神宮外苑再開発について、都知事が答弁。意味不明

東京新聞(2022.3.9)によると、小池都知事は9日、神宮外苑の再開発について議会で質問された際に、「新たな神宮外苑として、次の世代につなげていくことは創建の趣旨にかなう」と答えたとのこと。

小池知事は

「民間事業者は先人の思いや歴史にも思いをはせながら、1本1本の樹木を大切に扱い、樹木の状態などの詳細な調査を行って極力保存または移植をし、事業を進めることとしている」

と述べたそうだが、1000本もの樹木を気遣う気が本当にあるのか疑問だ。

もし、本当にその気があるならば、神宮球場と秩父宮ラグビー場の場所を入れ替えるような大がかりなことはしないはず。入れ替えなければ、伐採せずに済む樹木は相当あるはずだ。

また、高層ビルの建設も中止するはず。

こんなことが、「次世代につなげていくこと」に本当になるのだろうか。都内は、他に旨みのある開発地がなくなったから、こんな歴史的な風致地区にまで手を伸ばしたのではないか。

<出典>

東京新聞(2022.3.9)

https://www.tokyo-np.co.jp/article/164694

神宮外苑の樹木約千本を伐採?!小池都知事の低いエコ度

小池都知事は元環境大臣だから、少しは環境に配慮する人だと思っていたが、まったく違ったようだ。

都会のオアシスである神宮外苑の木を1000本近く伐採し、商業施設を含む高層ビルをゾロゾロと建てるという。

東京都都市計画審議会で賛成多数で承認されたそうだが、このようなトンデモ案に一体どういう人たちが審議会で賛成したのか?

「文化遺産保護の提言などを行う「日本イコモス国内委員会」は7日、東京都へ見直しを提言した」とのことで、少しホッとしたけれど、これですんなり止まるとは思えない。

ドイツでは、ある一定以上のサイズ(樹齢?)の自宅の庭木を伐る時でさえも許可が要るほど、古い木は大切にされていると聞く。神宮外苑の樹木のような木を伐採するような野蛮な計画は、ドイツではあり得ないだろう。

「892本を伐採する代わりに、エリア全域に新たに979本を植樹する」(NHK)とのことだが、樹齢100歳の木と苗木とではCO2備蓄量や生物多様性は全く変わる。代わりにはならない。

なぜ日本は開発優先なのか??とても残念で情けない。

こんなに商業施設があふれ、空きビルもある東京に、なぜまだ必要なのだろうか。

<参考>

https://www.tokyo-np.co.jp/article/158883

https://www.tokyo-np.co.jp/article/159304

https://www.nhk.or.jp/shutoken/newsup/20220215a.html

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/301246/2

ガンバレTBS やっぱりコワイ「ネオニコ系農薬」

TBSのネオニコチノイド系農薬の報道特集番組がとてもよかった。

ネオニコ系農薬の危険性を訴える複数の研究者が登場し、危険性を指摘する。

番組はまだ下記で公開されている↓

放送後、やはり農薬業界から以下のような反論があった。

https://www.jcpa.or.jp/news/20211112.html

それに対し、TBSが「放送後記」を発表している。

◎TBS NEWS(2021.12.21)「報道特集「ネオニコ系農薬 人への影響は」(11月6日OA)放送後記」

https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4424402.htm?1639434234118

グリホサート農薬なども同様だが、メディアなどが危険性を指摘する番組や雑誌を発表すると、農薬メーカーはことごとく撤回させようと、圧力をかけてくる。

おかげで多くのメディアは萎縮し、報道を自粛してしまう。

TBSにはぜひ頑張ってほしい。

米カリフォルニア沖、パイプラインから原油流出

カリフォルニア沖で石油採掘施設のパイプラインが破損し、これまでで約57万リットルもの原油が流出した。

航行中の船のいかりがあたったようだとのこと。

動画に、浜辺で清掃作業員が原油の塊を除去している様子などが映っている。海鳥にも被害がでて、何羽か救助したそうだ↓

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/67255

渋谷区の共同生ごみコンポスト「コムハム」

渋谷区の学校で、生ごみを水と二酸化炭素に処理する「コムハム」という微生物技術を使ったコンポストを設置したところ、4月~7月の間に約300キロの生ごみを校内で処理できたそうだ。

「コムハム」は食べ残しや生ごみを約1日~3日で98%二酸化炭素と水に気化するという高速処理で、堆肥を作らないそうだ。堆肥がほしい人は、作る事もできるという。

普通のコンポストは、生ごみが消えるまでもっと何日もかかるので、もしカボチャの種やアボガドの皮なども早く消えるとしたら、かなりすごい。

虫はわかないのだろうか?

我が家の生ごみ処理器(キエーロ)は手入れが悪い上、なんでもかんでも入れていたため、虫がわいてしまった。今は、コーヒーかすのような分解しやすいものだけは入れるが、難しそうなものはしばらく入れていない。

先日、虫を寄せ付けないようにするため、土の上に薄めた酢をまいてみた。効果はまだよくわからないが、そろそろ野菜くずの投入も再開しようかと思っている。

<参考>

恵比寿新聞(2021.9.14)「渋谷区で生ごみを処理するシェアリングコンポストを街中に設置し街の人が運用する実証事業がスタート。対象は恵比寿ブロック(氷川地区)!」↓

農薬を室内にまかずに済む「むしキャッチリー」が良さげ

時代は「逃虫」(とうちゅう)ということで、虫を捕獲し、外へ逃がすグッズを大学生4人と企業が共同で発売したそうだ。

確かに良いアイディア。

そもそも殺虫剤の成分は、ピレスロイド系やネオニコチノイド系などの農薬だ。こんなものを室内にまけば、吸い込んでしまい自分にも害がありそうだ。まいたあとの壁や床に成分が残っていたらと考えても恐ろしい。忌避剤では、既に自宅に入ってきてしまっている虫には手遅れだ。かといって、果敢に虫に立ち向かい、バシッと新聞紙で叩き潰す勇気はない・・。そういう人は多そうだ。

私もいつもクモを見つけると、古い大きめの紙封筒で捕獲し、外へ逃がしていた。紙封筒はゴワゴワしているので、隙間から逃げてしまい、捕獲に失敗することもある。

しかし、夜にクモを殺してはいけない、と子どもの頃に聞いたことがある。夜、クモを殺すと「ヨクモ殺したな」と、クモが仕返しにやってくるのだとか・・。おそらく益虫であるクモを殺させないために、昔の人が考えたダジャレだろうが、殺すのをためらうには十分だ。

時代は、殺虫ではなく、逃虫。確かに。

※プラスチック製というのが少々気になる。

<参考>

東京新聞(2021.9.15)↓

「殺虫、防虫ではなく「逃虫とうちゅう」 触らずに捕獲して家の外へ…日大生のアイデアがコンテストで優勝し商品化」

https://www.tokyo-np.co.jp/article/131001?rct=national

レアメタルやダイヤモンドが生態系を滅ぼす

温暖化対策で電気自動車などの普及が進んでいる。リチウムイオン電池に使われるリチウムやコバルトの採取が各地で生態系を破壊している、という報告がある。

先日、FoEがおこなったセミナーによると、それら鉱山やアグリビジネスのせいで、2019年だけで200人以上の人々が殺されたそうだ。開発に反対した先住民や現地の住民達だ。

最近では、工業用ダイヤモンドを採掘しているアンゴラの工場から垂れ流された有害物質によって、コンゴの川が赤く変色。カバや魚の死骸が流れているという。

https://www.afpbb.com/articles/-/3361696

アフリカのダイヤというと、かつての映画「ブラッド・ダイヤモンド」や「コンゴ」を思い出すが、ダイヤモンドの被害は採掘現場だけでなく、工場から排出される化学物質により、カバまで殺されるようだ。

以前参加した大阪の市民団体・ウータンの学習会では、講師が「電気自動車が普及すると、コンゴの森がなくなる」と話していた。

レアメタル採掘により、生態系は破壊される。しかし、温暖化は待ったなしで迫っている。

解決策は、斎藤幸平氏のいう「脱成長」しかないのだろうか?

FoEではセミナーの動画を公開している↓

インターナショナル・ペレットウォッチの論文が公開、難燃剤のレガシー汚染

東京農工大の高田秀重先生たちのインターナショナル・ペレットウォッチの論文が公開された。

全文ダウンロードできる。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/emcr/1/0/1_20210002/_html/-char/en

タイトルは、International pellet watch: Global monitoring of polybrominated diphenyl ethers (PBDEs) in plastic resin pellets(機械翻訳:国際ペレットウォッチ:プラスチック樹脂ペレット中のポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)のグローバルモニタリング)。

西ヨーロッパや日本も汚染濃度が高いが、アメリカはもっと高い。

他のアフリカ諸国はあまり汚染濃度が高くないのに、ガーナだけがなぜか特に高いようだ。

直接の関係はないとは思うが、ガーナでは今春、イルカや魚がナゾの大量死をしているという報道があったので気になる。

AFP(2021.4.6)「魚が謎の大量死、イルカ60頭の死骸も ガーナ」↓

https://www.afpbb.com/articles/-/3340616

クジラやイルカのPCB濃度は高位安定、ペットボトルのキャップからも環境ホルモン

「2003年から2020年までの珠江河口からの幼生および成体のクジラ類におけるポリ塩化ビフェニル(PCB)の歴史的変化」という論文が発表された。

https://www.sciencedirect.com/journal/science-of-the-total-environment/vol/800/suppl/C

PCBは難分解性で体内に蓄積されやすい環境ホルモンだ。何十年も前に禁止されたとはいえ、まだ水中に残留している。クジラのような食物連鎖の上位にいる生物への蓄積は避けられない。

人間にもおそらく蓄積されているのではないだろうか。

また、同じ論文誌に東京農工大の高田先生たちの論文も掲載された。

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0048969721044478

ペットボトルのキャップなどからベンゾトリアゾール系の化学物質が検出されている。紫外線吸収剤として使用されたもののようだ。

ベンゾトリアゾール系物質はPCBと同様、難分解性で体内に蓄積されやすい。

この手のレガシー汚染濃度は、時間がたってもあまり減らないようで、恐ろしいが、ベンゾトリアゾール系物質はまだ使用中の化学物質だ。

やはりペットボトル飲料などは、使わないに越したことがない。

1歳の雌死亡、シカのレジ袋被害は止まらない

奈良のシカはプラスチックごみを誤食し、被害を受けている。プラごみのなかでも、レジ袋のようなフィルム状のものは特に被害を受けやすい。紐状になり、排泄も吐き戻しもできずに、第一胃にたまったり、張り付いたりするからだ。

レジ袋有料化により、多少はレジ袋が減った。レジ袋が減った分だけ被害も減っただろうが、今でも有料化の抜け穴を利用して、レジ袋を無料で配っている店も多い。

また、有料で購入する人も少なくない。1円2円などと安く買えるため、その程度の値段ならばとためらわず買う人も多いのだ。

そのため、奈良のシカの被害は止まらない。

奈良の鹿愛護会のブログによると、1歳の雌ジカがプラごみを食べたことにより死亡したという。誤食したプラごみの写真を見る限りでは、レジ袋のようだ。

「プラスチックごみが第一胃の奥の方に詰まっており、それより先の消化管に食べ物があまり入っていなかったことから、プラスチックごみが食べ物の通過を邪魔して栄養不良となり、死亡に至る原因の一つになったのでは、と推測」されるとのこと。

<参考>

一般財団法人奈良の鹿愛護会ブログより