)などなど、合計272個のごみを拾った。

歩道の手すりに中身が半分ほど残ったペットボトル入りの水が1本置いてあり、ごみには見えたが誰か取りに来る可能性もあると思いそのままにした。また、車道の隅に車にひかれぺしゃんこになったペットボトルが2本落ちていて、歩道から手をのばせば取れる距離だったが、今回は歩道のみと決めていたのでそれも拾わなかった。

約30分、陸橋の両側の歩道(スロープを上って下りるまで)を歩いて拾ったごみが約270個。散乱ごみはマナーの問題ではなく、社会システムの仕組みの問題だ。きっと1週間後も同じくらい落ちているのだろうと思う。

日本のこの汚れ具合を見ていると、やはり日本のプラスチック政策は遅れていると思う。政策がプラスチック需要の増加に追いついていない。

数年前、海ごみサミットに招かれた環境省の人が「日本はまだまだきれいだ」といって、参加者を驚かせたが、きれいなのは掃除の行き届いた永田町周辺や観光地のような一部地域だけなのではないだろうか。

海洋生分解性プラによる環境破壊

「海洋生分解性プラを採用すればエコだ」と勘違いしている人が多いのではないか。

カネカの海洋生分解性プラPHBHは、日本で一番評判がよいかもしれない。しかし、その原料はパーム油だ。

https://rief-jp.org/ct4/93045

食品からパーム油を排除するのは難しいが、パーム油はインドネシアやマレーシアの森林破壊を引き起こし、森林火災の原因にもなっている。先住民族や現地住民への人権侵害も問題だ。CO2の膨大な排出の一因でもある。

たとえ認証されたものでも使わないに越したことはない。

そうであれば、ストローやスプーン、レジ袋などのような使い捨てのものに採用するなどは、あってはならないのではないか。このようなものは、特に必要がないケースが多い。ほしい人はお金を払って買えばよい。

セブン・イレブンが以前、カネカのPHBHをストローに採用した。

https://www.kaneka.co.jp/topics/information/in20191031/

こんなものを採用するのはセブンだけだろうと思っていたところ、最近ファミリーマートまでがスプーンに採用したそうだ。

https://www.kaneka.co.jp/topics/news/2021/nr2106221.html

レジ袋に採用したところもある。

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/10634/

これらのような不必要なものに、パーム油を使わないでほしい。

海洋生分解性プラスチックはもっと有用なものに使うべきではないか。

海洋生分解性プラというと、海に落ちればすぐに分解してなくなくように聞こえるが、そんなことはありえない。認証の基準である海水温が30度もある海など日本近海には真夏の一時を除けばほぼ存在しないし、仮に熱帯地域の暖かい海に落ちたとしても、海底に沈んでしまえば、海水温は低く酸素量も少ないから分解しない。

分解が止まった海洋生分解性プラは、普通のプラスチックと同様、生物にとって害悪だ。

今後コンビニなどが、プラスチック製のフォークやスプーン、ストローをどのように減らすつもりかは知らないが、有料制を導入し、大幅に減らしてほしいと思う。

米コロラド州、レジ袋や発泡スチロール容器禁止の法案可決

アメリカのコロラド州で、プラスチック袋とテイクアウト用のポリスチレン容器を禁止する法案を可決した。

法律では2023年から、大半の食料品店や小売店、レストランの顧客に対して、紙袋またはプラ袋ごとに10セントを課金する。

使い捨てのプラ袋とポリスチレン容器の禁止は2024年からだ。

課金により得られたお金の60%は、リサイクルと堆肥化プログラムのために地元のコミュニティに送られる。残りのお金は企業自身に行くとのこと。

ただし、薬局やドライクリーニング店は対象から免除されている。また、冷凍食品、肉、シーフードを包むためのプラ袋も使用を許可され、汚染の可能性のあるバルク商品(ばら売り)も使用が許可されている。

出典:waste today(2021.6.14)

https://www.wastetodaymagazine.com/article/colorado-plastic-ban-ban-legislation/

ヨドバシカメラのレジ袋、なぜ有料化しないの?

先日、ヨドバシカメラへ買い物にいくと、「環境にやさしいレジ袋を使っている」と店内放送が流れていた。

環境にやさしいレジ袋など、なんとなく概念矛盾ぽい。

プラスチック製レジ袋は確かに便利だ。丈夫で長持ち、安価で、素晴らしい。しかし、環境にやさしくはない。

レジ袋のせいで、たくさんの動物が死んでいることは有名だ。マイクロプラスチック化しやすこことも確実で、ボロボロになった場面もよく目にする。

先日行った海岸でもレジ袋らしきプラスチックが埋まりかけているのを見た。引っ張ればすぐにちぎれてボロボロだ。

ヨドバシカメラのレジ袋は、石灰石とプラスチックを混ぜ合わせて作ったLIMEX製だから、もっとボロボロになりやすいと思われる。環境中にでればプラスチック部分はすぐにマイクロプラスチックになるだろう。

なぜ無料で配布し続けるのか、レジ袋を少しでも減らそうという気はないのだろうか、ヨドバシカメラにはCSRを考える部署はないのか、と思い、「ヨドバシカメラ、CSR」でググってみた。

「低位」という欄がオレンジ色に光っていた。やっぱりなぁ・・・。

https://www.sustaina.org/ja/corp/yodobashi/

ヨドバシカメラさん、レジ袋の無料配布をやめませんか?

ダスグプタレビューとヨドバシカメラのレジ袋

ダスグプタレビューがイギリスで好評のようだ。

環境経済学者のパーサ・ダスグプタが英国政府の依頼でまとめたレポートで「生物多様性の経済学(生態系の経済学)」というタイトル。英国政府の財務省が発行元だ。

「推定によると、1992年から2014年の間に、一人当たりの生産資本は2倍になり、一人当たりの人的資本は世界全体で約13%増加した。しかし、一人当たりの自然資本のストックは40%近く減少」

「1992年から2014年の間に自然資本のストックが4割近くも減少」

などの言葉が並ぶ。

昨日、ヨドバシカメラへ行ったところ、「石灰石を使った環境にやさしいレジ袋を使っているから無料で配布している」という店内放送が流れていた。

石灰石のような自然資本(山)を削らなければ採れない資源を使って作ったものを垂れ流す(無料配布し続ける)ことの何がエコか、と困惑したら、買う気がすっかり失せてしまった。

レビューによると、人類がここ数十年で非常に繁栄したのは、自然に壊滅的な犠牲を払わせたことを示しているとのこと。

石灰石のように山を削って得られる資源で、何十年も使い続けるセメントを作るならばともかく、レジ袋のような使い捨ての消耗品を作るのは、あまりにももったいない。

しかもこのレジ袋、石灰石とプラスチックを混ぜ合わせて作られているから、もし環境中に出れば、プラスチック部分はすぐにマイクロプラスチックになるだろう。

ジョンソン英首相はこのレビューを歓迎しているそうだが、日本も早急にこのような勘違いをする店がなくなるように手を打つべきだ。

ダスグプタレビュー↓

https://www.gov.uk/government/publications/final-report-the-economics-of-biodiversity-the-dasgupta-review

カリフォルニア大学、使い捨てプラを段階的に廃止

米カリフォルニア大学が、不要な使い捨てプラスチックを2030年までにすべて廃止することを目指すと発表した。

使い捨てプラとは、ストロー、マドラー、ソーダや水のボトル、レジ袋、食品包装、フードサービスの皿やカップなど。

レジ袋は既に1月1日までに撤去した。ストローなどは、今年7月1日までに堆肥化可能なものやリユースできるものに置き換える。

キャンパスフードサービス事業は、2023年1月1日までにペットボトルの購入、販売、流通を段階的に廃止する。そのため、キャンパス内に給水ステーションの設置がすすめられる。

また、カリフォルニア州政府もまた、州全体で使い捨てプラを減らしている。

衆議院は昨年11月、使い捨てプラとポリスチレンを禁止する法案を可決した。

House Bill 1162は、レストランやその他の食品小売業者が2022年1月1日までに持ち帰り用食品の包装にポリスチレンを使用することを禁止している。

また、HouseBill1163は2022年7月1日までにストローやレジ袋の使用を禁止する。

<出所>

The Guardian(2021.1.10)University of California Begins to Phase Out Single-Use Plastics

https://ucsdguardian.org/2021/01/10/university-of-california-begins-to-phase-out-single-use-plastics/