陸橋に、マスク、不織布ティッシュなど270以上のごみ

時々通る近所の陸橋に、いつも多くのごみが落ちている。もう何年も気になっていたが、いつも足早に通り過ぎていた。最近マスクがよく落ちているなぁと、一昨日数えたところ陸橋の片側の歩道部分だけで6枚も落ちていた。

ウェットティッシュも目に付くし、たばこの吸い殻も多い。これではまるでスラム街だ。

昨日、ついに一大決心をし、プラスチック部分の多いごみだけ拾って数えてみた。

マスク10枚(うち布マスク3枚)、不織布製ウェットティッシュ・おしぼり16枚、菓子等の個包装3個、ペットボトル2本、ペットボトルのキャップ2個、飲料用パウチ1個、レジ袋1枚、ストロー1本、コンビニおにぎりのラップ1個、コンビニのサラダ容器1個、たばこの吸い殻200本以上(100までは数えたが、あとは面倒になり計200とした。数えていればおそらく200以上あったはず)、たばこの箱2個(うち中身が残っていた箱1個)などなど、合計272個のごみを拾った。

歩道の手すりに中身が半分ほど残ったペットボトル入りの水が1本置いてあり、ごみには見えたが誰か取りに来る可能性もあると思いそのままにした。また、車道の隅に車にひかれぺしゃんこになったペットボトルが2本落ちていて、歩道から手をのばせば取れる距離だったが、今回は歩道のみと決めていたのでそれも拾わなかった。

約30分、陸橋の両側の歩道(スロープを上って下りるまで)を歩いて拾ったごみが約270個。散乱ごみはマナーの問題ではなく、社会システムの仕組みの問題だ。きっと1週間後も同じくらい落ちているのだろうと思う。

日本のこの汚れ具合を見ていると、やはり日本のプラスチック政策は遅れていると思う。政策がプラスチック需要の増加に追いついていない。

数年前、海ごみサミットに招かれた環境省の人が「日本はまだまだきれいだ」といって、参加者を驚かせたが、きれいなのは掃除の行き届いた永田町周辺や観光地のような一部地域だけなのではないだろうか。

セブン、サンドイッチのパッケージのプラ量4割減

セブンイレブンが、サンドイッチのパッケージの一部を紙製に置き換えることにより、プラスチック使用量を40%削減できたとのこと。

7月27日から東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県の店舗にて順次、切り替えを開始するそうだ。

一歩前進だとは思うが、中身が見えなくてもいいから全部を紙に切り替えてくれればいいのに・・と思う。陳列棚に写真が1枚貼ってあれば、中身はわかるので。

本当は、ガラスケースに並んでいる無包装のサンドイッチを、持参の容器に入れて購入したいところだが、コンビニにそれを期待するのはムリだろうか・・。

<参考>https://www.ryutsuu.biz/strategy/n072120.html

日本はなぜ環境後進国になったのか

最近よく、日本は先進国ではなくなった、という言葉を聞く。確かに2000年以降、日本はもう先進国ではないなぁと思うことが増えた。近頃は特に「後進国」に見える。医療もデジタル関連も、コロナ禍のおかげで日本がいかに遅れているかがよくわかった。また、動物福祉や人権意識の低さも五輪のおかげで露呈した。

先月公布された新法、プラスチック資源循環促進法でも、先進国には当然あるはずの「拡大生産者責任」(EPR)がない。「広義ではある」と関係者の皆さんはおっしゃっているが、どう見ても通常の意味(広義ではなく)ではEPRの考えをベースにした政策はない。広義ではある?・・あまりにも広すぎて見えない。

容器包装リサイクル法ではEPRは50%といわれたが、今回の新法ではゼロに見える(少なくとも狭義では)。理由は、政府が経済界に配慮したからだろうが、一体どこの会社がそんなに働きかけたのだろうか?と思っていたところ、あるベンチャーが「経団連に入った」と得意そうに報告している文章が目に入った。

経団連はベンチャーにも門戸を開くようになったらしい。しかし、会費もバカにならないだろうに、経団連に入るメリットがそんなにあるのか?と思って、経団連のウェブサイトを見てみた。

https://www.keidanren.or.jp/nyukai.html

「会員のメリット」の項の1番目にこの文言がある↓

「1 貴社のご意見を経団連の提言に反映させて、政府等へ働きかけ、政策を実現することで、ビジネスの現場に即した環境を整備することができます。」

要するに、経団連に入会すれば、自社の利益になる要望を政策に反映させることができるということのようだ。まさに「物言う経団連」、要するに政府に圧力をかける団体ということか。

日本が、少なくとも「環境後進国」になったわけが、少しわかった気がする。

北九州市、市立学校で脱ストロー

北九州市が、学校給食の牛乳パックについていたストローをなくすために、パックを少し改良した。手で開けて、そこに口を付けて飲む方式。

ここまでするならば、びん牛乳にすればよいのに、と思うけれど、いろいろ理由はあるのだろう。

これで市内で年間約1500万本のストローを使わずに済むようになるそうだ。

ストロー廃止は2022年度から。年間約7トンのプラスチックごみが減るとのこと。

牛乳パックはどうなるのだろうか?ごみになるのか?それともリサイクルされるのか?やはり牛乳ビンに変えてほしかった。そうすればごみも出ない。洗びんの際に水が多少汚れるかもしれないが、それはリサイクルしても同じだ。燃やせばごみ量は約1割の焼却灰になるが、NOxやCO2など気体のごみがでるし、資源も無駄になる。

<参考>

日本経済新聞(2021.7.16)「北九州市、プラスチックストロー廃止 市立学校給食で」↓

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOJC157VX0V10C21A7000000/

キリンとローソンも0.2円でペットボトル回収、実証実験開始

キリンホールディングスとキリンビバレッジとローソンは、ペットボトル減容回収機によるペットボトル回収の実証実験を、7月15日からローソン横浜新子安店で開始するそうだ。

ペットボトル5本でPontaポイント1ポイントが付与されるとのこと。

1ポイントが要らない人は、その分の1円を国土緑化推進機構に寄付することができる。

セブン・イレブンの自動回収機も1本当たり0.2円だから、金額は同じだ(でも回収機の構造が多少セブンのとは違っているようで、こちらの機械ではペットボトルがノシイカのように圧縮される)。

海外のデポジット制度による飲料容器の自動回収機でも「寄付」を選ぶことができる。もちろん、デポジット制度による回収であれば、最低でも1円などという低い金額ではないが、結構寄付を選ぶ人も多いと聞く。

ペットボトルを使ったことによる罪悪感が、寄付することで帳消しになる気がするするから、寄付はよいアイディアだと思う。

しかし、1本0.2円で散乱ごみは減らない。メーカーは「ボトルtoボトル」のために質のよいペットボトルが必要なのであれば、潔くデポジット制度をやればよい。そうでなければ、ペットボトル飲料など売らないでほしい。

やはり自治体はペットボトル回収からもう手を引くべきだ。自治体が手を引けば、メーカーももっと回収に本腰を入れるのではないだろうか。5本も売っておいて、たった1円で回収しようなどというのは、メーカーは虫がよすぎる。

<キリンとローソンの自動回収機についての参考>

食品産業新聞社「キリンとローソンがペットボトル回収を促進、独自の回収機を店頭設置、飲料業界はプラスチック循環を加速」↓

https://www.ssnp.co.jp/news/beverage/2021/07/2021-0716-1812-16.html

日本ではなぜ柔軟剤を使う人が多いのか?

 以前、柔軟剤について調べていた際、ドイツでのアンケート結果の資料を読んだ。それによると、ドイツで柔軟剤を使用する層は、テレビコマーシャルに洗脳されやすいタイプの人たちで、低所得者や低学歴者に多い、という結果であった。

日本では、特に若い層に柔軟剤使用者が多いようだが、所得や学歴には無関係で、高所得者も高学歴者もこぞって柔軟剤を使っている。

日本人はドイツ人に比べ、コマーシャルで洗脳されやすいタイプの人が多いようだ。(ちなみにフランス在住の人に聞いたら、やはり柔軟剤を使う人は多くないそう。なぜ要らないものにお金を払う必要があるのか?とのことだ)

同調圧力が強い日本では、テレビで宣伝されていることをそのまま信じ込み、「他の人が使っているならば、自分も使わなければ」と思ってしまう人が多いのだろうか?

柔軟剤も毎日使えば安くない。石鹸洗剤を使えば合成洗剤と違ってゴワゴワしないから、柔軟剤を使う必要はない。昔と違って、石鹸洗剤は液体のものもあり、粉石鹸が苦手な人にも使いやすくなった。わざわざ合成洗剤を選び、ゴワゴワするからといって、百害あって一利あるかないかわからない柔軟剤を使って、自分や家族だけでなく近隣の人たちにまで「香害」の原因になるマイクロカプセルなどをばら撒く理由はない。

柔軟剤の多くには合成香料を内包したマイクロカプセルが入っている。マイクロカプセルはマイクロプラスチックの一種で、衣類についたそれは香りとともに、目に見えない小さなプラスチック片を大気中にまき散らしている。吸い込んだ人は化学物質過敏症を発症する危険性だけでなく、他の病気を背負い込む可能性も大きい※。

マイクロカプセルを家庭用品に使用することは早急にやめてもらいたい。メーカーの良識に期待したい。

※(2022.10.9付記)『脳神経内科』93巻2号(2020.8)に掲載されている「大気汚染と認知症」によると、PM2.5などの大気汚染は認知症と関連があるそうだ。ということは、マイクロカプセルやその破片が空気中に飛散していれば、それを吸い込むことで認知症になるリスクも高めてしまう可能性があるということだ。

セロハンで脱プラできるらしい

気になっていたセロテープ。セロハン部分も接着剤部分もどちらもプラ系だと思っていたが、そうではないようだ。

セロハンテープのセロハンは木材などの植物から作られ、土壌中で速やかに分解されるそうだ。紙に近いが、紙としてのリサイクルはできない。

ニチバンによると、セロハンテープの接着剤は天然樹脂とのことで、プラスチック系のテープであるOPPテープと違って、接着剤部分もプラスチックではないという。

ムダに使うつもりはないが、これからは少し安心してセロテープを使えそうだ。

ニチバン「セロハンテープとOPPテープの違い」↓

https://www.nichiban-cellotape.com/difference/

トレー問題を過小評価すべきではない

朝日新聞で、トレー問題をシリーズで記事化している。それはとてもありがたいのだが、どうも影響が過小評価されているのではないかと心配だ。

発泡スチロール製トレーは、発泡スチロール部分だけが問題なのではない。上にかけられているラップも問題なのだ。

家庭用は塩ビラップ以外のものも多いが、業務用は塩ビラップが多い。健康への悪影響は、発泡スチロール(ポリスチレン)も怖いが、塩ビも怖い。

最近では発泡スチロールトレイが少しペットボトルのリサイクル品に代わってきていて、透明のPET製トレーもよくみかける。

発泡スチロールよりは多少安心な気もするが、やはりそれも油断できない。

サミットのようなトレーを減らすスーパーの取組は大歓迎だ。近所にサミットはないので、他のスーパーでもぜひ取り組んでほしい。(もちろん、容器を持参するから量り売りしてほしいが、次善の策として)

発泡スチロールの健康への悪影響については海外ではいろいろ指摘されている。マイクロプラスチック化しやすいから、環境への影響も大きい。環境中に散らばると、雨水を含んでしまうため蚊が培養されると聞く。

多くの国や地域で食品容器としての使用規制が既に始まっている。日本も早急に規制してほしい。

朝日新聞の記事↓

第1回「お肉の下のトレーは消える? 「いいね」までの長い戦い」↓

https://www.asahi.com/articles/ASP6X5DPJP62ULEI00K.html?iref=pc_rensai_article_short_1273_article_1

第2回「スーパーの悩みから生まれたノントレー機 昨年は爆売れ」↓

https://www.asahi.com/articles/ASP6X5DRVP62ULEI00W.html?iref=pc_rensai_article_short_1273_article_2

第3回「トレー回収箱、スーパーの半数に ゴミ箱にされたあの頃」↓

https://www.asahi.com/articles/ASP6X5DVLP68ULEI003.html?iref=pc_rensai_article_short_1273_article_3

第4回「トレーがなくなると何が変わる? プラごみ問題は奥深い」↓

https://www.asahi.com/articles/ASP6X5DYTP6RULEI00D.html?iref=pc_rensai_article_short_1273_article_4

RKB毎日の「香害」放送、よかった!

RKB毎日がとてもよい香害の放送をしてくれた。
短いけれど、とても的確だ。

EUのマイクロカプセルの規制動向もよくわかる。

ドイツ在住の知人によると、ドイツでは柔軟剤が日本ほど使われていないせいか、香害はほとんど問題になっていないそうだ。

日本ではなぜこれほど柔軟剤が一般的になってしまったのだろう?やはりテレビコマーシャルの影響だろうか?コマーシャルによる洗脳は怖い。要らないものでも、必要だと思い込まされてしまう。

EUでの規制目的は「香害」防止ではなく、あくまでも意図的に添加するマイクロプラスチックを規制することだ。

日本も早くマイクロプラスチックの意図的添加を規制してほしい。日本には、スクラブ目的の洗顔剤などだけが、化粧品に含まれるマイクロプラスチックだと誤解している人がまだまだ多い。

そんなものは、マイクロプラスチックのごく一部に過ぎない。他に多くのマイクロプラスチックが、柔軟剤や洗剤、ペンキ、化粧品、農薬、インクなどに使われている。

第4弾↓
https://youtu.be/l10CWhy3dTg
過去の放送はこちら↓
第1弾↓
https://youtu.be/lvtVSkBg4gs
第2弾
https://youtu.be/c_t2mVtOKlc
第3弾
https://youtu.be/Z8-bH7j8etk

海洋生分解性プラによる環境破壊

「海洋生分解性プラを採用すればエコだ」と勘違いしている人が多いのではないか。

カネカの海洋生分解性プラPHBHは、日本で一番評判がよいかもしれない。しかし、その原料はパーム油だ。

https://rief-jp.org/ct4/93045

食品からパーム油を排除するのは難しいが、パーム油はインドネシアやマレーシアの森林破壊を引き起こし、森林火災の原因にもなっている。先住民族や現地住民への人権侵害も問題だ。CO2の膨大な排出の一因でもある。

たとえ認証されたものでも使わないに越したことはない。

そうであれば、ストローやスプーン、レジ袋などのような使い捨てのものに採用するなどは、あってはならないのではないか。このようなものは、特に必要がないケースが多い。ほしい人はお金を払って買えばよい。

セブン・イレブンが以前、カネカのPHBHをストローに採用した。

https://www.kaneka.co.jp/topics/information/in20191031/

こんなものを採用するのはセブンだけだろうと思っていたところ、最近ファミリーマートまでがスプーンに採用したそうだ。

https://www.kaneka.co.jp/topics/news/2021/nr2106221.html

レジ袋に採用したところもある。

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/10634/

これらのような不必要なものに、パーム油を使わないでほしい。

海洋生分解性プラスチックはもっと有用なものに使うべきではないか。

海洋生分解性プラというと、海に落ちればすぐに分解してなくなくように聞こえるが、そんなことはありえない。認証の基準である海水温が30度もある海など日本近海には真夏の一時を除けばほぼ存在しないし、仮に熱帯地域の暖かい海に落ちたとしても、海底に沈んでしまえば、海水温は低く酸素量も少ないから分解しない。

分解が止まった海洋生分解性プラは、普通のプラスチックと同様、生物にとって害悪だ。

今後コンビニなどが、プラスチック製のフォークやスプーン、ストローをどのように減らすつもりかは知らないが、有料制を導入し、大幅に減らしてほしいと思う。