〔講演と報告〕
「リニアトンネル工事のリスクと環境破壊」あなたの家の下、大丈夫?リニアが無断で家の下を走ります
講師:島村英紀さん(地震学者、地球科学者)
日時:11月4日(日)午後1時半〜4時
参加費(資料代):1000円(学生500円)
主催:リニア・市民ネット東京
詳細は↓
案内→http://d.hatena.ne.jp/stoplinear/
チラシ→http://ux.nu/JkFH4
旧「環境にやさしい暮らしを考える」のブログです。持続可能な暮らしに関連するニュースや、気になった環境情報を紹介します。専門は環境経済学です。
〔講演と報告〕
「リニアトンネル工事のリスクと環境破壊」あなたの家の下、大丈夫?リニアが無断で家の下を走ります
講師:島村英紀さん(地震学者、地球科学者)
日時:11月4日(日)午後1時半〜4時
参加費(資料代):1000円(学生500円)
主催:リニア・市民ネット東京
詳細は↓
案内→http://d.hatena.ne.jp/stoplinear/
チラシ→http://ux.nu/JkFH4
海外からのプラスチック削減報道は毎日のように届くが日本の動きは遅い・・と思っていた。しかし、日本の各企業も確実にプラスチック削減に向かって進んでいるようだ。
昨日の日経新聞によると、那須どうぶつ王国は10月23日から、園内の飲食店5カ所で使用していたプラスチック製のストローやカップ、食器を紙製カップや木製・金属製の食器に切り替えた。
また、アクアワールド茨城県大洗水族館も、来年4月までにプラスチック製ストローを廃止。プラスチック製ナイフやフォークも見直しを検討するとのこと。
東日本を中心に多数の店舗を展開するスーパーマーケット・ベイシアは惣菜用容器を「紙と透明なフィルムでできた袋」*に切り替えた。
全国にカラオケ「まねきねこ」や温浴施設などを展開しているコシダカは、約530ある全店でストローを廃止、希望者にのみ提供する。
日本でもようやく、使い捨てプラスチックを提供することは「サービス」ではなく「CSRリスク」に繋がりかねないことが、認識され始めたようだ。
*ベイシアのウェブサイトを調べたところ、「紙と透明なフィルムでできた袋」とは袋型のハーフクリアパックのようだ。確かによくスーパーの惣菜コーナーで見かけるプラスチック容器よりもこの袋型の方がエコかもしれない。https://www.beisia.co.jp/企業情報/環境への取り組み
<出所>
日本経済新聞(2018.1.1)「「脱プラ」北関東でも コシダカ・那須どうぶつ王国」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37253130R01C18A1L60000/
オキシベンゾンとオクチノキサートの入った日焼け止めを2021年から禁止することを今年7月に議会で可決したハワイに続き、パラオでも日焼け止めが禁止される。
パラオではハワイよりさらに禁止成分が多く、全部で10種類。2020年からの禁止となる予定だ。違反者には1000ドル(約11万円)の罰金が科される。
禁止される10種類の化学物質のうち、4種類は環境ホルモン様作用があるそうだ。
<関連記事>
<出所>
BBC(2018.11.2)「パラオ、有害成分含む日焼け止めを全面禁止 世界初」↓
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-46068299
<その他のパラオの環境についての記事>
ウィーン医科大学などのチームが発表したところによると、日本を含む8カ国の人の便を調べたところ、全員の便から0.05~0.5ミリのマイクロプラスチックが見つかったとのこと。
便10グラム当たり平均20個が検出された。1人当たり最大で9種類のプラスチックだそうだ。
8カ国とは、日本、オーストラリア、フィンランド、イタリア、オランダ、ポーランド、ロシア、英国。これらの国に住む33歳から65歳の人の便を調べた。
食品包装などに使われるポリプロピレンや、ペットボトルの素材のペット樹脂などが多かったとのこと。
「食品の包装などに使われるポリプロピレンや、ペットボトルの素材のペット樹脂などが多かった。検出との因果関係は不明だが、食事の記録から8人全員がプラスチックで包装された食品や、プラスチック容器に入った飲み物を摂取していた。6人は魚を食べていた。米メディアは「ハウスダストや容器など、何に由来するのか調べる必要がある」との英ヨーク大の専門家の話を紹介した。
動物での研究によると、マイクロプラスチックの中でもごく小さいものは、消化器で吸収されて血管やリンパ管に入り込む可能性があるという。」
食品容器やペットボトルなどの飲料容器、魚介類などが主な由来(原因)として疑われているのだろう。
早急にもっと大規模な調査をして、どこの国のどのような生活をしている人からどのような種類のプラスチックが多く検出されるのか、そしてその影響について、調べて欲しい。
<出所>
日本経済新聞(2018.10.24)「人の体内に微小プラ粒子 日本含む8カ国、便で検出」↓
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3684888024102018CR0000/
イギリス政府はプラスチック製ストローの販売を禁止するため、意見の公募を開始した。海洋の自然環境保護を目的に、プラスチック製の綿棒や、飲み物をかき混ぜる棒も禁止するそうだ。
政府案では、イングランドで2019年10月~20年10月の間のいずれかの時期から禁止するとのこと。
一方、日本のストロー大手の日本ストローでは、生分解性プラスチックや紙製ストローの研究開発を急いでいる。熊本工場(熊本市)に約3億円を投じ、2018年中に研究開発拠点を新設。紙製ストローの製造機も導入した。
<出所>
日本経済新聞(2018.10.23)「英、プラストロー禁止へ意見公募」↓
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO3680232023102018EAF000/
同(2018.9.27)「ストロー最大手 研究開発拠点、水に溶けるストロー開発へ」↓
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO35827240X20C18A9TJ3000?s=1
今日の3時から開催された「中央環境審議会循環型社会部会プラスチック資源循環戦略小委員会(第3回)」の配布資料がなかなかアップされなかった。
3時頃ようやくアップされた、と思ったら、「プラスチック・スマートキャンペーン」のお知らせも公開された。
キャンペーンでお茶を濁すのか・・と悪い予感を感じつつ戦略の素案を見ると、新聞等の事前予告通り
「2030年までに、ワンウェイのプラスチック(容器包装等)を累積で25%排出抑制するよう目指します」
の文字。これが目標の目玉のようだ。
2030年までにプラスチック製容器包装の6割をリサイクル又はリユースし、かつ、2035年までにすべての使用済プラスチックを熱回収も含め100% 有効利用するよう、国民各界各層との連携協働により実現を目指します。
というのもある。「熱回収」を認めると、ほとんどが熱回収されそうだ。
適用可能性を勘案した上で、政府、地方自治体はじめ国民各界各層の理解と連携 協働の促進により、2030年までに、プラスチックの再生利用を倍増するよう 目指します。
導入可能性を高めつつ、国民各界各層の理解と連携協働の促進により、2030 年までに、バイオマスプラスチックを最大限(約200万トン)導入するよう目 指します。
再生利用を倍増といえば聞こえはよいが、2013年時点で再生利用率は22%しかない。2030年まではあと12年もあるのだから、倍増したとしても、EUの「EU市場に流通する全てのプラスチック製の包装材は2030年までに再生利用可能(再資源化率100%)」や、フランスの「2025年までに国内で使用されるプラスチックを100%リサイクル可能なものにする」などに比べればたいして高くない目標といえる。
レジ袋については、
ワンウェイのプラスチック製容器包装・製品については、不必要に使用・廃棄 されることのないよう、消費者に対する声かけの励行等はもとより、レジ袋の 有料化義務化(無料配布禁止等)をはじめ、無償頒布を止め「価値づけ」をす ること等を通じて、消費者のライフスタイル変革を促します。
とのことで、小売店の種類によっては有料化だけでなく、「価値付け」(単なるポイント付与)もOKとなる様子。
他にあまり見るべき案はなさそうだ。あとは一般国民にごみを拾わせる「プラスチック・スマートキャンペーン」でお茶を濁すつもりだろうか・・・
<参考>
環境省「議事次第・資料一覧」↓
http://www.env.go.jp/council/03recycle/post_148.html
環境省「プラスチック・スマートキャンペーン」↓
https://www.env.go.jp/press/106073.html
http://plastics-smart.env.go.jp
日本は、レジ袋やペットボトル、食品容器包装など使い捨てプラスチックを削減するためのプラ循環戦略の目標値を、「2030年までに現状からの25%削減」ということに決めたようだ。
レジ袋は、早ければ2020年に原則として有料化を目指すとのこと。国連環境計画や欧州、カナダなどに押された形で、「外圧」によりようやく・・といった感じだが、まだ目標値が低すぎるのではないか?
先頃、目標値を発表したマレーシアは、使い捨てプラスチックを2030年までにゼロを目指すとして、そのロードマップ(行程)を発表した。
レジ袋は原則禁止で、使用する分には課税する方針。
2019年1月1日からマレーシアの都市クアラルンプール、プトラジャヤ、ラブアンでは、使い捨てプラスチック製ストローの使用が全面禁止され、違反企業は2020年から貿易・食品取扱事業免許が更新されないそうだ。
マレーシアの目標は日本よりも、本気度が伝わる内容となっている。
JTBサイトによると、セランゴールド州でも2019年1月からレジ袋提供の規制が強化され、ポリスチレン容器も小売店などでの使用が禁止されるとのこと。
<参考>
朝日新聞(2018.10.17)「使い捨てプラ30年までに25%減 レジ袋原則有料検討」↓
https://www.asahi.com/articles/ASLBJ5DCDLBJULBJ00W.html
東京新聞(2018.10.13)「使い捨てプラごみ25%削減目標 環境省の戦略素案」↓
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018101301001633.html
Sustainable Japan(2018.9.29)「【マレーシア】政府、2030年までの使い捨てプラスチック製品禁止方針発表。2019年から大都市でストロー使用禁止」↓
https://sustainablejapan.jp/2018/09/29/malaysia-plastic-ban/34673
MALAYSIA’S ROADMAP TOWARDS ZERO SINGLE-USE PLASTICS 2018-2030
JTB LAPITA 「【マレーシア】レジ袋など提供禁止に、セランゴール州で来年1月から」↓
http://www.lapita.jp/2016/08/post-2174.html
「ピリカ」が今年5月から9月にかけて、関東や関西、米ニューヨークの河川や港湾計38カ所を調査した。
38カ所中37カ所からマイクロプラスチックが検出され、最大は大阪市内の大川(旧淀川)で1m3当たり19.8個。東京のお台場の水の広場公園で同17.6個。対するニューヨークでは最大1.29個で、日本のプラスチック汚染度が浮き上がったとのこと。
プラスチック片のうち、23%は人工芝だったそうだ。
ピリカでは浮遊状況を公開している。
ピリカ「マイクロプラスチック等浮遊状況データベース」↓
https://opendata.plastic.research.pirika.org
また、広島県は、カキ養殖パイプの散乱が多いことを受け、実態調査を今秋から開始する。
<参考>
環境金融研究機構(2018.10.15)「東京、大阪の河川・港湾部でのマイクロプラスチック汚染、民間調査で判明」↓
毎日新聞(2018.10.12)
海洋プラスチック汚染はいまや待ったなしの状態で、使い捨てプラスチックは早急に減らす必要がある。
中でもレジ袋は、生物への悪影響や代替品の存在、使用時間の短さなどから「なくてよいもの」の筆頭だ。そのため海外では、既にレジ袋を60カ国以上の国で規制し、フランスやケニアなど既に禁止している国も多い。
しかし日本では、レジ袋禁止は難しいだろうと思っていた。イギリスや中国と同様に「有料化」で進むだろうと。
しかし、一昨日発表された環境省の提案はなんとポイント付与でもOKにするようだ。
環境省が、レジ袋の有料化や辞退する客へのポイント付与といった「プライシング(価格付け)」を、スーパーやコンビニなどの小売店舗に義務付ける方針を固めたことが12日、分かった。容器包装リサイクル法などの関連法改正も視野に、19日に公表する「プラスチック資源循環戦略」の素案に盛り込む。
この期に及んでまだ「ポイント付与」とは・・・開いた口が塞がらない。
最低でも「有料化」だろうと思っていた。「ポイント付与」と有料化とでは効果に雲泥の差がある。
一体誰がジャマをしているのか。少し前までの報道には、環境省は小売店でレジ袋を有料化する方針としか書かれていなかった。しかし、にわかに「ポイント付与」が加わった。
セブン・イレブンが有料化を検討しているという『オルタナ』の報道により、これで有料化はスムーズにいくだろう、と思っていたが、その後の報道でセブン・イレブンがその件で口を閉ざしている様子が感じられた。そのため、セブン・イレブンは環境省から自らに有利な条件(例えば、5円はイヤだ イトーヨーカドーと同様2円にしたい、だからレジ袋辞退率の目標を設定せず単に「有料化」であればよいとせよ、など)を引き出すための交渉で迷っているフリをしているだけだろうと思っていた。
しかし、まさか「ポイント付与」などというほとんどレジ袋が減らないことまで条件に加えるとは思っていなかった。
セブン・イレブン以外の大手コンビニで、有料化を嫌がるところがあるとは思えないが・・・まさかローソンが嫌がっているのだろうか?
しかし、ローソンは既に新潟県佐渡市内の8店舗で有料化を実施している。有料化によるレジ袋辞退率の効き目を十分知っているはずだ。セブン・イレブンが「有料化」のリーダーシップを取ろうとしていることに、ケチを付けるためだけに、これほど重大なことを言い出すとは考えにくい。
一体、誰が「ポイント付与」などということを言い出したのかわからないが、それを真に受ける環境省は本当に情けない組織だ。この「ポイント付与」が、どれほどレジ袋削減に効果がなく、その上有料化協力店の足を引っ張る愚策だということを、環境省は知っているはず。環境省の背後で、経産省や経団連がにらみをきかせているのだろうか?
それとも、消費税10%を予定通り強行したい自民党が、レジ袋有料化を和らげるため「ポイント付与」などという馬鹿げた提案をプラスチック戦略会議の「素案」に加えるよう、原田環境相を説き伏せたのだろうか?
いずれにせよ、レジ袋の海洋への悪影響はストローの比ではない。タイで瀕死の状態で見つかったクジラのお腹から、80枚ものプラ袋が出てきたこともまだ記憶に新しい。
このような低レベルの「戦略」がG20で発表されれば、世界からヒンシュクを買うことは間違いない。
(補筆2018.10.16)日経新聞(2018.10.16)によると、環境省は、コンビニにもレジ袋有料化を義務付け、レジ袋1枚当たり数円の支払いを想定しているとのこと。一体どちらが本当だろうか?コンビニやスーパーでは有料化し、もっと小さい個人商店はポイント付与ということだろうか?
日経新聞(2018.10.16)「コンビニでもレジ袋有料化 環境省、数円を想定」↓
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36493620V11C18A0MM8000/?n_cid=NMAIL007
(補筆2019.12.26)
12月25日開催のレジ袋有料化検討小委員会で、環境省からレジ袋価格は1円以上にするという説明があった。
https://www.env.go.jp/recycle/council/03recycle/yoshi03-13.html
<引用文の出所>
JIJI.OM(2018.10.12)「有料化、ポイント付与を義務に=レジ袋削減へ取り組み強化-環境省」↓
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018101201218&g=eco
ハザードラボ(2018.6.5)「悲報!漂着したクジラの腹からビニール袋80枚8kg分!タイ」↓
最近プラスチック問題の動きがめまぐるしく、フォローしきれていないが、今度は農水省がプラスチックごみ削減のための有識者懇談会を開催するとのこと。
有識者には大学院教授のほか、環境省や経産省の代表も参加。29日に初会合だそうだ。
懇談の内容は、食品容器包装のほか、レジ袋や飲料カップ・フタなど食品産業の関わるプラスチック全般が対象。
初会合は10月29日。来年3月までに3回開催し、食品産業の今後取り組むべき方向性をまとめるとのこと。
環境省の3回のプラごみ戦略会議もあと残り1回を開催した後、パブコメに入るようだ。市民団体を含め、各方面の動きが慌ただしい。
<出所>
時時通信(2018.10.11)「プラごみ削減へ有識者懇談会=食品の容器包装-農水省」↓
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018101101149&g=eco
毎日新聞(2018.10.11)「農水省 プラごみ削減へ有識者会議 対策とりまとめ」↓
https://mainichi.jp/articles/20181012/k00/00m/020/110000c?fm=mnm