ハワイ、発泡スチロール製容器の禁止/使用状況

アメリカでは、発泡スチロール製容器を禁止する自治体が増えている。

例えば、ハワイ島では今年7月1日からテイクアウト用の発泡スチロール容器がすべて(皿、コップ、ボウルなど)禁止された。

マウイ島では2018年末から禁止されている。ホノルルのあるオアフ島でも禁止が検討されているようだが、まだ禁止されたとは聞かない。

そのため、使用がまだ続いているのだろうと思っていたが、最近ホノルルへ行った人の話では、ガーリックシュリンプ丼のどんぶりが発泡スチロール製から紙製に変わっていたとのこと。

タレの容器は相変わらずプラスチック製だったそうだが、全体的にみて、確実に変わってきたようだ。

例えば、ジュースの容器はBPI(生分解性プラスチック)マーク入りが増え、ストローは紙製や金属製だったという。

アメリカでは、連邦政府は脱プラに消極的だが、州・自治体レベルは頑張っているようだ。

<参考>

日刊サン(2018.3.18)「発泡スチロール容器禁止法案に進展」

https://www.nikkansan.net/news/発泡スチロール容器禁止法案に進展/

日刊ローカルニュース(2019.7.2)「ハワイ島で発泡スチロール容器禁止案がスタート」

https://www.aloha-street.com/local_news/2019/07/02/326105/

 

熊本市、有料レジ袋の代わりに市指定ごみ袋を販売

以前から有料化協定により、レジ袋を有料化している熊本市で、新たな試みが始まった。

1枚3円の有料レジ袋の代わりに、市指定ごみ袋を1枚12円でバラ売りする、というものだ(10枚120円のごみ袋)。

韓国でも以前からやられている方式で、たまたまマイバッグを忘れた人や、急に思い立って店に立ち寄った人に好評な方法だ。

市は3カ月ほど実施し、対象店舗の拡大や指定ゴミ袋の大きさなどを検討する方針とのこと。

<参考>

TKU(2019.9.20)「プラスチックごみ削減へ 指定ごみ袋をレジ袋代わりに販売 実証実験」

https://www.tku.co.jp/news/プラスチックごみ削減へ%E3%80%80指定ごみ袋をレジ袋代/

 

レジ袋、有識者会議の傍聴受付中 全店舗対象だが小規模店には猶予も

来春からのレジ袋有料化を検討する有識者会議が開催される。

第1回目は9月26日9時半からとのことで、現在傍聴を受け付けている。申込みは下記から24日14時までに↓

https://wwws.meti.go.jp/interface/honsho/committee/index.cgi/committee/28525

「産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会レジ袋有料化検討ワーキンググループ」で、今から「関係者ヒアリング」をするらしい。

それにしても、今さら関係者ヒアリングとは??

もし、有力な「関係者」が「うちは有料化ではなく、単なる価値付けで。レジ袋辞退者にポイントを付与する」などと主張したらどうするのだろうか。

気になるところだが、おそらく既にヒアリングは済んでいて、みんなの前で最後の仕上げをするだけなのだろう。

とにかく、正直に有料化する店が不公平にならないように、最低金額や対象店、有料化するレジ袋の範囲なども含めて、きちんと決めてほしい。

<追記>

NHKによると、レジ袋は全店舗対象だが、小規模店には猶予期間があるとのこと。価格は小売店がそれぞれ勝手に決めてよいそうだ(これでは法制化した意味がないのでは?)。

また、生鮮食品などの薄い小袋は対象外とのことで、残念だ。

NHK(2019.9.21)「レジ袋 原則全店で有料化 生鮮食品などの薄い小袋は除外へ」

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190921/k10012092721000.html

<参考>

経済産業省ウェブサイト↓

https://wwws.meti.go.jp/interface/honsho/committee/index.cgi/committee/28525

毎日新聞(2019.9.19)「レジ袋有料化で有識者会議設置へ 年内結論、来年度義務づけ目指す」

https://mainichi.jp/articles/20190918/k00/00m/040/192000c?fm=mnm

 

 

 

中国のレジ袋、有料化から11年、400万トン超え?!

中国は、昨年でレジ袋規制から10年を経過し、合計で140万トン減ったということだった。

http://japanese.china.org.cn/life/2018-06/11/content_51982105_0.htm

しかし、最近のニュースでは、レジ袋は400万トン超えとのこと。

中国のレジ袋規制は、0.025ミリメートル以下の薄いレジ袋の禁止と、禁止されないレジ袋の有料化(1枚約3.4円)だ。

やはり有料化は効果が限定的で、日本でも5円程度では一時は減っても、すぐに回復しそうだ。

実際、昨年から有料化している近所のスーパーでも、5円出してレジ袋を購入している人をよく見かける。

日本では来春から有料義務化を決めているが、「レジ袋禁止」も視野に、削減率目標値を決めておかないと、有料化の削減効果はすぐになくなりそうだ。

<参考>

亜州IR・中国株情報(2019.9.12)「中国:「使い捨てプラ規制」効果限定、ビニール袋消費400万トン超え」

http://ashuir.com/中国:「使い捨てプラ規制」効果限定、ビニール/

AFP(2018.1.27)中国、ビニール袋などの規制10年 効果は?

https://www.afpbb.com/articles/-/3159908

Japanese.china.org.cn(2018.6.11)「「レジ袋制限令」のさらなる推進、全社会の行動が必要に」

http://japanese.china.org.cn/life/2018-06/11/content_51982105_0.htm

インド国営航空、機内での使い捨てプラを禁止 印amazonも脱プラ

2022年までに使い捨てプラスチックを廃止すると表明するインドは、脱プラ政策を加速させている。

インドの国営航空エア・インディアが、機内での使い捨てプラスチック製品の使用を10月2日から禁止すると発表した。

また、amazonのインド法人も、2020年6月までに包装材への使い捨てプラを中止するそうだ。

日本のamazonの似姿を見ると、商品がプラスチックフィルムでギリギリと段ボールに固定されている。おかげで緩衝材を使わずに済んでいるが、段ボール箱とプラスチックフィルムが使われている。

日本が脱プラを鮮明にしたら、日本のamazonも変わるだろうか。

ドイツでは何度も使える「通い箱」に商品を入れて、配送する通販会社もあるそうだ。

<出所>

JETRO(2019.9.12)インドのプラスチック規制、民間企業も追随

https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/09/15a5ea6ca78eb967.html

スロバキアも飲料容器デポジット制度を導入、2022年から

欧州連合(EU)では、今年に入ってから飲料容器のデポジット制度を検討する国があとを絶たない。

スロバキアでも2022年から制度をスタートさせるようだ。

対象はペットボトルと缶。

ペットボトルのデポジット(保証金)は0.12ユーロ、缶のそれは0.10ユーロのようだ。

スロバキア人の86%が、このデポジット制度に賛成しているとのこと。

システム導入にあたり8000万ユーロの費用がかかると試算されている。これは「汚染者負担の原則」で生産者と売り手が支払うべきで、公的資金は使われるべきではない、という。

“The costs of the deposit return scheme should be shouldered by those who profit from the sale of drinks,” Miloš Veverka and Daniel Lešinský of CEPTA said, as quoted by SITA. This means sellers and producers ought to pay since the scheme represents the “polluter pays” principle in reality.

税金でせっせとペットボトルを回収した挙げ句、環境省までもがコンビニ店頭に設置する自動回収機に補助金を出す日本とは大違いだ、と感心している。

日本の環境政策は、産業界寄りの政治家により歪められ、産業界への「忖度」で溢れている。

<出所>

THE SLOVAK SPECTATOR(2019.9.11)Slovakia will introduce a deposit scheme for PET bottles and cans in 2022;

https://spectator.sme.sk/c/22210435/slovakia-will-introduce-deposits-on-pet-bottles-and-cans-in-2022.html

 

フィリピン、コメとプラごみを交換、蚊と米を交換する自治体も、ネスレなどはリサイクル工場を建設

フィリピンの新しい政策が面白い。

プラごみ2kgをお米1kgと交換してくれるそうだ。

お米1kgは約76円とのことなので、プラごみ1kgは38円相当か。

集まったプラごみは政府により適切にリサイクル・処分される。

確かフィリピンは、大気汚染防止法により、焼却施設の建設を禁止していた。今でもそれが続いているとすると、リサイクルできる廃プラはよいとしても、リサイクルに向かない廃プラはどのように処分するつもりだろうか。

プラスチック製ストローやカップなどの店内提供は既に規制されているようだが、おそらくそんな程度ではフィリピンのプラごみはどうにもならない。

グローバル企業が日用品などの販売を通してもたらす膨大な量のプラスチック製容器包装に、フィリピン政府は今後厳しい規制をかける可能性がある、などと考えていたところ、ふと先日の新聞記事(日経2019.9.10、デジタル版は2019.9.9)を思い出した。

ネスレなど12社が、年内に廃プラのリサイクル工場をフィリピンに作るという記事だ。

確かにそうでもしないと、プラスチックで包装された製品を売り続けたい企業は、フィリピンでは生き残れない。

これからどうなるか、しばらくフィリピンから目が離せない。

(追記)

まにら新聞によると、フィリピンには蚊200匹と米1kgを交換する自治体もあるようだ。

まにら新聞(2019.9.14)「プラごみ2キロや蚊200匹をコメ1キロと交換するバランガイが登場」

http://www.manila-shimbun.com/category/society/news246982.html

<参考>

REUTERS(2019.9.13)プラごみをコメと交換、フィリピンで開始 貧困対策にも

https://jp.reuters.com/article/plastic-waste-idJPKCN1VY08I

日本経済新聞(2019.9.9)「フィリピン、プラごみ強硬姿勢 世界大手に対策迫る ネスレ、P&G、ユニリーバなど」

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49583610Z00C19A9FFE000/

 

小泉環境相、どうする?原発、レジ袋

ようやく原発に反対する(少なくとも推進しない)環境大臣が誕生した。

推進する勢力とどこまで闘えるか、楽しみだ。頑張って欲しい。

また、来春にひかえたレジ袋有料化も詳細はまだ決まっていない。

容器包装リサイクル法(容リ法)の枠内で有料化するのは簡単だが、そうすると深く切り込むことはできない。

「容器包装」としてカウントされる「プラスチック袋」は一部に過ぎないためだ。

まともに減らためには、「プラスチック袋法」を考える方が良い。

例えば、新聞整理袋やかさ袋、スーパーの薄い小袋(サッカー台などにロール状で置いてある)、郵便プラ袋(ダイレクトメールやカタログなどが送られてくる袋)などは容リ法の対象ではない。

この際、不必要なプラ袋(代替品が他にいくらでもあるようなもの)はすべて減らしたい。

地球温暖化対策も待ったなしだ。石炭火力やパーム油発電にも大ナタを振るって欲しい。

小泉環境相の手腕に期待している。

<関連記事>

プチ「脱プラ」宣言⑨店頭で雨の日に配布されるプラ製傘袋は、もったいない

新聞販売店、紙袋からプラ製「レジ袋」へ 時代に逆行

新聞販売店、紙袋からプラ製「レジ袋」へ 時代に逆行

「新聞整理袋」などと称し、新聞販売店がプラスチック製レジ袋を配布する地域が増えてきた。

以前は紙製だった地域も、最近はポリエチレン製などに替えている。

これも「レジ袋」だから、続けるならば来年から有料化すべきだ。

しかし、来春予定されている「レジ袋有料義務化」は容器包装リサイクル法(容リ法)の中で検討されることになりそうだから、新聞整理袋は容リ法が規定する「容器包装」には該当しない。そのため、例外規定が設けられない限りは有料化されない。

紙製の新聞を白い紙袋に入れれば、袋も新聞と一緒に製紙工場へ行きパルパーの中に入れられる。だから、白い紙袋を配布するのは理解できたが、新聞販売店によるポリエチレン製袋の配布は理解不能だ。

販売店によっては、これまで無漂白の茶色っぽい紙袋を使っていた。この場合、新聞と一緒にパルパーへ入れられないから、袋は段ボール工場へ回される。一手間かかるから、なぜ白色にしないのかと思っていたが、レジ袋よりはるかにマシだった。

地域によっては、紙ひもを配る地域もあった。最近ではあまり見かけないがどうなったのだろうか?

紙ひもをいちいちプラ袋に入れて配るのはどうかと思うが、紙ひも使用初心者には、こういうサービスも悪くない。使い慣れたら、好きなサイズを1巻き買えばよい。

紙ひもは、横浜市資源リサイクル事業協同組合でも売っている↓

http://www.recycledesign.or.jp/product/

プラスチック製新聞整理袋は、「脱プラ」時代に逆行していないか。

紙袋よりもプラスチック袋のほうが安いからだろうが、こんなことするならば、新聞購読などやめるぞ!と思う。

新聞社に社会的責任はないのか。あるならば、販売店を指導すべきではないか。全国の新聞販売店が、レジ袋を配布すると、相当な量になる。

雑がみ回収までする自治体でも、これら販売店を指導する様子は見えない。やはり国が法律で、すべてのレジ袋の無料配布をしっかり禁止すべきだ。

使い捨て製品に課税するのもよい。その方が、消費税を上げるよりもはるかにマシだ。

世界は使い捨てプラスチック削減に真剣に取り組んでいるが、日本は逆行している。

ニュージーランド航空の脱プラ、地上でも空の上でも

航空会社でも脱プラが進むが、ニュージーランド航空の脱プラの取組は、なかなか素晴らしい。

まず、7月に発表した「プラスチック製品削減量を2倍に設定」に驚いた。

ニュージーランド航空プレスリリース(2019.7.9)↓

https://www.airnewzealand.jp/press-release-2019-air-new-zealand-doubles-down-on-plastic-waste-reduction

かなり細かく検討されている。

また、日本支社の社内でも、今年2月に5種類の使い捨てプラスチックの持込を禁止した。

朝日デジタル(2019.5.23)↓

5種類のプラスチックのオフィス持ち込みを禁止した。対象は使い捨てのレジ袋、ペットボトル、飲料のカップとふた、スプーンやフォークといったカトラリー、ストローだ。

ニュージーランド航空は、機内でも社内でも脱プラに取り組んでいる。日本の航空会社もぜひ参考にしてほしい。

<参考>

朝日新聞デジタル(2019.5.23)「オフィスで広がる脱プラ、「明日から禁止」宣言の企業も」↓

https://digital.asahi.com/articles/ASM5K4R2VM5KULBJ00D.html