相模原市も人工芝が増えている?新施設も人工芝

小平市では、市営グラウンドの人工芝化に反対する市民団体が、市に要望書を渡したと聞き、相模原市内の人工芝状況を調べている。

相模原駅近くに新しくできた「相模原スポーツ・レクリエーションパーク」が2021年に人工芝になったと知り、見に行った。

https://machida.keizai.biz/headline/3256/

用途に合わせ4面あるうちの1面が既に人工芝になっていて、サッカーが行われていた。

また、もう1面も人工芝にするための工事が進められていた。

「令和4年8月中旬から令和5年3月中旬まで」軟式野球場を人工芝にするなどの工事をするとのこと。こちらはまだ人工芝は貼られていないが、工事は着々と進められているようだった。

相模原市も市営グラウンドの人工芝化を進めているようで、恐ろしい。

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校庭の人工芝化、子どもへの影響は?

東京都の校庭芝生化事業は、もともとは天然芝を考えていたはずだが、最近は人工芝の学校が増えているようだ。

2021年7月の東京新聞によると、「都教育庁によると、人工芝の校庭は23区の区立小約120校で採用」とのこと。

120校というのが、芝生化している学校の何パーセントに当たるかわからないが、足立区では2021年7月時点で28校採用だそう。「学校施設の維持管理を担当する中部地区建設課によると、降雨後に水はけが良いこともあって人工芝の校庭が増え、区立小学校69校のうち28校が採用している」と書かれている。

ということは、少なくとも足立区立小学校では3分の1以上の学校が人工芝にしたようだ。

人工芝の校庭では、どんな生き物が育つのだろうか。昔の校庭にはアリやダンゴムシ、ゲジゲジ、バッタなどもいて楽しかった。小石を拾い集めそれを大きな石で砕き、いろんな色の粉を作る「石屋さんごっこ」などもした。

人工芝で学べることがあるとしたら、どういう使い方をすると、マイクロプラスチックが発生しやすくなるか、ということなどだろうか。

人工芝に決めた管理者たちは、一体子どもに何を学ばせたいのだろう?プラスチックの有用性か?

最近の研究によると、ポリエチレンのマイクロビーズによる実験で、マイクロビーズが風によって少しずつ摩耗することがわかったそうだ。

つまり、校庭の人工芝も風で摩耗することで、マイクロプラスチックの発生源になり、子どももマイクロプラスチックを吸い込む可能性があるということだ。もちろん、千切れた芝が側溝に落ち、川から海へ流れることも確実。

都の校庭芝生化事業の目的には確か、ヒートアイランドを緩和するということもあったはずだが、効果はあったのだろうか?植物と違い蒸散作用のない人工芝でその目的が達成できるとは思えないが・・。

<補筆>

都に確認したところ、人工芝は都の校庭芝生化事業の対象ではないそう。つまり、区立小中学校校庭の人工芝化は、都からの補助金なしに区が独自にやっているようだ。

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張り替えられた人工芝はどうなるの?欧州の人工芝の末路(補筆)

欧州には人工芝の墓場とも呼ぶべき人工芝専門の「リサイクル」施設があるらしい。

オランダ公共放送の動画を見て愕然とした。

オランダの自治体では、リサイクル費用として人工芝のピッチ1面につき1~2万ユーロを廃棄物業者に払っているそうだ。リサイクルされていると思われるが、実際はそうではないようだ。

オランダでは5月下旬のサッカーシーズンが終わると、毎年、張り替えが必要な200枚以上の人工芝マットが撤去される。

しかし、人工芝はプラスチックだけでなく、砂とゴムも付いていて、それらは重金属で汚染されているとのこと。

撤去された人工芝マットはどこへ行くのか、と番組制作者は車でそれらを積んだトラックを追いかけた。着いたところがTUFリサイクリングという人工芝専門の産廃施設。その施設の中には膨大な量の人工芝マットと砂、ゴムチップが積まれていた。特にロール状のマットの量がすごい。

その後、あちこち取材を重ね、情報公開請求もおこなって、下記のドキュメンタリー番組を作った。

オランダにはこの手の会社が2社あるが、2社とも違法な量のマットを保管しているそうだ。しかし、これらを知っても当局は「社会的に重要な仕事だから」と手を出さない。ヘタに手を出して、サッカー場の芝の張り替えができなくなったら困るのだろうか。

引き取った人工芝は、敷地内にロール状のまま積み上げているものも多いが、スリナムやキュラソー、ガーナなどへ「製品」としても送られている。それらは、ソーラーパネルなどの下に防草シート代わりに敷かれるようだ。

オランダ公共放送の番組↓

日本ではおそらく大半を燃やしているのではないかと思うが、どうなのだろうか?

仮に防草シートとして使われたとしても、もしくはロール状のまま放置されたとしても、芝の破片がマイクロプラスチックとして飛散するのは避けられない。燃やす方がマシか、とも思うが、そんな単純な話でないことは、この放送を見ても想像できる。

燃やすには切断が必要だから、切断するためには芝から砂やゴムチップを除去しなければならない。その際にどれほど多くの人工芝が破片(マイクロプラスチック)になるか・・と考えただけでゾッとする。それら破片が全て回収されるとは思えない。従業員の健康も気になる。

下の動画も人工芝がテーマだ。人工芝のフィールドからどれほど多くの芝が剥がれ落ち、マイクロプラスチックになるかも、この映像でよくわかる。グラウンド横の側溝や道ばたに溜まっている大量の人工芝が不気味だ。

欧州でさえ、人工芝をまともにリサイクルできないならば、どのように処理するのがよいのだろうか?日本の人工芝はどう処理されているのか?

人工芝はマイクロプラスチックとして海洋を汚染するのは間違いない。以前のピリカの調査でも人工芝は一番多いマイクロプラスチックだった。

さらに、風による摩擦で目に見えないほど小さく微細化し、大気中に漂うマイクロプラスチックにもなるようだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/da75f00ab15498b4358395e394adb023b502046f

こんなに問題の多い製品は極力使わないに超したことはないが、日本では人工芝に張り替える公園が増えているようだ。

相模原市内でも数年前、横山公園の運動公園が人工芝に変わった。「季節を感じる運動公園。平成29年4月から人工芝グラウンドがオープン!」とある。

https://iko-yo.net/facilities/92932

人工芝グラウンドで季節が感じられる気はしない・・悪い冗談に聞こえる。

また、相模原駅近くにも2021年4月に「相模原スポーツ・レクリエーションパーク」がオープンした。フットボールもできる人工芝グラウンドがウリだ。

東京都でも、学校のグラウンドの芝生化を進めていて、天然芝ではなく、人工芝を採用している学校もあるようだ。

人工芝を利用するプレーヤーはケガをしやすいとか、熱中症になりやすい、など人工芝には多くの欠点がある。さらに、芝の破片はマイクロプラスチックとして海洋のみならず、大気も汚染する。

しかも、必ず数年で張り替えが必要だから、コスト的には天然芝より高くなると聞く。

欠点だらけだけれど、メンテナンスがラクなどのメリットもあるだろう。利用者にとって便利なことは間違いない。しかし、人工芝による環境汚染を考えると、人間は人工芝とは共存できないような気がしてくる。

それにしても、脱プラが必要な今、なぜ人工芝が増えているのだろうか?それほど必要とは思えないところにまで、最近は使われている。

これまでは人工芝の悪影響について、知識としては知っていたが、本当にはわかっていなかったことが、この動画2本を見てよくわかった。