インド・ゴア州でもプラ容器にデポジット制度導入か

これまでインドでは、マハラストラ州のみで200ミリリットル以上のペットボトルと牛乳容器(ミルクパウチ)にデポジット制度が採用されていた(200ミリリットル未満のペットボトルは禁止)。

ゴア州でも現在、デポジット制度を検討しているようだ。

ニレシュ・カブラル環境大臣は、月曜のゴア立法議会で、政府はデポジット制度を導入するため、生分解性の法案を修正すると表明した。

https://www.thegoan.net/goa-news/buying-goods-in-plastic-be-ready-to-pay-a-deposit/102156.html?eType=EmailBlastContent&eId=ff83d943-5896-43d5-aff1-470f252c4fb3

ペットボトルの水を購入する際は、Rs10またはRs5のデポジットを商品代金に上乗せして支払うが、ペットボトルを返却すると返金されるという。

マハラシュトラ州のペットボトルはせいぜいRs1からRs2だから、マハラシュトラ州よりもデポジット額を少し高めに設定するようだ。

東急ホテルでペットボトル廃止 カトラリーも紙製に

セルリアンタワー東急ホテル(東京都渋谷区)が、客室などの飲料水や一部の備品を変更した。

東急ホテルズ&リゾーツ株式会社が掲げるSDGs方針の一環とのことだが、ようやく昨年施行されたプラスチック資源循環法に対応したのだろう。

客室などに置かれていたペットボトルを紙製ボトルに変更し、テイクアウト用に使用しているスプーン・フォーク・カップの蓋などをプラスチック製から紙製に変更した。

また、ランドリーバッグをプラ製から布製にし、繰り返し使えるようにした。ハンガーも木製にしたそうだ。

他に、お風呂のシャンプーなどのミニボトルも順次廃止し、ポンプ式に切り替えるとのこと。

とてもよい変更だと思うが、もっと庶民的なホテルでは、廊下にウォーターサーバーなどが置かれていて、持参した水筒にも給水できるようになっていたりする。紙ボトルよりずっと便利だと思うのだが、どうなのだろう。

<出所>

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002787.000005113.html

歯ブラシやカミソリについては触れていないが、当然何らかの対応を既にしているのだろうと思いググったところ、こんな感じだった↓

https://www.tokyuhotels.co.jp/cerulean-h/guide/greencoin/index.html

コンタクトレンズからも、ペットボトルからもPFAS

最新の調査結果によると、検査した18種のコンタクトレンズすべてから、高レベルのPFAS(有機フッ素化合物)が検出されたそうだ。

https://www.harpersbazaar.com/jp/beauty/health-food/a43953627/contact-lenses-contain-dangerous-amounts-of-forever-chemicals-pfas-230522-lift1/

100ppm以上とのことで、この数値はEPAが安全と認める飲料水に含まれる最大量の約5万倍に相当するという。

どの程度、PFAS入りレンズ着用を心配すべきかわからないそうだが、妊婦や子どもは使わないほうがよいことは確かだろう。

また、ペットボトル入り飲料水からもPFASが検出されたとのこと。

47のブランドをテストしたそうだ。35が水、12が炭酸水。

35の水のうち2つが1兆分の1のPFAS閾値を超え、12の炭酸水のうち7つが1兆分の1のPFAS閾値を超えたとそうだ。

ということは、原水がPFASで汚染されていたというよりも、ペットボトルからPFASが漏れ出した可能性の方が高いということだろうか?この結果を見る限り、炭酸水の方がペットボトルからPFASが溶出しやすいように見えるが、どうなのだろう?

アイルランドのデポジット制度、来年2月開始予定

アイルランドは、来年2月にデポジット制度を開始する予定だ。アイルランド銀行がこのスキームに関わるという。

500ミリリットルまでのペットボトルと缶のデポジット額は15セント、それを超える場合は25セント。返却には、自動回収機を利用することもできるし、レジも利用できるそうだ。

アイルランドでは、既に90%以上の生産者と2,500以上の店舗がデポジット制度に参加表明しているようだ。

<出所>

ペットボトルと鉄くずで作った巨大亀がインドに登場 啓発効果は?

街路から回収された約600kgの廃ペットボトルと700kgの鉄廃棄物から作られた全長9メートルものカメが、インド・チェンナイ市の浜辺に登場したそうだ。

カメの中に入れるとのこと。

インドの英字日刊紙「ザ・タイムズ・オブ・インディア」による取り組みで、使い捨てプラスチックに対する人々の意識を高めるために作られたという。

こういう話は面白いけれど、啓発になるかは疑問だ。多くの人はこれを見て面白がるだけで、使い捨てプラスチックを使わないようにしよう、とまで考える人は少数派だろう。

いつ撤去するつもりか知らないが、展示中のカメから少しずつ、紫外線で劣化したマイクロプラスチックが大気へ放出される。

しかも、ペットボトルから溶け出したフタル酸エステルなどの化学物質が砂浜を汚染しそうだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/2bf72ae358fbd729aba95c95d8a2b841b3dcdd31

価値のないものだからこそ、ペットボトルや使い捨てカップなどはデポジット制にする必要がある

ある環境系の人が、「リユースびんなどのように価値のあるものをデポジット制で回収するのは良いが、ペットボトルや使い捨てカップのような価値のないものはデポジット制はムリ」などと発言するので耳を疑った。

真実とは真逆の発言だ。まったくデポジット制度を理解せず、批判のための批判のようだ。

価値のあるものならば、デポジット制度にしなくても落ちていれば誰かが拾うので、散乱ごみにはならない。そもそも、本当に価値があれば、誰もポイ捨てなどしない。

しかし、ペットボトルなどのような使い捨ての価値の低いものはポイ捨てされやすいし、落ちていても誰も拾わない。そういうものこそ、デポジット制度にすべきなのだ。デポジット目当てに誰かが拾ってくれるので、散乱ごみになりにくい。

一見環境系の団体の人が、「日本ではデポジット制度は向かない」などと言い切るのが、全く理解できない。

もしかしたら、飲料メーカーからお金をもらってるの?と疑ってしまう。

リサイクルの善し悪しなどはまた別の話だ。使い捨てプラスチックはそもそも禁止したらよいと思うが、すぐに禁止できないのならば、せめてデポジット制度で回収しなければ汚染は止まらない。

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アサヒと墨田区がペットボトルで協定?!飲料メーカーは自治体に頼らず、全額自腹で回収すべき。「自治体よ大志を抱け」

飲料メーカーが全国各地の自治体のペットボトルを買いあさっている。6月9日、アサヒ飲料と墨田区、ペットリファインテクノロジーの3者が協定を結んだ(日本経済新聞)。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC095JF0Z00C23A6000000/#:~:text=アサヒ飲料などを傘下,資源として再利用する%E3%80%82

2024年4月から墨田区が回収する年間1200トンのペットボトルを引き取り、再びペットボトルの資源として再利用するそうだ。

1年契約で、1年ごとに更新される。

ペットリファインテクノロジーは川崎でケミカルリサイクルでペットボトルの再生樹脂を作っている会社だ。親会社は日本環境設計(以前の社名)。確か今の社名はJEPLANか(前の名前の方が覚えやすかった)。

メーカーが引き取るということは自治体にとって、容器包装リサイクル協会のようにうるさいことを言われずに済む。容リ協会はラベルを剥がせだの何だのと、うるさい限りだ。しかも入札でないから、決まった金額で買い取ってもらえるという利点もある。

メーカーにとってはもっと大きな利点がある。きれいなペットボトルが安定的に入手できるのだ。

しかし、何か変だ。本来ペットボトルのようなものは、世界では「拡大生産者責任」が当たり前だ。回収からメーカーが自力でするか、自治体に依頼するならば、回収費用を全額自治体に払うべきものだ。

墨田区の場合、回収費用はほぼ税金負担で、容リ協会よりも少し高めの金額で、集めたペットボトルを買い取ってもらっているだけのはず。

飲料メーカーが使用済みペットボトルを欲しがるようになったのは、ボトルtoボトルが奨励され始めてからだ。その機運はプラ新法で加速している。

ようやく自治体にとり、タダでペットボトルを回収しなくて済む好機が訪れたのだ。

こんな協定などで妥協せず、今こそ「拡大生産者責任」のもと「メーカーは回収費用を全額負担せよ」と声を大にして叫んでほしい。

わずかな金額で妥協せず、自治体にはもっと大志を抱いてほしい。それが、ペットボトルなどの処理困難な使い捨てプラスチック製品が登場して以来の悲願だったはずだ。

仏、五輪でペットボトルやカップなどの使い捨てプラを使わない方針

ロイターによると、2024年にフランス・パリで開催されるオリンピック・パラリンピックでは、使い捨てプラスチックを禁止にするそうだ。

さすがフランスだ。東京五輪でもそうしてほしかったが、東京は「スポンサーの意向」などでできなかった。スポンサーとは主にコカ・コーラを指していたと思う。

パリ五輪では、コカ・コーラも協力し、ガラス瓶を使用するとのこと。

マラソンでも再利用可能なカップが提供される。

ロイター↓

https://jp.reuters.com/article/olympics-environment-idJPKBN2XI01W

フランスでは2025年までに使い捨てプラスチック包装の年間市場投入量を、2018年比で20%減らす目標を立てている。

そのため、既に青果のパッケージなども一部を除きほとんど禁止され、ティーバッグやファストフード店の子ども用おもちゃなども禁止された。2024年からはマイクロプラスチックを含む医療機器の販売が禁止となるそう(JETROビジネス短信)。

量り売りや容器持参の取組も進んでいる。

https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/05/413407e4a686561c.html

一方日本は、使い捨てプラスチックは一部減ったような気もしないでもないが、増えているプラスチック製品の方があまりに多すぎて、プラ新法の効果はいまだ見えない。海外の人から指摘される日本人の「プラスチック中毒」は、かなり深刻なようだ。

たった1ミリリットルのペットボトル水から1億超ナノプラスチックを検出。これまでの5億倍!?(加筆)

国際研究チームがペットボトルに入ったミネラルウォーターを調べたところ、1ミリリットル当たり1億個以上のナノプラスチックを検出した。1リットル当たりではなく、1ミリリットル当たりだ。

https://japanese.joins.com/JArticle/304826?servcode=400&sectcode=400

調べたのはノルウェー科学技術大学と中国の南開大学、ベルギーのゲント大学などの研究チーム。サンプルは、ノルウェーで市販されている4つのブランドのペットボトル入りの飲料水だ。

これまでの検出方法とは違う方法で調べたため、これまで得られていた結果とは桁違いに多い。

これまでは、世界平均で「1リットル当たり325個」とのことだった。

https://toyokeizai.net/articles/-/236346?page=2

しかし、今回は「1ミリリットルにはナノプラスチックが平均1億6600万個」とのことなので、1リットルに換算すると1660億個?!

ということは、これまでの5億倍!?!

環境省はいまだに「プラスチック・スマート」などと、プラスチックと賢く付き合うなどといっているが、プラスチックを使っている限り、マイクロプラスチックの大量曝露から逃れられないことは明白だ。

あまりにも数が多いので、気になって元の論文を調べてみた。

これのようだ↓

https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.est.3c00842

調べたのはノルウェーのスーパーで購入した4つのブランドのペットボトル入りの水。採取したポリエチレンテレフタレート(PET)ナノプラスチックは、平均サイズ約88.2 nmだったそう。

採取したサンプルの濃度は、1ミリリットル当たり約108(10の8乗だから1億!)個/mLと推定された。ボトル入り飲料水によるヒトの年間ナノプラスチック消費量は、成人の飲水量を1日2リットルと仮定すると、約1014個(100兆!?)と推定されたとのこと。

桁が多すぎて混乱する。

シンガポールのデポジット制度、2025年から開始

シンガポール国家環境庁(NEA)によると、2025年4月から10セントのデポジットを飲料に上乗せし、制度を開始するとのこと。上乗せされた飲料には容器にラベルが貼られる。ラベルのない飲料もまだ出回っていることから、4月から6月まで3ヶ月の移行期間がもうけられている。

すべての飲料関連企業と小売店は2025年7月1日までに、デポジット制度を完全に実施しなければならない。

シンガポールでは、ペットボトルと缶が飲料容器の70%を占めるという。

https://youthopia.sg/read/beverage-container-return-scheme-launching-in-april-2025-canned-bottled-drinks-to-cost-0-10-more/?eType=EmailBlastContent&eId=225d7e5f-0e54-495b-a27c-28f281ed69a4

これまでシンガポールのデポジット制度は、2023年開始とされていた。

https://www.nna.jp/news/2160348

遅れたようだが、中止にならずによかった!

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