シンガポール、今年7月からレジ袋有料化

シンガポールでは多くのスーパーが、2023年7月3日までにレジ袋を有料化するとのこと。使い捨て製品の使用を減らす取り組みの一環だ。

金額は少なくとも1枚5セントで、既に1枚20セントのレジ袋代を科しているスーパーもあるそうだ。

アラブ首長国連邦でも使い捨てプラ禁止に

産油国でも使い捨てプラスチックを禁止する。

アラブ首長国連邦は、2026年までに使い捨てプラスチック製品の国内での使用や流通を段階的に禁止するとのこと。

まず2024年1月1日から使い捨てレジ袋の使用が禁止される。製造も輸入も流通も原則禁止だ。

2026年1月1日からは、「カップ、ふた、ナイフ、フォーク、スプーン、皿、発泡スチロール製を含む食品容器など、使い捨てのプラスチック製品の使用が全面的に禁止」するとのこと。

<出所>

JETROビジネス短信(2024.2.10)

https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/02/f108123bd20d2dac.html

無印良品、ようやく紙袋を有料に

無印良品(運営は良品計画)の紙袋がようやく9月から有料になる。1枚10円(税込)だ。

サイズによっては、原価はもっと高いのでは?と気になるが、とりあえず有料化されて良かった。

2020年3月にレジ袋を廃止し、代わりに紙製の袋を無料配布。袋を断ったアプリ会員に対しては、ポイントを付けていたそうだ。21年度のマイバッグ持参率は77%だったという。

マイバッグ持参が当たり前だった頃の感覚に早く戻るためにも、紙製袋も有料がいい。

いまだにレジ袋有料化の抜け穴を利用したレジ袋を無料配布する店まであり腹立たしい。

「材質を変えました」などと、まるでエコなレジ袋だといわんばかりに宣伝する店までまだあるが、所詮使い捨て。エコなレジ袋などあり得ない。

<参考>

日本経済新聞(2022.8.9)

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC096LQ0Z00C22A8000000/

インド、7月から使い捨てプラ規制を強める

インドが7月1日から使い捨てプラスチックの規制を強化した。

前から予告はされていたけれど、ようやく実現した。

「インド環境・森林・気候変動省(MoEFCC)は、7月1日からポリスチレンおよび発泡スチロールを含む特定の使い捨てプラスチック(Single Use Plastic:SUP)製の袋、カップ、ストロー、皿、ペットボトル、特定の個別包装などの違法な製造、輸入、在庫、流通、販売、使用の禁止規則に対して、国および州レベルの管理室を設置し厳格化する」(JETRO, 2022.7.12)

とのこと。

https://www.jetro.go.jp/biznews/2022/07/939dbf28ffa25da5.html

朝日新聞によると、違反者には罰金が科される可能性があるそうだ。

「インドで1日、スプーンやフォークなどの使い捨てプラスチック製品の製造や輸入、販売、使用を禁止する規則が施行された。地元メディアによると、違反者は最大で5年間、刑務所に収容されたり、10万ルピー(約17万円)の罰金が科されたりされる可能性があるという」(朝日デジタル, 2022.7.1)

https://www.asahi.com/articles/ASQ7166MVQ71UHBI01X.html

また、「一部の報道によると、違反者には最大5年間、刑務所に収容されるか、10万ルピー(約17万円)の罰金が科される可能性がある」という報道もある(ELEMINIST, 2022.7.8)

https://eleminist.com/article/2164

デリー州で10日間猶予したという報道もあるが、概ね開始されたようだ。

具体的な禁止品目は

「プラスチック棒付き耳かき、風船用プラスチック棒、プラスチック旗、キャンディー棒、アイスクリーム棒、装飾用ポリスチレン、プラスチック皿、カップ、グラス、フォーク、スプーン、ナイフ、ストロー、トレイ、菓子箱の周りの包装または梱包フィルム、招待券、タバコの包み、100ミクロン未満のプラスチックまたはPVCバナー、撹拌機などです。さらに、一定の厚み以下のビニール袋も年末に禁止される」(ESG Journal, 2022.7.11)

とのこと。

ペットボトルについては、ラベルが禁止になったということのようだが、詳しい規制は不明だ。

ホリエモンの妄言、日本の実業家はなぜ現実を見ないのか

ホリエモンこと堀江貴文氏が、テレビ番組「サンデー・ジャポン」(TBS系)でトンデモ発言をしたそうだ。

4月から施行されるプラスチック新法で、使い捨てプラを減らすことに立腹している。

「そもそもプラスチックを削減して何の意味があるんだと。生活ごみで出るようなものが海に流れ出ているというが、燃やしちゃえばいい。今の焼却炉は、環境的にも害があまり出ないようになっている。プラスチックはいい燃料になる」と言い放ったそうだ。

レジ袋についても

「日本は先進国。レジ袋とか有料化して、どうするの。(レジで)毎回、ポイントカードありますか、レジ袋ありますかと、もういいよと。手提げ袋を持っていないし入るわけないじゃん。いるに決まっているじゃん」とのこと。

https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/tokyosports/entertainment/tokyosports-4073807

これが日本の実業家の本音か、と思うと情けない。

なぜ、現実を見ようとしないのだろうか?世界中で起きている気候危機から目を背けたいのはわかるが、堀江氏の場合は目を背けているのではなく、単なる無知かそれとも「厚顔無恥」か?と疑いたくなる。

使い捨てプラスチック削減は、燃やされずポイ捨てされるプラスチックを減らすことだけが目的ではない。世界から周回遅れでようやく始まったレジ袋有料化について、まだ文句をいう人がいるのだなぁとそのことにまず驚いたが、そのあとに続く「全体のエコシステム・・」発言にも驚いた。

どうやら自分の言葉の意味を理解できていないようだ。

使い捨てのものを使い続け、燃やし続ければ、1.5℃上昇など軽く超え、2℃上昇でも治まらない。「燃やしちゃえばいい」などという話ではない。

使用済みプラスチック製品を燃料にして燃やすことが、地球のエコシステムに貢献すると、本気で考えているのだろうか?

もしかすると、温暖化しても、カネのある自分には関係のないことだ、万一の時にはどこへでも逃げればいいし、自分は何でも買えるから困らない、とでも思っているのかもしれない。「今だけ、カネだけ、自分だけ」よければ良いのだと。

こんな暴言を吐く人をわざわざ番組に呼ぶTBSもどうかしている。マスコミの仕事は、視聴率を稼ぐことだけではないはず。

もし、これが日本の多くの実業家の本音だとしたら(一般化はできないけれど)、海外投資家は日本から一斉に逃げ出すだろう。

使い捨てプラは環境汚染の「時限爆弾」、マイクロプラは免疫系の病気に影響

使い捨てマスクやウェットティッシュがポイ捨てされている。先日、藤沢市の環境団体が行った「数えるごみ拾い」に参加したところ、筆者も町中でマスクを5枚ほど拾った。

BUSINESS INSIDER(2022.3.7)によると、

「世界中で毎月1290億枚のマスクが使用されている。これはざっと毎分300万枚の計算」で、「2021年の経済協力開発機構(OECD)の報告によれば、コロナ禍が始まってから世界における使い捨てプラスチックの消費量は4倍に急増した」とのこと。すごい量だ。

https://www.businessinsider.jp/post-250818

ウミガメもマスクを飲み込んでいるということが以前報道されていたが、ウミガメ以外の生物もさぞ迷惑しているだろう。

同記事によると「プラスチック業界は、コロナ禍をチャンスと捉えました。政策立案者や一般の人たちに対して、再利用可能なマスクは汚くて危険だから、安全のためには使い捨てプラスチックを使う必要があると必死に働きかけた」とのこと。

一昨年、レジ袋有料化や廃止を妨害するため、日本でも欧米でも、まるでマイバッグにコロナウイルスが付着しているかのように喧伝されたことを思い出す。

プラスチック業界にとって、使い捨てプラスチックをなくすことなど、あってはならないようだ。使い捨てマスクを使うか、リユースできる布製マスクを使うかは時と場合によると思うが、プラ業界の宣伝に踊らされないように気をつけたい。

マイクロプラスチックが人体にも悪影響を与えることは既にわかってきている。免疫系の疾患にも影響を与えているようだ。

今年、国際学術誌に発表された中国の研究によると、食品や大気に含まれるマイクロプラスチックは、炎症性腸疾患(IBD)にも影響を与えている。

https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.est.1c03924

炎症性腸疾患とは、「ヒトの免疫機構が異常をきたし、自分の免疫細胞が腸の細胞を攻撃してしまうことで腸に炎症を起こす病気」とのこと。比較的若い人が発症するそうだ↓

https://www.mitsuihosp.or.jp/division/department/digestive-i/ibd/

使い捨てプラスチックは、環境汚染にとっても人類の未来にとっても「時限爆弾」だ。

ドバイで7月1日からレジ袋有料化

ドバイで7月からレジ袋を有料化するとのこと。日本が2020年の7月からだったので、ちょうど2年遅れだが、1枚25フィルスとのことなので、日本よりしっかりとした有料化だ。日本円で7〜8円程度だろうか。

日本の1円以上ならばいくらでもOK、バイオマス由来の原料を25%以上使っていればタダで配ってもOK、などというゆるい規制は早く見直すべきだろう。

ドバイ政府は市民に対し、ごみの分別も促しているそうだ。

ドバイといえば昔、南回りで欧州へ行く際の飛行機の給油地の1つ。給油の間、乗客は空港内で1時間ほど待機する。そんなこんなで、確か南回りの場合、日本からイギリスまでちょうど24時間かかった記憶がある。

<出典>

「ドバイ、7月1日から使い捨てプラスチック袋を有料化」(2022.2.8)↓

ドイツ、1月からレジ袋禁止 バイオプラ製レジ袋も

ドイツでは今年(2022年)1月1日からプラスチック製レジ袋が禁止された。

植物から作られたバイオマスプラスチックも禁止だ。これらは環境にやさしいとは限らないからとのこと。理由は、ほとんどリサイクルされず、プラスチック生産のための植物の栽培は農薬の使用の増加と関連しており、単一栽培で行われるため、とのことだ。また、それらが環境中に入ると、非常に長い間とどまり、原油から作られるプラスチックと同じくらい有害だ、と手厳しい。

さらに、生分解性プラスチックで作られたレジ袋も禁止の対象だ。理由は、ほとんど劣化せず、不適切な廃棄を助長するため。そして、有機性のごみにもならないため、とのことである。

ドイツで推奨される買い物袋(マイバッグ)は、何度も使えるバッグで、再生プラスチックやポリエステル製で作られたもの、あるいは有機農業で作られた亜麻や綿のバッグだそう。

なるほど、さすがドイツ。合理的だ。

https://www.bmu.de/faq/welche-alternativen-zur-plastiktuete-sind-sinnvoll-welche-nicht

なお、禁止されるレジ袋は15から50マイクロメートルまでのもので、15マイクロメートル未満の薄い袋は、肉やソーセージなど腐りやすい食品を入れるため衛生上必要であるとして禁止されない。50マイクロメートルを超えるものは、再利用できるため、やはり禁止されないようだ。

https://www.bmu.de/pressemitteilung/bundesrat-macht-weg-fuer-plastiktuetenverbot-frei

「レジ袋有料化廃止」は桜田議員の選挙対策?

「レジ袋有料化は廃止されるの?」と最近よく聞かれる。その都度「まさか!あり得ません」と答えるが、なぜこんな風評が広まったのかと、気になって少し調べてみた。

発端は、桜田義孝衆議院議員のツイッターらしい。桜田氏が5日、ツイッターを更新し、レジ袋有料化問題について「地域の皆様からの要望で、レジ袋についてのご要望を頂いております。・・・レジ袋有料化のメリットデメリットについて、私の盟友である山口つよし環境大臣に直接ご相談をさせていただきました」と投稿したのだそうだ。

これが、「レジ袋有料化が廃止される」などと誤解されるような話にまで発展したらしい。

桜田議員といえば以前、復興五輪についての不適切発言で辞任した議員だ。今度の衆院選で、千葉8区は野党が候補を一本化し、包囲網を敷いた。

https://www.asahi.com/articles/ASPBF652BPBDUDCB003.html

それで焦って、レジ袋有料化に反対する人達の票を取り込むべく、ツイッターに「環境大臣とお友達だよ」アピールをしたのだろうか?

もしそうであれば、これほど広まるとは思わなかったにせよ、あまりにも幼稚でお騒がせな「選挙対策」だ。国会議員の発言とは思えない。

環境大臣が替わって・・

環境大臣が替わった。新大臣は、山口壯(やまぐちつよし)という人らしい。元外交官とのこと。

環境大臣の交代により、レジ袋有料化をやめて元に戻せ、いう意見もあるようだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/c47222132fa67ed323054d1412600dfc01e09900

しかし、そんなことはあり得ない。レジ袋有料化は、小泉氏が決めたことではなく、3年前の原田元環境大臣の時に決まったはずだ。

開始時期は、せめてオリンピック前に、ということで昨年になったが、有料化は2019年5月に策定されたプラスチック資源循環戦略の中でも明確にされ、「小泉環境相」就任の時には、とっくに既定路線になっていた。

しかもこの有料化、有料化とはいえ、1円以上であればいくらでもよい、などという他の国と比べてもかなり甘いレジ袋規制だ。しかも周回遅れ・・、しかも例外規定だけは豊富・・。これでまた無料に戻すなどということを、いくらなんでも海外情勢を知っている元外交官がやるはずはない。

山口新環境相はこれから何をやってくれるのだろう?

原発は現在日本のエネルギーの6%も占めていないのに、危険は無限大。早く止めてくれるとうれしい。もちろん、石炭火力も早急に止めてほしいし、パーム油発電や外材を利用した大規模バイオマス発電も問題外だ。もちろん、森の除染目的で伐採された放射能付き木材を燃やすこともやめてほしい。

また、拡大生産者責任(EPR)を先進国なみに強化してくれないかなと、それも期待したい。

岸田政権化では難しいだろうか?経済界に忖度しない環境大臣が、日本には必要だ。