トムラ、最小の飲料容器自動回収機を開発

飲料容器の自動回収機の世界トップメーカー・トムラ(ノルウェー)が、びん・缶・ペットボトルを選別・保管できるこれまでで最小の自動回収機を開発した。

日本のペットボトル自動回収機も多くはトムラ製。ローカルデポジットが流行ったときは、国内でも缶などの自動回収機が開発されたり、オランダ製の回収機もあったりしたが、ローカルデポジットが廃れてからはトムラ製以外あまり見かけなくなった。

最近はコンビニ用に、トムラと一緒に日本で作った小さいペットボトル自動回収機もあるが、コンビニ用はあくまでもペットボトルしか回収しない。

しかし、多くのデポジット制度導入国では、回収品はビン・缶・ペットボトル。それに加えて、紙パックまでデポジット制度の対象にしている国もある。ペットボトルしか回収しない自動回収機など役に立たない。

今回、トムラが開発した自動回収機は、小さいスーパーにも置けるように必要な床面積は0.62平方メートルとのこと(幅98cm、奥行き63cm、高さ165cm)。最大270本のペットボトル、缶550個、ビンは砕かずに80本回収できるそうだ。

まもなくスコットランドでデポジット制度が開始されるはずなので、この自動回収機は狭い英国のスーパーを視野に開発されたものかもしれない。

<自動回収機の出典>

https://www.kioskmarketplace.com/news/tomra-introduces-smallest-reverse-vending-machine-for-container-recycling-2/?eType=EmailBlastContent&eId=7ffe8680-345b-4781-9c77-3fb76c54618e

富山市の川ごみ、やはりペットボトルが多い

富山市は、市内の川や用水路にフェンスを設置し、海へのごみ流出を防いでいる。日本財団と一緒に3年前から毎年行っているそうだ。

去年は3カ所の川に半年間設置し、180キログラムのごみを回収したとのこと。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/toyama/20220810/3060011109.html

今年も行うという。

これまでの結果を富山市のウェブサイトで探したところ、これだけ見つかった↓

https://www.city.toyama.toyama.jp/data/open/cnt/3/3487/1/reiwa2abakekka.pdf?20210609103756

5日間の結果だけだが、ペットボトルごみの比率の高いことがわかる。

がめ川では回収ごみ373kgのうち5%がペットボトル(草木80%、ペットボトル以外のプラごみ5%、缶・びん3%)、広田用水では147kgのうちペットボトルは1%(草木92%、ペットボトル以外のプラごみ4%、缶・びん0%)、千俵用水では49kgのうちペットボトルは3%(草木91%、ペットボトル以外のプラごみ2%、缶・びん1%)とのこと。

やはり、ペットボトルごみの多いことがわかる。

缶・びんが少ないのは、発生量の差だけでなく、重いためフェンスに引っかかりにくいせいだろう。

ペットボトルも缶もびんも、全国回収率は90%以上だと業界団体は報告しているが、これほど流れているものがそんなに回収されているとは思えない。

正確な回収率を知るためにも、やはりデポジット制度が必要だ。

米国「プラスチック汚染からの脱却法」

アメリカでプラスチック汚染からの脱却法の法案が現在、上院財務委員会に付託されているという。

どうなるか楽しみだ。もし、この法案が通過したら、アメリカは変わる。

もともとはジェフ・マークリー上院議員とアラン・ローウェンタール議員によってトランプ時代に提出された。しかし、通るはずもなく、2021年3月に再提出された。その後どうなったのかわからず、気になっていた。

この法案の画期的なところは、自治体レベルではなく、国全体での廃棄物規制が実現されること。しかも、画期的な規制だ。

主な骨子は次の通り。

1.プラスチック製容器包装の拡大生産者責任プログラム(EPR)

2.飲料容器のデポジット制度を全国10セント(容器1個当たりの保証金額)で導入(アメリカでは確か既に10州で実施されているが、まだ5セントの州もある。5セントでは効果が薄くなっている)

3.再生材利用の義務化。2040年までに再生プラスチックを最低80%含有させること

4.プラスチック製造施設の許可の発行に3年間のモラトリアムを導入することで、プラスチック生産を大幅に削減する

この法案は、化学工業会などから猛反対されているようだが、もしこれが通ればアメリカにも欧州並みの規制ができることになる。

<参考>

https://www.wasteinfo.com/news/wbj20220603A.htm?eType=EmailBlastContent&eId=429de508-61ac-4e8b-88de-f89b0db8c971

スタバ、アイスドリンクの使い捨てカップとフタ、スプーンを廃止。渋谷エリアでは持ち帰り用もリユース可能に

海外では2025年までに使い捨てカップを全廃するなど、環境への意欲的な取組目標を示すスターバックスだが、日本ではこれまであまり環境への意欲を示さなかった。

しかし、日本のスターバックスもようやく今日、全アイスドリンクの使い捨てカップとフタを廃止すると発表した。店内での利用者には繰り返し使える樹脂製のグラスで提供するとのこと。

4月18日から国内106店舗で試験導入する。

また、持ち帰り用の取組としては、昨年秋から丸の内エリア10店舗で実施しているリユースカップの取組を、4月4日から渋谷エリアの9店舗でも実施する。

さらに、これまでのポリスチレン製の使い捨てカトラリー(ナイフ、フォーク、ヨーグルト用スプーン)をステンレス製に切り替える。3月中旬頃から在庫状況に応じて、順次切り替えるそうだ。

これらは2030年までに廃棄物を50%削減するという目標に向けたものであるとのこと。

詳細は以下↓

https://www.starbucks.co.jp/press_release/pr2022-4613.php

スタバは最近、「え!こんなところにまで?」と驚くほど、各地の文化遺産や名所旧跡に出店している。

周囲の景観に配慮した店構えにしているとはいえ、なぜ?の思いも拭えない。文化財や名所をごみで台無しにする前に、店内使用はもちろんのこと、持ち帰り用でも使い捨てを廃止し、リユースを徹底してほしい。

それがこういう所に出店する店の責務だと思う。

持ち帰り用のカトラリーは、カネカの生分解性プラを利用するようだが、そんなことでお茶を濁さず、ごみが出ないようにもっと工夫すべきだ。

オランダのデポジット制度、効果てきめん。PETより缶が9倍以上散乱

オランダでは大型のプラスチック容器のみを対象に、2005年からデポジット制度が施行されていた(2004年制定)。そのため、小型ペットボトルの散乱が増え続けた。

昨年(2021年)7月1日から、1リットル未満のペットボトル(水、ソフトドリンク)もデポジット制度の対象に加えられた。その成果が如実に表れているようだ。

8年ほど前からごみを拾い続けている人によると、「缶の比率は数年前からペットボトルよりも高く、2.7倍にもなっている。2021年の第4四半期には、缶はペットボトルの9.4倍」だったとのこと。

ペットボトルと缶のいずれもデポジット制度で回収していない日本では、ペットボトル散乱量は缶よりもはるかに多い(川底に沈んでいる缶も多そうだ)。しかし、オランダではペットボトルのみが対象となったため、ペットボトルの散乱量は減ったが、缶は相変わらずだ。

オランダでは今年12月31日から、デポジット制度の対象を缶にも拡大する。缶の散乱量も減るだろうから、結果が楽しみだ。

<散乱数についての出典>

https://www.packaginginsights.com/news/dutch-trash-mapper-identifies-30-drop-in-beverage-pack-litter-after-government-drs.html?eType=EmailBlastContent&eId=cb6dc626-42fe-4c27-87a4-6415b2caaff0

スコットランドのデポジット制度、今年11月から段階的に開始

遅れいているスコットランドの飲料容器(ボトルと缶)のデポジット制度が、いよいよ今年11月から段階的に開始される。最終的には2023年8月までに完全に機能させるそうだ。

オークニー諸島出身のスコットランド議会のリアム・マッカーサー議員によると、オークニー諸島の一部で今年後半に制度をスタートさせるとのこと。

デポジット(保証金)は20ペンスになる予定だ。

ニューヨーク州のデポジット制度、拡大か

今年1月、ケビン・ケイヒル下院議員はNY州の飲料容器のデポジット制度を拡大する法案を提出した。

州議会で可決されれば、同州の飲料容器のデポジット金額は5セントから10セントに上がる。また、法案にはデポジット制度の対象となる容器の種類を増やすことも提案されている。

この法案は、環境団体から支持されているそうだ。

<出典>

ラトビア、2月1日からデポジット制度開始。ペットボトル返却は「キャップ付きのまま」を推奨

スロバキアに続き、ラトビアでも2月1日から飲料制度のデポジット制度が開始される。対象は、ガラス、プラスチック(PET)、金属(缶)の容器。

ペットボトルは返却の際、キャップ付きでもキャップなしでも返金を受けられるが、推奨されているのはキャップ付きだそうだ。

理由は、その方がキャップもリサイクルされるので、よりクリーンな環境を保つことができるためとのこと。また、キャップを付けたままの方が、ペットボトルが最初の形状を維持したまま回収されるためだそうだ。

日本のようにキャップが散乱ごみになりやすいのを承知の上で、その方がボトルをリサイクルしやすいからと、キャップをはずせ、ラベルを剥がせ、などと消費者に馬鹿げた要求をしないところがよい。

日本の環境政策は本当に遅れている。環境よりもメーカーを守ることを優先しているためではないか。

<出典>

ドイツのデポジット制度、対象を拡大

ドイツは、2022年1月1日から飲料容器デポジット制度の対象を拡大した。

2003年に開始されたドイツのデポジット制度は、これまで対象がかなり限定されていた。例えばビール容器は対象だが、ワインの容器は対象外。炭酸フルーツジュースは対象だが、非炭酸のフルーツジュースは対象外だった。

これからは、3リットルまでのサイズのほぼすべてのワンウェイ飲料容器(ボトル、缶)が対象となる。ミルクは除外されるが、それ以外は中身に関係なくすべて25セントのデポジット(保証金)が上乗せされて販売される(ミルクは2024年からデポジット制度の対象)。デポジットは、容器返却後に返金される。

既に販売済みのボトルや缶は除外されるが、猶予期間は7月までだ。

ただし、紙パックは環境にやさしいと見なされているため、デポジット制度の対象から除外される。

<出典>

BR24(2022.1.1)↓

https://www.br.de/nachrichten/bayern/neue-pfand-regel-ab-1-januar-2022,SrZ1TtI

スロバキアで飲料容器のデポジット制度開始

今年(2022年)いよいよスロバキアでは、飲料容器(アルミ缶、ペットボトル)を対象にデポジット制度が開始されたようだ。デポジット(保証金)が上乗せされるボトルや缶には特別な「Z」文字が付けられる。まだZの文字がついていない容器を持参してもデポジットが上乗せされていないため、リファンド(返金)は受けられない。

デポジット制度開始前のスロバキアでの回収率は約60%だが、制度導入後には、同制度を採用している他の国々と同様に90%になる計画だ。

ヨーロッパでデポジット制度を既に導入している国は、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、エストニア、ドイツ、オランダ、リトアニア、クロアチア、ノルウェー、アイスランド。今後も導入国は増えそうだ。

<出典>

<追記>

スロバキアでは、月曜(1月3日)から容器をスーパーに戻せるようになったとのこと。スロバキアは中央ヨーロッパでデポジット制度を導入した最初の国となった。EUでは8番目だそうだ。

<出典>

Slovakia first country in region to adopt deposit scheme for plastic bottles