スロバキアも飲料容器デポジット制度を導入、2022年から

欧州連合(EU)では、今年に入ってから飲料容器のデポジット制度を検討する国があとを絶たない。

スロバキアでも2022年から制度をスタートさせるようだ。

対象はペットボトルと缶。

ペットボトルのデポジット(保証金)は0.12ユーロ、缶のそれは0.10ユーロのようだ。

スロバキア人の86%が、このデポジット制度に賛成しているとのこと。

システム導入にあたり8000万ユーロの費用がかかると試算されている。これは「汚染者負担の原則」で生産者と売り手が支払うべきで、公的資金は使われるべきではない、という。

“The costs of the deposit return scheme should be shouldered by those who profit from the sale of drinks,” Miloš Veverka and Daniel Lešinský of CEPTA said, as quoted by SITA. This means sellers and producers ought to pay since the scheme represents the “polluter pays” principle in reality.

税金でせっせとペットボトルを回収した挙げ句、環境省までもがコンビニ店頭に設置する自動回収機に補助金を出す日本とは大違いだ、と感心している。

日本の環境政策は、産業界寄りの政治家により歪められ、産業界への「忖度」で溢れている。

<出所>

THE SLOVAK SPECTATOR(2019.9.11)Slovakia will introduce a deposit scheme for PET bottles and cans in 2022;

https://spectator.sme.sk/c/22210435/slovakia-will-introduce-deposits-on-pet-bottles-and-cans-in-2022.html

 

環境政策で欧州をけん引するフランス、「反浪費法」など新法続々

ヨーロッパ諸国には、スウェーデンやデンマーク、ドイツなど優れた環境政策をもつ国が多い。かつてのフランスは、そのなかでほとんど目立たない存在だった。

しかし、最近のフランスの環境政策は勢いがある。新しい手を次々と繰り出し、EU(欧州連合)をけん引している。

例えば、2015年に制定された売れ残り食品の廃棄を禁止する法律は画期的だった。これにより、店舗の面積が400平方メートルを超えるスーパーは、賞味期限切れなどの食品を勝手に廃棄処分できなくなった。代わりに、慈善団体へ寄付したり、動物の餌として活用することになり、話題を呼んだ。

使い捨てプラスチック削減分野でも、レジ袋の禁止(2016年7月)や、生鮮食品を包むレジ袋以外の使い捨てプラスチックの禁止(2017年1月)など、対応が早かった。

さらに先月(2019.6.4)、フランス政府は、売れ残った洋服や非飲食品の廃棄処分も、2023年までに完全に禁止することを決めた。この法律が施行されると、売れ残りの衣類などもリサイクルかリユース(寄付)などにより処理しなければならない。

「残ったら燃やせばいい、捨てればいい」という安易な大量生産がなくなりそうだ。生産現場でのスケールメリットは、必ずしもエコではない。

また、フランスは、拡大生産者責任の対象商品をさらに拡大する。

JETRO(2019.7.19)によると、現在、生産者の責任で回収・リサイクルが義務付けられている製品群(現行で義務付けられているカテゴリーは電気・電子機器、容器包装、衣料・靴、家具など14種)に、新たに建材、玩具、スポーツ用品、DIY・ガーデニング用品、たばこ、ウエットティッシュなどを加える、ということだ。

また、この法案で、企業から徴収する回収・リサイクルのための拠出金(日本でいうところの再商品化費用だが、フランスでは回収分もほとんど企業が支払っている)を見直す。以下、転載↓

環境に配慮した製品の拠出金は割引し、リサイクルの可能性が制限されている製品には拠出金を割り増しする制度の導入が盛り込まれた。割り増しまたは割引の金額は、製品の販売価格の20%を上限とする。また、特定の製品や資材の市場投入の条件にリサイクル材料の最低使用量を設定することを可能にする。

今朝の日経新聞に記載されている審議中の「新法(反浪費法)」というのは、これのことだろう。消費するプラスチックの量を大胆に減らすため、不要なプラスチックを多く作る企業にはペナルティを与え、環境に良い商品を作る企業は恩恵を受けられる仕組みを作る、とある。

この法律がどのような成果をもたらすことになるのか、とても楽しみだ。

加えてフランスでは、飲料容器のデポジット制度も検討中だ。EU目標である2029年までに90%以上のペットボトルを回収するという目標を達成するためである。そのためのプロジェクト推進委員会が作られた。

「容器の返還方法や対象容器の種類などの具体的内容について協議を重ね、9月から国会で審議予定の「循環経済のための廃棄物削減に関する法案」に盛り込む予定」(JETRO, 2019.6.28)とのこと。

しばらくフランスの環境政策から、目が離せない。

日本の容器包装リサイクル法は、フランスの制度をモデルにしたといわれている。当時のフランスの容器包装令は、企業負担分がドイツに比べ少なかった。ドイツは拡大生産者責任が100%達成されているが、フランスは50%程度だといわれていた。

そのため、生産者の負担を減らす方が制度を導入しやすい日本としては、ドイツではなくフランスをモデルにしたと考えられる。しかし、フランスではその後どんどん生産者の負担割合を増やしていった。

日本の容器包装リサイクル法は、生産者が負担すべき回収費用を自治体が負担しているという点で、1995年当時からあまり変わっていない。再商品化費用よりもはるかに高い回収費用を、相変わらず自治体が税金で負担しているのだ。日本の環境政策の後進性は、最近特に顕著だ。

<参考>

「反浪費法」については日本経済新聞(2019.8.1)「プラごみ汚染どう防ぐ」:「大胆な削減」へ法整備(仏環境副大臣)

https://www.nikkei.com/article/DGXKZO48022860R30C19A7TCS000/?n_cid=DSTPCS001

JETRO(2019.7.19)「生産者による回収・リサイクル責任を強化する循環経済法案を閣議決定」

https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/07/b9538c17bf66d373.html

JETRO(2019.6.28)「容器回収を促すデポジット制度導入に向け、委員会を設置」

https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/06/ecee09ae588092a9.html

 

 

ペプシコ、脱プラに本気を見せる?コカコーラとともに、脱プラ阻む業界団体を脱退

ペプシコは、コカ・コーラとともに海洋プラスチック汚染企業の1つだが、最近「脱プラ」に本気で取り組む様子が垣間見えるようになってきた。

昨年、ペプシコがソーダストリーム(家庭用炭酸飲料マシンの会社)を買収した時は、ペットボトルが売れても廃れても、どちらでも生き残れるように対策したのだ、と思った。つまり、ソーダストリームはペプシコにとって、脱プラが進んだ時の「保険」だろうと。

しかし、そんなセコイことは考えていなかったようで、今年に入ってからも次々と新しい取組を発表している。

例えば、ミネラルウォーターの販売をペットボトルからアルミ缶に切り替えるとのこと。

今のところ、アメリカ国内のみが対象のようだが、世界中で早急にやってほしい。

また、同社は、LIFEWTRブランドの製品は100%再生ペットボトルのみで販売し、炭酸飲料はプラスチック容器で販売しないそうだ。これは来年から実施される。

これにより、未使用プラスチック8000トン、温室効果ガス約1万1000トンを削減するとのこと。

同社の目標である「2025年までにリサイクルあるいは堆肥化、生分解が可能な容器のみを使用する」という目標も、日本コカ・コーラの「容器の2030ビジョン」よりも上回っている。

さらに、ペプシコとコカ・コーラは、アメリカの業界団体であるプラスチック工業会を脱退する、とのこと。

理由は、この業界団体が各州の「使い捨てプラスチック禁止」の条例案を阻むロビー活動を行っているとして、米グリーンピースが2社に脱退を働きかけ、それに応えたためらしい。

ペプシコの取組が、日本でのペプシコ関連商品や日本コカ・コーラの販売活動にも影響を与えることを願っている。

<関連記事>

ペプシコ vs コカコーラ、ペプシコが自動炭酸飲料機で一歩リード?!

日本コカ・コーラの「ビジョン」に失望

<参考>

GREENPEACE(2019.7.25)「コカ・コーラとペプシコ、脱使い捨てプラを阻む米業界団体から撤退」

コカ・コーラとペプシコ、脱使い捨てプラを阻む米業界団体から撤退

HUFFPOST(2019.6.29)「ペプシ、ミネラルウォーター販売をペットボトルからアルミ缶に切り替えへ 米国地区が対象」

https://www.huffingtonpost.jp/entry/water-in-aluminum-cans_jp_5d170e0ce4b03d61163bc444

象印、社内でペットボトルを禁止

象印マホービンは、2019年内に、社内でのペットボトル飲料の使用を全面的に禁止するとのこと。

自分の席や会議室などへの持ち込みも禁止し、社内の自動販売機からもペットボトル飲料をなくす。

タイの自社工場では、既に5月には禁止したそうだ。

グループ企業にも2020年以降に広げるとのことだが、水筒を作っている会社やそのグループ企業で、社員がペットボトルや缶を使って水分補給するのはどう見てもおかしい。

自動販売機から缶もなくし、鎌倉市役所にあるようなマイカップ式か、あるいはマイボトル式のに変更したらよいと思う。

同社は、大阪府と廃プラ削減の協定を結んだとのことで、象印のボトル販売店では府の取り組みを紹介する。府が主催するイベントに象印製品を置くなど、マイボトルの普及に向けて連携していくとのことである。

<関連記事>

積水ハウス、「脱ペットボトル」へ

鎌倉市の先進的な取組

<参考>

日本経済新聞(2019.7.19)「象印、社内でペット飲料を禁止 マイボトル拡販狙う」

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47495530Y9A710C1XQH000/

 

スコットランド、2021年までに缶・瓶のデポジット制度を開始 英国の慈善団体は23億ポンド寄付が集まる可能性

英紙INDEPENDENT(2019.5.29)によると、スコットランドでは2021年までに缶やビン、ペットボトルを対象に、デポジット制度が開始される。

デポジット(預り金)20pが上乗せされた飲料を購入し、ペットボトルなどの容器を返すと20pの返金が受けられる。

ある世論調査によると、アンケートに答えた2000人以上の人のうち5分の1(20%)の人が、常に慈善団体にこの20pを寄付し、3分の1以上(19%)の人が、いつもではないが少なくともいくらかは寄付する、と答えたという。

近年、デポジット制度を採用する多くの国で、自動回収機による容器回収が増えている。たいていの自動回収機には、返金の用途を選べる機能が付いているためだ。

寄付かそのまま現金での返金か、あるいは機種によっては、銀行への自動振り込みやICカードへのチャージも選ぶこともできる。

世論調査の通りだとすると、イギリスの慈善団体は、23億ポンド以上をデポジット制度により調達できることになる。

デポジットは、正しい行動を奨励する(返却を促す)と同時に、困っている他人を支援できる制度でもある、ということだ。

スコットランドが、英国で最初にデポジット制度を導入することになりそうだ。

<参考>

INDEPENDENT(2019.5.29)DEPOSIT RETURN SCHEME ON DRINKS CANS AND BOTTLES IN THE UK COULD RAISE £2.3BN FOR LOCAL CHARITIES;

https://www.independent.co.uk/life-style/deposit-return-scheme-cans-bottles-england-scotland-charity-recycling-litter-a8934631.html

 

人は毎週5gのプラスチックを食べている、について

WWFが、オーストラリア・ニューカッスル大学に委託した調査結果をもとにDalbergの最新レポートをまとめた。それによると、人間は平均毎週5グラム(クレジットカード1枚分相当)のプラスチックを食べている、とのこと。

約2000個のマイクロプラスチックだそうだ。

内訳を見ると水(水道水・ペットボトル)がダントツで1769個、あとは貝・甲殻類(182個)、ビール(10個)、塩(11個)。

筆者も以前計算してみたが、これ程多くはならなかった。何が違うのかと見てみたところ、こちらの計算は水からの摂取がかなり多いようだ。

以前のミネソタ大学の研究発表をもとにした新聞報道(東京新聞2018.9.3)によると、

「米国人の標準的な消費量に基づくと、水道水と食塩、ビールから年間五千八百個のマイクロプラスチックを摂取する計算になる。水道水由来が全体の88%を占めた」

とのことだから、年間5800個ということは週111個。やはり筆者の計算と同様、今回の発表の方が1桁多い。

おそらく、ペットボトルと水道水の違いか。ペットボトルで水を摂取することが多い人の食生活をベースに計算すると、週2000個になるということだろう。

以前報道されたペットボトルから検出されたマイクロプラスチックの数は1リットル当たり平均325個だった(当時の報道では0.1ミリを超えるものは10個/Lで、それより小さいマイクロプラスチックも含めると325個)。

毎日1リットルのペットボトル水を飲むと、それだけで週2275個。500ミリリットルでは1138個。煮炊きには水道水を使用するだろうから、ペットボトル水+水道水で、週1769個はそれ程過大とはいえないかもしれない。

WWFのレポートをまだザッとしか読めていないが、これから詳しく読んでみたい。(補筆:WWFの “No Plastic in Nature:
Assessing plastIc IngestIon from Nature to peopLe”を見てみたところ、呼吸で吸っている分のマイクロプラスチックも5gにカウントされているようだ。しかし、それについての詳細は書かれていないため、5gの正確な内訳は不明。このため、正確なことは委託先の研究者の論文を読まないとわからない。もしかすると、WWF日本のPR TIMESに書かれていた「2000個」というのはマイクロプラスチック5g分の個数ではなく、飲食している分だけの個数か??)

(補筆)

他の報告がないか調べて見たところ、アメリカ人は1年に7万個以上のマイクロプラスチックを食べているという研究報告(Science Daily, 2019.6.5)が見つかった。

年間7万個ということは週1340個程度か。水の摂取方法(ペットボトルか水道水か)やマイクロプラスチックのサイズの下限の設定次第で、数字はいくらでも変わりそうだ。

https://www.sciencedaily.com/releases/2019/06/190605100332.htm

<出所> WWFプレスリリース

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000072.000018383.html

http://awsassets.panda.org/downloads/plastic_ingestion_press_singles.pdf

<参考>

水道水については、東京新聞(2018.9.3)

https://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201809/CK2018090302000127.html

ペットボトル水については↓

https://toyokeizai.net/articles/-/236346

https://www.gizmodo.jp/2018/03/report-finds-microplastic-in-93-of-bottled-water-tested.html

 

米ペンシルバニア州、デポジット制度導入か

ペンシルバニア州の下院と上院でデポジット制度が支持されているそうだ。

飲料ボトルと缶を対象にしたデポジット制度の法案が、下院の財政委員会に提出された。

ペンシルバニア州では、散乱ごみの清掃に年間1000万$以上を費やしている。飲料容器は散乱ごみの半分を占めるため、飲料容器の散乱を減らすことは納税者にとり大きなコスト削減になる。

また、飲料容器は州のごみ全体の6%を占める。

デポジット法案は、最終的には州全体のごみを削減することにもなるという。

近年、欧州やオーストラリア、アメリカを始め、多くの国々で、海ごみ対策のため、デポジット制度導入の動きが盛り上がっている。しかし、日本では盛り上がらない。

その理由として考えられるのは、日本では「既にペットボトルや缶の回収率が高い」と多くの人が信じこんでていること。そして、販売量減少を恐れる企業がデポジット制度を嫌っていることがある。

さらに最近は、環境活動家たちまでがデポジット制度に消極的な立場をとるケースがある。

メーカーが反対するのは理解できるが、環境団体のそれは全く理解し難い。

理由を聞くと、「デポジット制度で販売量は減らない。回収してリサイクルしても意味がない」「プラスチックを減らすため、ペットボトルは禁止しなければならない」などという。

しかし、今の日本で、ペットボトルなど容器入り飲料の販売を全面禁止することなどできるだろうか?(デポジット制度で回収すべき飲料容器はペットボトルだけではなく、飲料缶や飲料びんも同様だ。飲料缶も内面にプラスチックがラミネートされているし、飲料びんにも軽量びんの表面には樹脂が塗られている)。せめて、デポジット制度を導入し、「節度ある消費」(メーカーはこれを恐れて反対する)と「徹底的な回収」を実現すべきではないか。それ以上にペットボトルを減らしたい場合や、リユース容器のシェアを増やしたい場合は、デポジット制度にそのような政策をプラスして導入すべきだろう。

例えば、カナダのある州はデポジット制度とリユースびんのクォーター制を併用して導入しているし、インドのある州では小型ペットボトルを禁止し、禁止しないサイズのペットボトルはデポジット制度で回収している。

いつまでも自治体に、飲料容器の回収を委ねているからこそ、このようなおかしな状況(世界はペットボトル削減に動いているが日本のペットボトルのシェアはますます上昇、ペットボトルの散乱量も増加、産廃の廃プラまで焼却するよう環境省が自治体に要請、などの状況)に陥っていることを日本も直視すべきではないか。

経済学では、デポジット制度により制度対象物の消費量は減ると考えられている。

販売時に上乗せされるデポジット(保証金)は課税と同様の働きをするからだ。例えば、100円のペットボトルが120円になれば、例え容器を返せば20円戻ることがわかっていても、販売量は当然減少する。「返却する」というコストを嫌う消費者は必ず存在する。

それにしても日本のメーカーは、いつまでボランティアに飲料容器を拾わせるつもりだろうか。自動販売機横に回収ボックスを設置して済む問題ではない。その程度で回収量が増える(あるいは散乱が減る)ならば、もうとっくにそうなっているだろう。

散乱問題は個人のマナーの問題ではなく、社会システムの問題だ。仕組みさえ整えればほぼ解決する。

<ペンシルバニア州についての出所>

TRIV LIVE(2019.6.11)Pa. bottle bill would set up deposit program to reduce waste, litter;

https://triblive.com/news/pennsylvania/bottle-bill-would-set-up-deposit-program-to-reduce-waste-litter/

 

G20までに、削減するプラ量の積み上げ計算を

まもなくG20が開催される。日本は無事議長国としてのメンツを保てるだろうか?

せめて、プラスチック資源循環戦略の「2030年までにワンウェイプラスチックを累積で25%排出抑制」という目標の実効性が疑われないように、まず削減するプラスチックの項目を列挙して、現在の消費量を並べて積み上げ計算するのがよいのではないか。

そうすれば、例えばどこまでの範囲のレジ袋を何パーセント減らすために何をすべきか、レジ袋よりもっと役立たないあの薄い小袋はどうすべきか、トレイはどうするのか?ペットボトルは何パーセント減らすべきなのか?カフェやコンビニコーヒーなどのカップ類は?使い捨て食器や弁当容器は?その他の容器包装や使い捨て製品(ストロー、ナイフ、フォーク、マドラー、ライター等)はどの程度減らせばよいのか、などおおよそのメドが立つ。

今のように、国民はもちろんサミットに出席する当人も何もわからないままでは、世界は納得しないだろう。「累積で25%」の根拠が必要だ。

カナダ首相、使い捨てプラスチックの使用禁止方針を発表

カナダのトルドー首相が、使い捨てプラスチックを早ければ2021年にも禁止する方針を発表した。

禁止対象はまだ未定だが、レジ袋やストロー、ナイフ、フォーク、スプーン、皿、マドラーなどが含まれる可能性があるとのこと。

カナダのメディアは、ペットボトルも含まれるとしているそうなので、ペットボトルも何らかの規制がかかるかもしれない。

カナダでは、これまでも州や自治体単位で環境対策が進んでいる。

例えば、デポジット制度は州ごとに少しずつ異なった方法で行われているし、レジ袋への対応も異なっていた。

そのカナダが、国全体で使い捨てプラスチックを禁止するのは、国も本気でプラスチックに取り組む姿勢を示すためだろうか。EU(欧州連合)の政策や昨年採択したG7サミットの海洋プラスチック憲章の影響かもしれない。

<参考>

BBC JAPAN「カナダ、使い捨てプラスチックを禁止へ 早ければ2021年にも」

https://www.bbc.com/japanese/48591071

NHK(2019.6.11)「カナダ 使い捨てプラスチック容器や包装の提供禁止へ」

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190611/k10011948221000.html

鎌倉市の先進的な取組

先日、ゼロ・ウェイスト政策を進める鎌倉市役所を訪問した。

まず驚いたのが、多くの職員さんたちの机の上にマイボトルが置かれていたこと。さすが、自動販売機(自販機)からペットボトル入りをやめただけある、と感心した。

代わりに設置されているマイカップ対応の自販機は、清涼飲料だけでなく、スープなどもあり、小腹が空いたときにも役立ちそう。マイカップがなければ紙コップが出てくるが、マイカップを置いて「マイカップ」のボタンを押せば10円安くなる。

また、来客の多い場所には無料の給茶機が、売店にはペットボトル入り飲料の代わりにリシール缶が置かれていた。

市が管理する市役所以外の施設の自販機からも、ペットボトル入りは排除したそうだ。さすが「かまくらプラごみゼロ宣言」をしただけある。

生ごみ処理器も10種類以上を展示するなど、さまざまな工夫が施され、職員さんたちの話からもゼロ・ウェイスト政策が着実に進められていることが感じられた。

<関連記事>

鎌倉市も「かまくらプラごみゼロ宣言」