タラのお腹からペットボトルが出た!

中国の「人民網日本語版」という記事に、「深刻なプラスチック汚染 リサイクルに努力する日本」という記事があると知り読んでみた。

なかなか日本に好意的な記事で、日本のリサイクル事情を紹介している。

日本がもし容器包装リサイクル法を改正し、製品プラスチックの回収も始めるとすると、回収費用が現在より19%上昇し、63円/kgになると、私の知らなかった環境省の試算まで記載されていた(現在のペットボトルとプラスチック製容器包装を合わせたコストが53円/kgだそうだ)。

ついでに過去記事を見たところ、なんとタラのお腹の中にペットボトルが入っていたというノルウェーの記事も紹介されていた。

写真を見ると、お腹の中には、上部が取れたペットボトルが突き刺さるように入っている。

お腹から出した後のペットボトルも写っているが、かなり大きなペットボトルのようだ。

デポジット制度により97%以上が回収されているノルウェーのペットボトルであるとは考えにくいが・・・どこのペットボトルで、上部はどこへ行ったのだろうか?

ノルウェー西部で捕まえた12kgのタラだそうだ。

<出所>

人民網日本語版(2018.4.11)「海洋汚染が深刻なノルウェー 捕まえたタラのお腹の中にペットボトル」

http://j.people.com.cn/n3/2018/0411/c94638-9447923.html

人民網日本語版(2018.7.30)「深刻なプラスチック汚染 リサイクルに努力する日本」

http://j.people.com.cn/n3/2018/0730/c94476-9486046.html

プラごみも温暖化の一因?プラから温室効果ガス放出

プラスチックは劣化が進むとメタンやエチレンなどの強力な温室効果ガスが放出されると、アメリカ・ハワイ大学マノア校の研究チームが発表した。

特にレジ袋などの原料であるポリエチレンが、最も温室効果ガスを放出するとのこと。

プラスチックは海洋を汚染し、生物に被害をもたらすのみならず、地球温暖化も促進するようだ。

<出所>

AFP(2018.8.2)「プラスチック、劣化で温室効果ガス放出 米研究」↓

http://www.afpbb.com/articles/-/3184681

パリ市が炭酸水の給水器設置 目的はPET削減

パリ市が、水道水に炭酸ガスを注入した炭酸水の無料給水器を設置した。

これまでも給水器を設置していたが、炭酸水は初めて。2020年までに20カ所に設置する予定とのこと。

市民が市販の炭酸水を買わずにすむことで、プラスチックごみを減らすのが目的だという。

一方、日本は、いまだに会議の場にペットボトルを並べることも多く、公共施設に自動販売機を設置している自治体も多い。

日本も、炭酸水とまではいかなくても、東京オリンピックまでに給水器をもっと増やさないと、「おもてなし」とはいえない。持続可能なオリンピックを目指すならば、観光客や住民がペットボトルを買わずにすむよう給水器を増設することを、東京オリンピックのレガシーの1つにしたらどうだろうか?

<パリ市についての出所> alterna

パリ市が「炭酸水」の飲水機増設、PET削減に一役

レジ袋有料化反対客に屈した豪スーパーに批判殺到

レジ袋有料化が進むオーストラリアで、2018年8月1日、大手スーパー「コールズ」が有料化に強く反対する一部の顧客に屈し、プラスチック製レジ袋を無期限で無料配布することを発表した。

すると、ツイッターでコールズへの批判が相次いだという。

<出所>

liveddor NEWS(2018.8.1)「プラ製のレジ袋の提供を続ける豪のスーパー SNSで批判が殺到」↓

http://news.livedoor.com/article/detail/15096556/

 

英国のスーパー 国に先駆けてデポジット制度開始

今年3月、国としてデポジット制度を採用することを決めた英国で、大手スーパーが国に先駆けてデポジット制度を開始している。

英国のスーパーMorrisonは、英国内の2店舗に自動回収機を設置し、ペットボトルを入れると店で利用できるクーポンか、あるいは慈善団体CLIC Sargentに1本につき10p寄付できる。

一日最大20本で、寄付ならば1本10p(16円程度か)の現金、クーポンの場合は一日最大100ポイントとのこと。

少なくとも日本のスーパーなどでよく見かける0.2円分のポイント(500本集めないと100円にならない!)しかつかないペットボトルの自動回収機より散乱防止効果がありそうだ。

Morrisonは最近、プラスチック使用を減らすため、買い物客が肉や魚を買う際に、みずから持参した容器を使うことを認め、さらにプラスチック製透明袋の代わりに茶色の紙袋を置いている。

<出所>

Climate Action(2018.7.18)Morrisons supermarket to trial plastic bottle return scheme;

http://www.climateactionprogramme.org/news/morrisons-supermarket-to-trial-plastic-bottle-return-scheme

Morrisons launches plastic bottles deposit return scheme trial

ケニアのレジ袋禁止から1年 その後の状況

昨年8月、世界で最も厳しいといわれたレジ袋禁止法が施行されたケニアでは、「100%とはいえないが禁止法はうまくいっている」(国家環境管理庁副長官)とのこと。

以前は、食肉処理場で10頭に2〜3頭の割合で牛の胃袋からポリ袋が見つかっていたが、誤飲は減り、戸惑っていた市民も布製バッグなどを持ち始めた。

しかし、青空市場で野菜などを売る店は、持ち帰り用に繊維でできた袋などを置き、それを無料で渡しているが、ポリ袋より高価なため利益は半減。ポリ袋を使って売ろうとして逮捕される例もあったという。

ケニア製造業者協会(KAM)は、禁止令に反対し裁判をおこしたが敗訴。方針を転換し、次の禁止対象とされるペットボトルの自主回収など廃棄物管理に関与することで、業界の意見を聞いてもらおうとしている。

「プラごみによる汚染は人々の健康を脅かし、ケニア経済の多くを占める観光収入の減少を招いてきた」(政府顧問を務める環境専門家)。

ケニアの今後の課題は、ポリ袋以外のプラスチックも禁止することと、既に処分場(ごみの山)に集まっているこれまで使ったプラスチックごみを処理することであり、また、人々の家にたまっているプラスチックの回収・処理システムの構築である。

<出所>

毎日新聞(2018.7.30)「ポリ袋「ノー」 ケニアの挑戦(その1)「世界で最も厳しい」禁止法」↓

https://mainichi.jp/articles/20180730/ddm/001/040/192000c

毎日新聞(同)「ポリ袋「ノー」 ケニアの挑戦(その2止) ポリ袋使用、まさかの逮捕 厳罰立法、市民の怒り後押し」↓

https://mainichi.jp/articles/20180730/ddm/003/040/068000c

毎日新聞(2018.7.29)「世界で最も厳しいポリ袋禁止法 ケニア」(動画)↓

https://mainichi.jp/movie/video/?id=5815284960001

イケア 使い捨てプラスチック製品全廃、ビーズソファは?

家具大手のイケアは先月、2020年までに店舗やレストランからのすべての使い捨てプラスチック製品を段階的に廃止する方針を発表した。

対象は、プラスチック製ストローや皿、カップ、冷凍用袋、プラスチックでラミネートされた紙コップや紙皿などで、代替製品に置き換えるとのこと。

とてもよいことだと思う。

しかしイケアには、無印良品などと同様、ビーズソファやビーズクッションなども売られている。これらはもちろん使い捨てではないが、あまり長持ちしない製品である。たとえ補充用ビーズが売られていたにせよ補充しながら長年使う人が多いとは思えない。

廃棄時にも気を使う。処分方法によっては、中身のマイクロビーズが飛び散らないかと気になって仕方がない。もし飛び散った場合、細かいから回収は不可能だろう。

世界のマイクロビーズ規制は、パーソナルケア製品が中心だが、このような製品にも規制をかけるべきではなかろうか。

環境をウリにするならば、このような製品の販売も自粛してほしい。

スウェーデンの家具チェーンはすでに石油系プラスチック製品を段階的に廃止することを約束している。2020年8月までにはすべてのプラスチック製品にリサイクル材を使用するとのことだが、この手の製品は率先して廃止すべきだ。

<イケアの使い捨てプラスチック製品廃止についての出所>

The Guardian(2018.6.7)Ikea commits to phase out single-use plastic products by 2020,

https://www.theguardian.com/business/2018/jun/07/ikea-commits-to-phase-out-single-use-plastic-products-by-2020

<関連記事>

日本のイケアも使い捨てプラ 販売中止

日本ではプラ製ストロー 廃止されない?

スターバックス(2020年までに全世界で)やマクドナルド(英国とアイルランドのみ)など、ストローをプラスチック製から紙製に切り替えると発表するファーストフードチェーンが増加している。

アメリカン航空も、プラスチック製ストローの提供を中止すると発表した。欧州の航空会社も、国がプラスチック製ストローを禁止する方針を打ち出しているところは、早晩紙製に切り替えるかあるいは中止すると発表するだろうことは想像に難くない。

ストローが鼻に突き刺さったウミガメを押さえ、ペンチでストローを抜こうとしている動画が世界中に配信されてから、世界の流れが「たかがストロー」から「ストローは危険」という考えに大きく変わった気がする。

そんな中、日本の動きは相変わらず鈍いと思っていたところ、「プラ製ストローは日本では廃止されない?」という記事を見た。

ストローの国内トップメーカーの主張によると、コストと品質の問題らしいが、それに加えて処分方法をあげる。

欧米はごみを埋め立てるが、日本は焼却するため、埋立地からストローが流れ出すことはない、そのため日本でストローのリサイクル率を上げれば、CO2削減にもなるから問題ない、という主張だ。

しかし、今後日本がストローを焼却せずリサイクルするようになったとしても、脱プラスチックの流れは変わらないだろう。(*仮にリサイクルするようになったとしても、そのリサイクル費用を誰が負担するのか?生産者責任を適用するならば、プラスチック製ストローの価格は確実に上がりコストメリットはなくなる。)

どんなに啓発しても、ごみをポイ捨てする人はどこの国にもいる。また、自分ではきちんと処分したつもりでも、意図せず処分行程から漏れ散乱することはいくらでもあり得る。

それらが環境に悪影響を与えるならば、製品の素材を変更するか、使用を禁止するのは当然で、日本は変更しなくて大丈夫、などという根拠はどこにもない。

<参考>

産経ニュース(2018.7.13)「プラ製ストローは「日本では廃止されない」? 国内トップメーカーが主張する理由」↓

https://www.sankei.com/economy/news/180713/ecn1807130013-n1.html

ナショナルジオグラフィック(2015.8.20)「鼻にストローが刺さったウミガメを救助」↓

http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/081900226/

 

ドミニカにプラスチックごみが大量漂着

海流や風の影響か、ドミニカ共和国に突如、大量のプラスチックごみが漂着し、軍や地元当局、市民らが連日清掃作業に追われているそうだ。

ここ数日で60トン回収したが、毎日新たなごみが流れ着くとのこと。

海水が見えないほどのこの大量のプラスチックごみは、一体どこから来たのだろう?

TBS NEWS(2018.7.21)「ドミニカ共和国に大量のプラスチックごみ漂着、軍などが清掃活動」↓

http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3427219.html

JEANが「海洋プラスチック憲章」への署名を呼びかけ

漂着ごみや散乱ごみの調査やとりまとめをしている非営利団体のJEANが、日本とアメリカが拒否した海洋プラスチック憲章への署名を呼びかけるため、署名キャンペーンを開始した。

「プラスチックごみによる海洋汚染は国際問題です。日本政府も国際社会の一員として一日も早く『海洋プラスチック憲章』に署名し、世界の動きに追いついてください」↓

https://chn.ge/2NyGjwB

一般社団法人JEAN↓

http://www.jean.jp

JEAN版プラスチック憲章全文仮和訳↓

https://www.change.org/p/13394752/u/23297947?utm_medium=email&utm_source=petition_update&utm_campaign=429192&sfmc_tk=5KLs5c1XteHUEcuknEMDvGW5Qh7g%2fAlO7Kdzgwgp0PYloXzzRE%2fMql2YkkeqWZ39&j=429192&sfmc_sub=534725843&l=32_HTML&u=65477595&mid=7259882&jb=23