ワシントンD.C.で飲料容器のデポジット法案

米国の首都ワシントンD.C.で飲料容器のデポジット法案が提出された。

1区議会議員のブリアン・ナドーが法案を主導している。

ボトル入り飲料と缶入り飲料の容器を10セントのデポジットをつけて販売し、容器を返却すると10セント返金されるというでおジット法案だ。

「プログラムに参加する小売店は、ボトルや缶の取り扱いに対してD.C.から料金を徴収する。市はプログラムを監督し、参加する小売業者を支援する」と書かれているが、どんな方法でやろうとしているのかよくわからない。

メリーランド州でも、同じような方法のデポジット制度が提案されているそうだ。

出典:https://wtop.com/dc/2025/01/will-you-pay-an-extra-10-cents-for-a-bottled-drink-knowing-you-can-get-it-back-later/

オサガメのお腹からプラシートとお茶PETのラベル

福井県美浜町の海岸に死んで打ち上げられた絶滅危惧種のウミガメ「オサガメ」の体内から、1メートルあまりのプラスチックシートとペットボトルのラベルが見つかった。

ラベルは国産のお茶のペットボトルで、ブランド名もはっきりわかる。好物のクラゲと間違えて食べたのだろうか。

https://digital.asahi.com/articles/ASSDM4DB8SDMULBH004M.html?iref=pc_photo_gallery_bottom

ペットボトルからラベルが勝手に剥がれることはほとんどないため、誰かが剥がしたラベルが回収ルートから環境中に漏れだし、海へ流れ出したのかもしれない。

前々から苦々しく思っていたが、日本ではラベルを剥がすことがまるで良いことのように宣伝されている。リサイクルしやすくするとして、そのように「教育」されるが、ラベルを剥がせばラベルはごみ回収から当然漏れ出しやすくなる。

しかも、剥がされたラベルは他の雑多なプラごみと一緒くたになるため、質の高いリサイクルがなされるか疑問だ。

デポジット制度を導入している国では、返却前のボトルからラベルを剥がすことは禁じられている。ラベルを剥がすとペットボトルの由来がわからなくなるため、デポジットは返金されない。ラベルを剥がさなくとも、当然きちんとリサイクルはできている。

日本のこのラベル剥がしのおかしな習慣は一体誰のためのものなのか、いつも疑問に思う。

ハンガリーのデポジット制度、クリスマスシーズン前に多くの人がデポジットを小児科へ寄付

ハンガリーでは今年1月から飲料容器のデポジット制度が開始された。

ハンガリーの人々は飲料容器を食料品店などに設置された自動回収機に返却する(手動の場合もある)。するとバウチャーに加えて、即時銀行振込の形でデポジットが返金される。

ハンガリーでは1日500万から600万本の飲料容器を返却され、最近では多くの人がデポジット(上乗せ金)を慈善団体へ寄付している。

寄付先として選べるのは、ハイム・パール国立小児科研究所、ハンガリー改革派教会のベセスダ小児病院、およびゼンメルヴァイス大学の小児科クリニックだ。

10月の第1週までに、寄付金は5700万フォリントだったが、わずか2ヶ月後の12月初めまでにその金額は1億フォリントを超えたという。

多くの人はクリスマスを控え、小児科への寄付を増大させたということか。

デポジット額程度の小口の寄付なら多くの人は参加しやすいから、良いシステムだと思う。

病院との現在のような契約は2025年7月まで続けるそうだ。

https://trademagazin.hu/en/fel-ev-alatt-100-millio-forint-felajanlast-tettek-karitativ-celokra-a-fogyasztok-a-kotelezo-visszavaltasi-rendszer-reven/

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ロサンゼルス郡、コカコーラとペプシコを提訴 プラ汚染の責任を追及

米ロサンゼルス郡がコカ・コーラ社とペプシ・コーラ社を訴えた。

「プラスチック汚染が環境と公衆の健康に悪影響を与えることへの責任と、プラスチック飲料容器のリサイクル可能性を公衆に誤解させたこと、そしてプラスチック飲料容器の使用に関連する重大な環境および健康被害を開示しなかったこと」がその理由だ。

https://lacounty.gov/2024/10/30/la-county-sues-pepsi-and-coca-cola-over-plastic-beverage-pollution-and-deceiving-public-on-plastic-recycling/#:~:text=Los%20Angeles%20County%20filed%20a,their%20failure%20to%20disclose%20significant

詳しく知りたいと他の記事を探したところ、韓国メディアが日本語の記事を出し、業界団体のコメントを載せていました。

https://www.mk.co.kr/jp/world/11156486

日本でもこの手の訴訟が増えると、日本の人々ももっとペットボトルを警戒するようになるかもしれない。

少なくとも、日本人もあのペットボトルの回収率やリサイクル率の「大本営発表」をもっと疑うべきだ。

PFASとマイクロプラスチックの組み合わせで、毒性がパワーアップ:英研究

英バーミンガム大学の研究チームが新たな研究を発表した。マイクロプラスチックとPFASがミジンコに与える影響を調べたのだ。

その結果、マイクロプラスチック単独でもPFAS単独でもミジンコにとって有害だった(PFASの方が有害性が強かった)。

しかし、マイクロプラスチックとPFASを一緒にミジンコに曝露させると、単独のときよりも毒性が増した。しかも、複合効果は41%が「相乗的」とのこと。

つまり、ミジンコにとってマイクロプラの毒性が5,PFASの毒性が10だとすると、一緒に与えることでミジンコは15の毒性による影響を示すと考えられるが、それ以上の影響を示したということだ。

ミジンコは、成長が遅くなり、生殖への影響もでた。さらに、生存率も低下した。

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0269749124018505?via%3Dihub

まさに「複合汚染」だ。

少し前に中国の研究で、湖にマイクロプラとPFASがセットで存在するという報告があったが、マイクロプラはPFASを引き寄せ、毒性をパワーアップさせているようだ。

この実験で使用したマイクロプラスチックはPET粒子、PFASはPFOSとPFOAだ。一般にPETの化学物質吸着能力は、ポリエチレンやポリプロピレンに比べ低いとされている。この実験では吸着させて与えたわけではなく、単に一緒に与えただけのようだが、もしかすると、PETの代わりにポリエチレンなどを使った方がより毒性がパワーアップしたかもしれない。

いずれにせよ、このままPFASとプラスチックをを使い続けると、ミジンコが激減し、ミジンコを餌にしていた生物も減り、生態系が大きなダメージを受けることは確かだ。

アイルランド「海岸のペットボトルとアルミ缶が大幅に減少」ペットボトルはキャップ付きのまま回収

今年2月にデポジット制度が導入されたアイルランドでは、「合計6億3500万個のペットボトルとアルミ缶がデポジットリターンスキームに返還」された。同国の環境・気候・通信省の新しいデータだ。

これは、顧客に返還された1億1000万ユーロの預金に相当するとのこと。8月の回収率は、その月に市場に出回った飲料の73%に相当する。

今年6月に発表された最新のアイルランドの調査結果によると、このスキームの導入により、路上に捨てられた飲料缶が30%、ペットボトルが20%減少したという。

今年2月から始まったアイルランドの飲料容器デポジット制度は、ペットボトル、アルミ缶、スチール缶を対象とし、ガラスびんや乳製品は対象外だ。

ガラスびんは既に80%以上回収されているため、デポジット制度の対象外とされた。

ペットボトルと缶のデポジット額は以下の通り。

 ○飲料容器≥150mLおよび≤500mL:15¢ユーロ

 ○飲料容器>500mL:25¢ユーロ

EUではペットボトルのキャップは開栓後もボトルに残ったままでないと今年7月からは販売できない。返却時も、キャップが付いたまま返却するよう呼びかけられている。

ボトルに付いたキャップは、適正にリサイクルされるそうだ。

<出典>

https://www.citizensinformation.ie/en/environment/waste-and-recycling/deposit-return-scheme/

https://www.rte.ie/news/2024/1024/1477146-bottle-collection/

食品包装に含まれる約1300の化学物質が人体に蓄積

スイスの非営利団体フード・パッキング・フォーラム財団(Food Packaging Forum Foundation)などの研究チームが、食品に接触する化学物質を1万4000以上のデータを調査したところ、うち3601(約25%)の物質が、皮膚、毛髪、血液、母乳、脂肪組織などの人体サンプルから見つかった。

2024年9月17日に「Journal of Exposure Science and Environmental Epidemiology」で発表された。

これにはプラスチックだけではなく、紙や段ボール、インクなどの物質も含まれているそうだ。

https://www.businessinsider.jp/post-293805

食品包装に乳がん原因物質が約200種類

食品包装に乳がんと関連する化学物質のいずれかが約 200 種類含まれているそうだ。

「一般的に使用される食品包装材には、乳がんを引き起こす可能性のある189の化学物質が含まれている」と研究者が報告したそうだ。

PFASやビスフェノール、フタル酸エステル類などの危険な化学物質は「米国、欧州連合、中国、南米、その他の場所で、使用制限することを目的とした規制にもかかわらず、食品包装に含まれている」とのこと。

これはプラスチック製の包装に限らず、紙で販売されているものも対象のようで、「乳がんに関連するプラスチック包装材料に使用されている143の化学物質を特定し、そのうち89は紙や段ボールで見つかった」。

研究者らは、人間が食事を通じて少なくとも76の発がん性化学物質に日常的に曝露されているという強力な証拠がある」と話している。

「がんを引き起こす化学物質上位76種のうち約40種は、すでにさまざまな国際規制当局によって何らかの形で有害物質として分類されているが、依然として食品包装に使用されている」と研究者らは指摘している。

Journal of Exposure Science & Environmental Epidemiologyに掲載されたレポートによると、そのうち79の化学物質が、がんや遺伝子変異、内分泌および生殖問題を引き起こすことが知られているそうだ。

<出典>

https://www.usnews.com/news/health-news/articles/2024-09-24/almost-200-chemicals-linked-to-breast-cancer-are-found-in-food-packaging

プラ国際条約、米のプラ生産制限支持で日本置いてけぼり

年内に概要が決まる予定のプラスチック国際条約の最大の争点は、プラスチック生産を制限するかどうかだ。

これまで、日本もアメリカも「各国の事情を考慮すべきだ」としてプラスチックの生産制限に消極的だった。しかし、ここへきてアメリカが態度を一変。欧州連合(EU)などに同調した。

おかげで、日本はこれ以上、生産制限に反対できなくなる。あと生産制限に反対する国は中国やサウジアラビアなど。

バイデンーハリス政権は最近、使い捨てプラスチックを減らすため、積極姿勢を示している。

https://www.whitehouse.gov/briefing-room/statements-releases/2024/07/19/fact-sheet-biden-harris-administration-releases-new-strategy-to-tackle-plastic-pollution-takes-action-to-reduce-single-use-plastics-in-federal-operations/

以下、一部抜粋(機械翻訳)

「バイデン・ハリス政権は、2027年までにフードサービス事業、イベント、包装から、および2035年までにすべての連邦事業から使い捨てプラスチックの連邦調達を段階的に廃止するという新しい目標を発表しています。このコミットメントは、連邦持続可能性を通じてクリーンエネルギー産業と雇用を触媒するというバイデン大統領の大統領令と、使い捨てプラスチック製品の調達を段階的に廃止することを含め、2050年までに純ゼロ調達を達成するよう連邦政府に指示する大統領の連邦持続可能性計画に基づいています。フードサービスにおける使い捨てプラスチックの代わりに、再利用可能、堆肥化可能、および高リサイクル可能な製品を選択することで、新しい目標を達成することは、大統領令に基づく機関の義務をさらに促進します。」

2035年までにすべての連邦事業から使い捨てプラスチックの連邦調達を段階的に廃止するとのこと。もっと前倒ししてほしいが、方針のない日本よりマシそうだ。昨日のテレビに映っていた自民党の会議では、卓上に相変わらずペットボトルが並んでいた。

自民党には、ペットボトルに違和感を持つ人はいないのだろうか。

フランス、ガラス容器のデポジット制度を一部地域で試験導入

フランスの脱プラ政策は世界トップだ。オリンピックでのペットボトル販売を禁止した。代わりに無料給水ポイントを14箇所に設置した。

コカコーラなどのスポンサーも協力したそうだ。「大会期間中は再利用可能なボトルと200以上のソーダファウンテン(清涼飲料水を供給する機械)を提供」とのこと。https://www.parasapo.tokyo/topics/107947

さすがだ。東京オリンピックでは、ペットボトルはコカコーラなどの大手スポンサーへの忖度から、禁止できなかった。

パリ市長と小池都知事の環境意識の差が現れている。

そのフランスで、ガラス容器のデポジット・リユース制度の試験導入が、2025年5月から開始される。

汚染者負担の原則に基づき、メーカーが資金提供した団体が、「食品小売の様々な規模の1200店舗を通じて、デポジット料と引き換えにガラス容器を回収し、洗浄の上でメーカーに供給する」とのこと。期間は18ヵ月だが、お金をかきて大規模に行うので、おそらく延長されるだろう。

デポジット額は20-30ユーロセントになる予定。

ガラスびんだけではないようだが、どんな容器になるか楽しみだ。