欧州の環境NGO、欧州委員会とEU諸国にデポジット制度を要求

欧州の環境NGOは、EUの使い捨てプラスチック指令(SUPD)で規制されているペットボトルの分別収集の実施に関し、懸念を表明している。

デポジット制度が、EUのペットボトルの回収目標である90%を達成するための最も効果的な方法であるにも関わらず、デポジット制度を検討しない国があるためだ。

懸念を表明する環境NGOは、世界的なBreak Free from Plastic(BFFP)運動のメンバーであるDeutsche Umwelthilfe(Environmental Action Germany、DUH)とRethink Plastic Alliance(RPa)。

このEU指令は加盟国に対し、デポジット制度などにより、遅くとも2029年までにペットボトルの90%を分別することを義務付けている。しかし、オーストリアとチェコ共和国では、デポジット制度以外の方法(ごみからペットボトルを分けるなど)で、この個別の収集目標を達成できると議論している。

NGOは、このEU指令についての誤った解釈が、本来の目的を損なう可能性があることを警告している。ペットボトルをデポジット制度で回収することが、使い捨てプラスチックによる汚染を防ぎ、循環経済への移行に大きく貢献できるためだ。

「ペットボトルは、ヨーロッパの川やビーチを汚染するトップアイテムの1つ。このため、ヨーロッパ全土にデポジット制度を導入することが特に重要です。ドイツでは、使い捨て飲料容器にデポジットをかすことで、ポイ捨て防止に大きな効果をもたらしました。これは、98.5%という非常に高い回収率に表れています。ペットボトルがカーブサイド回収によって集められている場合、回収率はかなり低くなります。さらに、ごみから取り出したペットボトルは汚れているため、ボトルからボトルへのリサイクルを危険にさらします。デポジット制度以外では、必要な品質を達成できません。」とのことだ。

きれいなペットボトルが回収された場合に限り、EU指令で設定された再生資源含有量目標を達成できる。指令では、2025年までに使い捨てペットボトルには25%以上の再生資源が含まれる必要があり、2030年までにはすべての使い捨てペットボトルに30%以上の再生資源が含まれる必要がある。

NGOによると、現在、ポルトガル、ラトビア、ルーマニアなどの国が、飲料容器にデポジット制度を導入しようとしている。

また、使い捨て飲料容器にデポジット制度を導入することで、消費者はリユース容器を選択しやすくなるというメリットがあるとのこと。返却場所が同じ場合、使い捨て容器よりもリユース容器の方を消費者は選びやすくなるためだ。

<出所>

RETHINK PLASTIC(2020.5.15)Single Use Plastics Directive: NGOs call on Commission and EU countries to resist attempts to undermine separate collection of plastic bottles;

https://rethinkplasticalliance.eu/news/resist-attempts-to-undermine-separate-collection-of-plastic-bottles/

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