恥ずかしい大阪万博 人工芝の上に子ども達の絵画

大阪・関西万博の会場で、参加158国・地域と日本の子どもたちが、友情や平和を主題に共同制作した巨大絵が展示されたそうだ。

https://www.kobe-np.co.jp/news/society/202508/0019313642.shtml

よりにもよって、人工芝の上に、だ。

スイス・ジュネーブで開催中の国際プラスチック条約では、プラスチック生産量に制限をもうけるかが議論のカギとなる。未来をうたいながら、万博会場に人工芝を敷いたこと自体とても恥ずかしいのに、子ども達の絵などを飾ったら、人工芝がより目立ってしまう。

日本は世界の子どもたちの未来など知らない、プラスチックにまみれようがどうしようが構わない、とアピールしているようなものではないか。

日本政府はあくまでも、プラスチック問題は海洋汚染問題であり、不適切な廃棄物処理の問題だとして、プラスチックをあちこちに使えるよう「配慮」し、生産量を増やそうとしているように見える。

中国の「デフレ輸出」の影響で最近、アメリカでシェールガスから作ったポリエチレン樹脂が、中国経由で日本にも入ってきているのではないか。人工芝もそれで安く作られそうだ。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB144I70U5A710C2000000/

人工芝はヒートアイランド現象をも加速する。この猛暑を少しでも緩和するため、人工芝などさっさと剥がし、本物の草木を植えてほしい。

GP調べ:「プラスチック生産量削減すべき」が69% 

国際環境NGOのグリーンピースが、国際プラスチック条約第5回政府間会合再開セッション(INC5.2)を前に、1000人を対象に意識調査を行った。

「プラスチックの世界生産量を削減するべきと思うか聞いたところ、「削減するべきだとある程度思う」が39.1%で、「削減するべきだと強く思う」29.7%と合わせると、削減するべきだと思う人は合計68.8%となり、「削減するべきだとあまり思わない」4.3%、「削減するべきだとまったく思わない」3.8%を大きく上回った」そうだ。

プラスチックの生産量は、2050年までに約3倍増えると言われている。削減しないと人類に未来はないから、削減しなくてもよいと考える人は、2050年まで生きていない人(生きている気のない人)なのだろうか。

8月にスイス・ジュネーブで開催される会議には、日本政府からも代表団が参加する。中東の産油国やロシア、アメリカなどに同調しているようでは、税金を使って参加する意味はない。

「生産量を削減すべき」と堂々と主張し、意義のある条約を締結してほしい。

1日平均7万個のマイクロプラを吸い込んでいる

私たちは、大気中のマイクロプラスチックを毎日吸い込んでいる。問題はその数だ。

屋内で7万個吸い込んでいるというフランスの研究結果が公表された。

https://www.vietnam.vn/ja/nghien-cuu-gay-soc-con-nguoi-hit-hon-70-000-hat-vi-nhua-moi-ngay-trong-nha

私が今まで読んだ論文の中で最も大きかった数字は、中国の屋外の大気から割り出した数字で、1日5万個のマイクロプラスチックを吸い込んでいるというものだった。それがさらに増えたようだ。

「成人が毎日これらの環境から吸い込むマイクロプラスチック粒子はおよそ71,000個で、そのうち68,000個は10マイクロメートル未満のマイクロプラスチック粒子だと推定」されている。

10マイクロメートル未満は、体内に取り込まれてしまうサイズだ。つまり、大気から取り込むほとんどのプラスチック粒子は、排泄されないということだ。

屋外より屋内の方がマイクロプラスチックの濃度が高いことは、これまでの研究でも示されている。今回は車内の大気も測定したため、数字が跳ね上がったようだ。

車内がなぜそれほどプラスチックで汚染されているのかわからない。プラスチックに囲まれた密閉空間だからだろうか?

カーペットから大量のマイクロプラスチックが発生していることは確かだろう。

それとも、車の換気口から取り込む外気が、路上に近いため、タイヤ屑や道路標識のマイクロプラスチックでひどく汚染されていて、それを取り込むせいだろうか?

いずれにせよ、マイクロプラスチックの取り込みを減らすには、車にあまり乗らないのが良さそうだ。乗る場合は、せめてこれ以上車内にプラスチック製品を持ち込むことはやめた方がよい。

電車やバスの車内も測定してほしい。

EU、使い捨てプラ規制の推進を加速

欧州では国際プラ条約に向け、使い捨てプラ規制の推進を加速しているとのこと。

https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/hedgeguide/business/hedgeguide-esg214047

特にクロアチアが頑張っているようだ。

クロアチアにはプラスチックフリーの島「ズラリン島」がある。

https://www.turistickeprice.hr/ja/本当に訪れる価値のあるクロアチアの緑豊かな目的地の持続可能な観光/

こういうところなら、安心して観光できそうだ。日本にもこんな島があれば、ぜひ行きたい。

相模原市、3M社敷地内のPFAS臨時調査結果を公表 3Mは今後の対応を公表

相模原市が3M(スリーエム)社の報告を受け、7月7日に行った南橋本の同社敷地内井戸での臨時調査結果を公表した。

「令和7年度有機フッ素化合物(PFOS等)臨時調査結果について(令和7年8月1日相模原市報道発表資料)」によると、敷地南東にある観測井戸は合計で5100ng/L(PFOSが4800、PFOAが300)。

「現在、事業者がPFOS等の管理と浄化に関する技術の導入を検討していることから、取組状況を注視してまいります」とのことだが、これまでの市の対応を見る限り「注視=やさしく見守る」という程度の意味だろう。

この数値は今までの同社敷地内の井戸よりも低いように見える。これまでも敷地内にある複数の井戸の調査をしているが、これまでとは別の井戸を調査したようだ。

一刻も早く、PFAS入り汚染水の放流をやめ、汚染土壌も入れ替えてほしい。

それにしても、なぜ日本の自治体は、市民よりも事業者を優遇するのか。イタリアやアメリカのように事業者に汚染の責任を取らせることは、日本ではできそうもない。

<3M社の今後の対応>

「スリーエム ジャパン イノベーション株式会社 相模原事業所内におけるPFASの検出とその対応について(7月2日更新分)」

https://news.3mcompany.jp/Sagamihara

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カニカニ・サギの次は…

またサギ電話が来た。

今度はカニとはいわず、北海道の海産物とのこと。自社名はいわなかった。

前回は中年女性の声だったが、今回は若い男性の声。もしかしたら、学生のアルバイトかも?騙されかけた前回と比べ、口調は滑らかでない。

しかし、ふてぶてしい。あたかも送って当然のように、「8月4日まででしたらいつでも送れます。いつにしましょうか?」とのたまう。

「は?結構ですけど」というと、食い下がらずあっさりと切れた。

まだ電話かけの練習中だったらしい。

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熊本市内で新たなPFAS汚染井戸が見つかる PFBSやPFBAは大丈夫?

以前からPFAS汚染が問題になっていた熊本市で、新たに17か所の井戸で国の暫定指針値を超えていたことがわかった。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/kumamoto/20250722/5000025808.html

熊本市のように地下水を水源にしている市の地下水が汚染されてしまうと、本当に困る。

産廃処分場からのPFAS汚染だけでも問題だったのに、なんで半導体工場などまで誘致してしまうのか・・と残念に思うが、よそ者にはわからない事情があるのだろう。

熊本県は豊富な地下水のせいで、半導体工場から選ばれやすい環境にある。また公害が起きるのではないかと心配だ。

この記事にはPFOSとPFOAのことしか書かれていないが、半導体工場ではPFBSやPFBAといった半導体製造で使われるPFASが心配だ。

日本が国レベルで、PFBSやPFBAを規制する気は当面ないだろうから、せめて市あるいは県レベルで規制すべきではないか。できないことはないはず。

水はカネより大事だ。

プラスチック中毒になった生物

最近の研究で、プラスチックの味を学習する生物の話があった。

プラスチックの味を学習すると、マイクロプラスチック入りのエサの方が美味しいと感じるようになり、積極的に選ぶようになるそうだ。

香港の香港理工大学(Hong Kong Polytechnic University)で行われた研究によって、動物がマイクロプラスチック入りの餌を繰り返し食べることで、やがて汚染された餌を「おいしい」と認識し、積極的に選ぶように学習してしまう可能性が明らかになりました。(ナゾロジー2025.7.22)

元論文はこれ↓

https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.estlett.5c00492

人間も既にしっかりプラスチックの味や感触を学習し、食べ物も環境もプラスチックだらけの方が落ち着くのかもしれない。

そうでなければ、ペットボトルや人工芝などこれほど売れるはずがないような気がする。

環境も心配だが、プラスチック中毒になった人類の健康への影響が気になる。

米研究:海洋のプラスチック汚染が高い地域は、心臓疾患などが多い

海洋のマイクロプラスチックレベル(MML)は、沿岸郡の心臓代謝疾患の有病率と有意に関連していると、米国の研究チームが発表した。

マイクロプラスチック濃度の高い海域の沿岸部に暮らす住民(平均年齢は43±6歳)は、マイクロプラスチック濃度の低い地域に暮らす住民と比べ、「2型糖尿病、冠動脈疾患、脳卒中の調整後有病率がそれぞれ18%、7%、9%高い」そうだ。

マイクロプラスチックの摂取が健康に影響するという報告は多いが、マイクロプラスチック汚染された海の近くに暮らすだけでも影響はあるようだ。潮風に乗って、マイクロプラスチックが海から陸へ流れてくるため、呼吸で吸い込んでしまうせいだろうか。

人工芝のようにマイクロプラスチックを大量に発生する施設は、やはりなくさなければならない。

<出典>

https://www.ahajournals.org/doi/full/10.1161/JAHA.124.039891

食品容器の冷却と加熱がマイクロプラスチック放出の原因に 大量の取り込みを防ぐには

食品容器から大量のマイクロプラスチックが発生し、健康に有害だとする研究報告が相次いでいる。

特に、冷凍したポリスチレン容器から発生したマイクロプラスチックの有害性が高いようだ。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39933459/

マイクロプラスチック摂取が体に悪いという証拠は既に出そろっているように見えるが、日本はまだ公式に認めていない。日本にも早く規制してほしいが、日本は政治絡みで食品用トレーでさえも規制できないと聞く。

しかし、ポリスチレン容器に関しては、規制する国が増えている。

Fobesによると、アメリカだけでも「カリフォルニア州、コロラド州、デラウェア州、メーン州、メリーランド州、ニュージャージー州、ニューヨーク州、オレゴン州、ロードアイランド州、バーモント州、バージニア州、ワシントン州の12州に加え、コロンビア特別区が発泡プラスチックを削減する法律をすでに可決している。自治体レベルでも、250以上の市や郡が発泡プラスチックの使用制限を決めている」そうだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/433ab630fea814e8d65bd2bbf3e8609480485c5b

ポリスチレンやポリプロピレン、ポリエチレンなど、体内に取り込まれるマイクロプラスチックの多くは食品容器由来だと考えられる。

マイクロプラスチックの体内侵入を完全に阻止することはできないが、せめて大量に取り込む危険は避けるべきだ。

ポリ袋を使った調理法を紹介する料理番組が多いが、ポリ袋を加熱・冷凍することでポリ袋からマイクロプラスチックが放出するのでやめた方がよい。加熱・冷凍しないまでも、ポリ袋に入れて漬け物をつけたり、肉をこねたりすることも危なそうだ。マイクロプラスチックが大量放出しなくても、添加剤はおそらく溶出する。

「電子レンジ対応」ラップやプラスチック容器を、電子レンジにかけることも避けるべきだ。電子レンジ対応とは、電子レンジにかけても溶けないことを意味するだけで、マイクロプラスチックは当然大発生する。

できれば、プラ容器に入った味噌や梅干し、キムチなどを冷蔵庫で長期保存する際も、ガラス容器などに移す方が安心だ。

給湯ポットの内側がもしプラスチックならば、そのポットの使用もやめる方がよい。

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